126番「ロッカーの床に昆布落ちてる」

 みなさんはバナナの皮に滑って転んだことがありますか。

 え?

 私ですか。もちろんないです。

 え?

 ありそう?

 ご冗談を。

 私だって、立派な淑女であるからして・・・ブツブツ

栞「アカリちゃんがまた独り言いってる。。」

 うひゃあ!?

栞「!? アカリちゃんどうしたの!?」

 栞さんが休憩室のドアを勢いよく開ける。

栞「あ、アカリちゃん大丈夫!?」

 私は休憩室の床に盛大にあたまから転んでいた。

 そう。バナナの皮につまずい

栞「あ、昆布ね」

 そう。昆布の皮に。・・・昆布?

栞「もう。気をつけなさいよね。フェリシーには要所要所に昆布トラップが張り巡らされてるんだからね」

アカリ「いたたた。私の心配はしてくれないんですか」

栞「大丈夫だと思う。昆布パワーで元気100倍!」

アカリ「その昆布につまずいたのにぃ」

 栞さんに手を貸してもらい、私は立ちあがる。

アカリ「それにしても、バナナならわかるのに何故昆布・・・?」

栞「いや、日常的に考えてバナナの方がなぞだわ」

アカリ「え、えと、そうですか」

栞「そうよ。フェリシーメイドといえば、一に昆布、二に昆布、三四にメイド長とくるのよ」

アカリ「なぜそこでメイド長、それにてきとーな気が」

栞「細かいことはなんでもいいのよアカリ。それよりも今後は気をつけなさい」

アカリ「そもそも何で昆布があるんですか」

栞「メイド長のご用達品だからよっ! メイドとしての長の威厳を保つため、メイド長を崇拝するため、メイド信仰の維持のため! そのための昆布よ。分かった?」

アカリ「・・・うん。栞さんがメイド長ラブなのは分かりました」

栞「アカリちゃんもメイド長へお願い事あったら、まずは昆布よ」

アカリ「はい・・・」

 昆布はメイド長の栄養源であることを学んだ。 

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