マガジンのカバー画像

WORK

16
毎月20日くらいに配信する短歌とエッセイのネトプリ、の、note版。有料記事です。
運営しているクリエイター

#note短歌部

WORK #16 / 2021.9

 何にでもスイッチがあるんだと思う。やる気をオンにするのがスイッチならば、オフにするにもスイッチが必要だ。たとえば掃除。たとえば本を開くこと。仕事中の休憩のような一呼吸ではなく、仕事の世界からぐんと遠ざかるスイッチが自分にもある。それを知っていることは大事だなあと、久々に本を読んでアホのように思った。  そんな風にあれこれ考えていると、いつも「仕事対自分」の図式が出てくることに気付く。就労対プライベートと言うべきか。それはとても自然なことだと思うし、同時に多少の違和感も覚える

有料
100

WORK #15 / 2021.7

 勤め先のコミックエッセイを半分仕事で、半分趣味で描いている。ありがたいことに楽しく見てくれている方がいて、なんだ、ありがたい。半分趣味、というのが自分にとっては多分キモで、何らかの成果を求められていないから続けられている。絵日記のようなものをインスタグラムに載せ始めて、面白がっているうちに一応漫画のかたちをしたものを描くようになった。他者からの要請ではなく、その方が言いたいことを伝えやすいなと思ったからだ。おかげで嫌々やるなんてことにはならず(100%仕事のコンテンツとして

有料
100

WORK #14 / 2021.6

 この四月から、ある歌会に参加している。その会の存在を知ったのはちょうど一年前。とにかく短歌をやっている人と知り合いになりたかったのだ。手軽な手段としてツイッターやうたの日に投稿してみるものの、私はここでコミュニケーションを取れない! これじゃない! とモヤモヤしている最中だった。それなりに近場で歌会が開かれているあたり、金沢市バンザイである。  時世が時世なので対面式の会は見送られ、落ち着いたら参加しようと思っていた去年の春。結局何も落ち着かないまま一年が経ち、こらえきれず

有料
100

WORK #13 / 2021.5

 自分の目指すところはきっと、何を成すや何を守るというよりも、ただヘラヘラしていることだ。少し前、noteにそんなことを書いた。無責任無理解という意味ではなくて、余裕を持つという意味。人の力を抜いてしまえるくらいに自分の力を抜いていたい。人間みんな常に何かを抱えてるんだろうけど、その中でふっと笑ってしまうギャグがある。どんなマテリアルでもいいから、小ギャグを作りながら生きていたいなあと思ったりする。 〈 写真の中の二人の目がとても強いから 私がここにいる意味 分かった気がし

有料
100

WORK #12 / 2021.4

 小学校で読書感想文を書くとき、唯一受けた指導は「『〜と思った』という締め方はやめましょう」というものだった。気がする。それ以外にも色々あったんだろうけど覚えていない。逆に、その指導にだけはやけに「そうかあ」と納得したんだろう。  今でも文章を書くと決まってそれを思い出す。「〜と思った」という締め方を自分はよくする、という自覚があるからだ。一般的にその締め方がNGとされているのかは分からないけど、思った、と書く度に、かつての先生の「思った、の先を書いてください」という声を一人

有料
100

WORK #11 / 2021.3

 父親は私にとってスーパーマンなのだ。すっかり大人になった今でもそうだ。父はオヤジくさい杉下右京(相棒)みたいな人で、私は、というか私たち一家は、機械・工具・インターネットの全てを父親に頼ってきた。言いすぎだと母に怒られるだろうか。でも大体そんな感じ。特にスマートフォンやパソコンに関しては父がずば抜けて詳しい。それに準じて、ネット通販やオークションも父の専門である。私が物心ついた頃から、父はヤフオクにかじりついていた。インターネット克明期に青年時代を過ごし、給料のほとんどを機

有料
100