そろそろ「お得なキラキラ生活」を売りにするのやめませんか?
はい、そうです。先に書いておくと、バンコク短期生活者の「月6万円でタワマン住めます!」ツイートに対しての記事になります。
該当のツイートも先に張っておきますね。
ちなみにこの人、2022年の8月にもまったく同じツイートしてるんだよね。
「旅してハマったら移住してみて🙆♂️」
って、6ヶ月タイに住んだだけの人が言う「移住」ってなんなのか。「お得にキラキラ生活できる」ことだけをウリに、住まわせてもらってるタイにお金を必要以上に落とす気がない貧乏根性がカンに触ります。
さて、ここからお金の話をメインにツイート内容につっこんでいきますが、タイバーツのレート換算は基本4円としてすすめていきます。
外食100円(25バーツ)→カオマンガイでもバンコクの基本は40バーツ。麺やぶっかけ飯だって25バーツで食べられるところはバンコク中心部ではほぼないと思います。カットフルーツなら屋台で20バーツで食べられますが。てゆうか「外食」じゃなくて「屋台飯」のことでしょ?
マッサージ800円(200バーツ)→これは本当。バンコク都心部でも探せば200バーツでタイマッサージやフットマッサージが可能です。でも私は毎回最低でもチップ40バーツをわたすので正確には960円です。この人、マッサージ師さんにチップわたさないんですね~。へぇ~。チップ抜きなら、そりゃ800円で収まりますわな~。
バンコク格安タワマンキャンペーンは今に始まったことではなく、2019年の11月にはこんなツイートも。
このツイートを見て「2019年って3万円(当時のレートだと8,500バーツほどか)でタワマン住めたのかぁ~」とうっかり記憶操作されかけるところでしたが、私が移住した2020年3月、バンコク都心(プルンチット~エカマイ周辺)、駅から徒歩10分以内で8,500バーツで住めるコンドミニアムなんて、ほとんどなかったような気がします。
「バンコクタワマン激安!」を発信する人たちがほとんどが語らない、部屋の広さ、駅からの遠さ、ファシリティの詳細、築年数を考えると、上記ツイートの方が住んでいたであろうコンドミニアムのレベルはなんとなく想像できますね。
では実際に私が住んでいた部屋について紹介します。
オンヌット駅から徒歩20分(車かバイクないと移動無理)
タワマンではなく低層コンドミニアム
ジムプール付き、サウナはついてないけど温水ジャグジーとマッサージチェアとコワーキングスペースならあるよ
2020年築なのでバンコクでは超新築の部類
ビデオでも紹介されている通りの内装のキレイさです。いわゆるマックス7階建てくらいの「低層コンドミニアム」と呼ばれる部類で、世帯数が少ないため施設のつくりはコンパクトながら、ジムやプールは世帯数に比べると広く、マッサージチェアや温水ジャグジーがプールの横についていたりと、ファシリティの豪華さは一般的なコンドミニアムよりも上だったと思います。
私は当時14,000バーツ(5万6千円)で住んでいました。動画で紹介されている部屋はそれよりも3,000バーツ(1万2千円)高めでしたね。
5万6千円であれば、該当ツイートの「6万以内で住めるタワマン」の部類に私も入るのでしょうか。
でも、私の住んでいたところはタワマンではなく「低層コンドミニアム」であるし(なんなら住んでいたのは5階)、日本在住者のイメージする「コンドミニアム」とは少し違うのでは?と思います。
では、日本のみなさんがイメージする「タワマン」ってなんのよ、ということでこちらの記事を参照しました。
日本の方がイメージするタワマンを、仮に家賃21万円(52,500バーツ)、広さ55㎡以上、階層は40階建て以上、とします。
これらを踏まえて、以下の動画を見てみようと思います。
※ちなみに、タイではタワーマンションという言葉は使われず、コンドミニアムという呼び方をします。上記の条件がそろったタイのコンドミニアムを、この記事ではタワマンと呼ばせてもらいます。
紹介されているのは、アソーク(Asoke)、プロンポン(Phrom Phong)、シーロム(Silom)といったバンコク主要エリアの人気タワマン(コンドミニアム)。3つの物件をまとめてみました。
The Address Asoke
一番最初に紹介されているThe Address Asokeですが、立地はアソークよりもちょっと北の方ですね。緑や水をうまく配置させたオアシス感のある入口、高級感あるエントランス、階層は45階建てと、タワマンの条件を見事にクリアしております。
肝心のお部屋は40階の76㎡、2LDK(2バスルーム)で、お値段は50,000バーツ(20万円)とのこと。※12か月契約の場合
Park Origin Phromphong
次に紹介されているのはPark Origin Phromphong。日本人も多いプロンポンエリアで駅から徒歩10分、公園も近い好立地ですね。ファシリティもジムのみならず、ムエタイリングやコワーキングスペースと豪華。
お部屋は56㎡、2LDK(1バスルーム)で、55,000バーツ(24万円)でした。※12か月契約の場合
Ashton Silom
最後はバンコクの金融オフィス街にあるAshton Silom。このあたりはハイソなバーやレストラン、Expatの外国人が多いイメージです。このエリアで6万円で住めるタワマンがあるなら私が住んでみたいくらいです。
アシュトンの名に恥じない高級感ありありの受付、最上階の47階にはガラス張りのラウンジつき、街を一望できるインフィニティタイプのプールの横にはホットジャグジーと、まるでホテル…。一度住んでみたいものですね。
お部屋は27階の87㎡、2LDK(2バスルーム)で79,000バーツ(31万6千円)なり。
格安タワマンはミスリード
ここまで読んでくれた方がいるなら、ありがとうございます。タイ在住の方なら頷いてくれていると思います。
わたしが言いたいのは、タイの物価は年々高騰し、夢のタワマン生活はもうできない、ということでは決してなく「タイなら6万円でタワマンに住める」は完全にミスリードだろって言いたいだけです。
たしかに15,000バーツ=6万円を払えば、私の住んでいた場所のように、ジムプールつきの部屋に住めるでしょう。テレビ、冷蔵庫、ベッド、ソファ、テーブルとイスは最低限どこの部屋にもついてくるので、引っ越しの手軽さも人気のポイントだと思います。
でも、部屋の広さは単身者向けだし、タイは建築素材がすぐに古くなるから実際の物件は写真より数割汚いことがほとんど。築年数が10年以上前だと、多かれ少なかれ年季が建物にただよっており、例の「タイの格安タワマン最高!」ツイートに載っている写真のような煌びやかさはありません。日本のタワマンと、タイのコンドミニアムは、ぜんぜん違うものなのです。
立地も重要なファクターで、駅から20分も離れればそりゃ家賃だって下がります。それに、いわゆるバンコクの都会感を満喫できる主要なエリアから離れれば、英語も通じないタイのどローカルな生活になります。そこでの生活の楽しさだってもちろろんあるし、そういうローカルエリアなら、屋台飯だって100円かどうかは知らんが、バンコク中心部より安いかもしれない。
誰のためでもなく事実を述べたいだけ
バンコクは本当に選択肢の多い街で、ライフスタイルの幅が広いです。月10万円(25,000バーツ)で生活することだって可能です。
ただし1日2食の屋台飯、日本食はないものとお考えください。スタバ?予算がないのでタイの大手チェーンアマゾンコーヒーで我慢してください。それも週に数回のみです。旅行はほぼ無理で移動はバスがデフォルト。おしゃれなバーや冷房付きのレストランでの外食もほぼ無理です。築15年の憧れのタワマン生活でついてきた22㎡の激狭ワンルームには、手入れの行き届いていない設備の微妙なジムプールがついているかもしれませんので、毎日暇つぶしにカラダを動かしていれば、うっかり生産性が上がるかもしれませんね。
↑ここまで詳細に説明してあげたいたいだけなのよ、私は。
このツイートが超皮肉で好きです。
インプレッションのために「バンコクタワマン格安~!」をさけぶノマド()たち、リツイートといいねの数で金を稼いでるのか知らんが、私は何の金にもならないnoteを祝日の朝11時から3時間もかけて書いております。
「バンコクで月〇円で豪遊」「タイなら月〇円で生活できる」「バンコクなら〇円あればセレブ生活」って、表面だけをなぞる人たちの多さにゲンナリしてきたけど、文章にすることで少しスッキリした~。
次はもっと細かい生活費のことなど書こうかな。では。