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【コラム】お金を預かる、ということ【コミュニティとスポンサー】

メリークリスマス。
CHANGと申します。

メリーは「楽しい」「愉快な」「陽気な」という意味らしく、メリークリスマスは「良いクリスマスを!」という意味らしいので、本来は前日である24日に言うのが良いらしいですね。まあ当日に言っても別に変じゃないけど。
ちなみにハッピーメリークリスマスはハッピーとメリーが重複してるんで表現としてはおかしいんですが、頭とテンションがハッピーっぽいのでまあ別にいいと思います。

さて、僕は普段ポケモンカードをはじめとしたコミュニティイベントの企画や運営、管理をさせていただいているのですが、今回【お金と信頼】といった内容でお話をさせていただこうと思います。
クリスマスと程遠いな。

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本記事はさとけんさん主催の"こみゅリポAdvent Calendar 2021"の企画記事になっております。
各界の著名なオーガナイザーが参画している企画で、ゲームコミュニティ周りのできごとやナレッジをあらゆる切り口で記されていて読み応え抜群の一ヶ月です。
下記リンクから覗いてみてくださいね。
https://adventar.org/calendars/6516

昨日はodaさん
明日は長谷川優貴さんが執筆されます!

■コミュニティイベントになぜお金が必要なのか

年末でみなさんクソお忙しいかと思うので、あまり冗長にせず端的に言いますと、コミュニティイベントに限らず、「人が集まる」ことにはお金が必要になります。
それはイベントの会場費や賞品代だけではなく、スタッフや参加者の交通費、あれば昼食や夕食代、はたまたその日に予定をあわせるためのリソース管理も、強引に言えばコストになるわけです。
また、主催者だけでなく、参加者側も交通費や予定調整などのコストをかけて参加します。

それはなぜかというと、イベントに参加する体験に対して「期待」をしているからです。
主催者は自分が具現化したコンテンツを参加者に楽しんでもらう体験を、参加者はコンテンツに参加する楽しさ、勝敗を得る楽しさ、それらを通して繋がることなどの楽しさに対して「期待」をしていて、それに対してお金を使っていくのです。

僕がコラム書くたんびに耳タコになるくらい書いてる「イベントはみんなで作っていくもの」というのはこういったコスト面でも言えるわけです。

ただ、逆に言うと主催者・参加者ともにこれらのコストを捻出できないとイベントが成立しなくなる、とも言えますね。

特に主催者はクリティカル。
なぜかというと、参加者はコストがなければ参加しなければいいだけでノーリスクですが、主催者は開催が決定している以上既にコストを払っており、それが返ってくるかどうかは参加者の参加によるからです。

では、どうすればいいのか。
分解して考えてみましょう。

■イベントが生きていくために

改めて見直してみると、イベントを当日成立させるには以下のような項目が必要になります。
※オフラインの話です

□会場を作る、ハードウェア的なもの
・会場費
・機材費
・備品(名札、受付など)

□コンテンツに直結する、ソフトウェア的なもの
・参加者に渡すグッズ(賞品や参加賞)代
・運営ツール代
・配信ツール代

基本的にはこれらすべてを主催者が自腹で用意しています。
なぜなら、それを用意して初めて参加者が発生するからです。
そんで、参加者がゼロであれば完全に100%赤字に。
ええー? そんなー! やだー!

そこで、「期待できるコンテンツ」を作って参加者を募るわけです。
これが集客と呼ばれる動き。

いちばんハッピーなのは、主催者自身が楽しい企画を作って、それを作った費用を参加者みんなで折半して、全員満足して「楽しかったねー!」「企画してくれてありがとう!」「参加してくれてありがとう!」ってなって全員笑顔で帰ることなんですが、そうなるくらいの集客ができるかどうかは本当に難しいところです。

現実的には「何かを用意したホストは基本多少なりとも赤字を出しており、表面上笑顔だけども下を見たら腹を切って血を流していてエグい」といったことになり得るわけで。
「えっ、拙者この程度の出血大したことないでござるが…?
と言う人もいるけど、じゃあそれを5年10年出し続けたら後から見直すとさすがに辛いっしょ、その血痕の量やばいっしょ、という話になります。
(スポットならまあ良いのですが)

ただこれは「集められないお前が悪い」といった話ではなくて、

【楽しいコンテンツはみんなで支えないといつか死ぬよ】

ということを言っています。

■コミュニティリーダーを支えるスポンサーという存在

とはいえ、参加者がコンテンツに投下できる金額には限界があります。
例えば事業者でもない主催者が数十万もする会場を借りたとして、それを参加者全員で折半したら参加費が数千円にもなって、コンテンツの対価としては相応ではない、または客層的にそもそも払えないなどといったことが起きた場合、どうすれば良いのでしょうか。

「開催しなければいいー!」

そうだね、プロテインだね。

「あしながおじさんが助けてくれるー!」

それだ。


世の中には、スポンサーという形で支援する人、または団体が存在します。

スポンサー

〔名〕 (英 sponsor
事業資金出してくれる人。出資者後援者。パトロン
秋のめざめ(1957‐58)〈円地文子〉翳を負う男「スポンサーを見つけて、私立教育研究所建てるの」
商業放送番組提供者。広告主
*いろは交友録(1953)〈徳川夢声〉み「民間放送では、あるスポンサーのラジオ・ドクトルを始めたが」

https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC

イベントにおけるスポンサーは、主に2パターンが存在します。

1,その興行に個人的価値を感じて、応援・支援の意味で金額を投じる。見返りは求めない。
2,その興行にビジネス的価値を感じて、宣伝として掲出等を依頼する代わりに、相応の支援金額を出資する。

前者は先述で言うファン層によるコミュニティ形成の延長とも言えるでしょう。主催者と参加者それぞれが役割分担としてシーンを支える形で、それで成立するのであればそれに越したことはありません。
後者はイベントそのものに定量的な価値を見出してお互いにとってWINになる形を取る、中長期に渡った本質的な座組になります。ただし、ビジネスとして出資する以上は最低限以上の質が要求され、またそれに応えるだけの努力や結果が求められます。

どちらが良い、とはもちろん一概に言いづらいものですが、仮にそのイベンターがきちんとしたイベントを成立させ続けることができるのであれば、それがそのまま客観的に価値として評価される後者のパターンは難しい代わりにとても安泰です。

反面、結果が伴わない、あるいは信頼を失った瞬間、その関係はすっぱりと解消されます。
しかし場合によっては、本来主催者のみの力ではたどり着けない領域にまで手を伸ばすことができるかもしれません。また、何かの原因によって開催ができなくなってしまった主催者が再び立ち上がる要素になりえるかもしれません。

これは、主催者・参加者・スポンサー三方良しの取り組みになると言えます。全員ハッピー。メリークリスマス。

■価値と信頼

先程「信頼」という言葉を使いましたが、この見えない「信頼」というものは何よりも大切なものだと個人的に思います。
信頼というものは築くのは大変な割に、壊れるときは一瞬で壊れます。
それがわざとでなくても壊れてしまうこともあり、維持することは本当に大変だと思います。(僕も知らずしらずのうちに失っているかもしれません)
個人的にこの信頼をお互い保つために必要なことは、以下の3点だと思っています。

●情報をきちんと管理する
●お互いが幸せになる座組みを考える
●相手を尊重する

●情報をきちんと管理する
言わずもがな、秘密であることを外に出したり、情報の出し方を変に曲げたりしないといったコンプライアンス的な意識と、それらを守るために強い意志を持っているかどうか、といった部分です。
いただいた支援は信頼を形にしたもの。それを裏切らないこと。
逆にやられたらイヤじゃんね。そういうことです。

●お互いが幸せになる座組みを考える
何かをする=それを支援する
という座組なので、現状を改善したり、もっと新しい良いものを考えて提案したりすることはお互いもっと幸せになれる手段のひとつです。
自分ひとりではできないけれど、あなたといっしょならこれができる、やりましょう、といった提言は、例え実現できなくても同じベクトルに立つことができます。
何より、お互い一番楽しい時間のはずです。

●相手を尊重する
自分は個人で相手は法人の場合、相手の会社における立場ややりたい方針、またスケジュールやアウトプットなど、それらを意識して相対したいところです。
もちろんこれは相手が個人でも同じで、なんならばスポンサーにも限らずパートナーとなる人全員にその体で接していくべきではありますが、前項の「お互いが幸せに」という部分に繋げるためにはこれを意識していきたいところです。
もちろんこれもお互い様、という話ですが。

なんか書いてて自分自身全然できてねーんだろな色んな方にご迷惑かけてるんだろな、とビクビクしているのですが、自戒という意味で記しておくことにします。
お叱りはDMでお願いします。

■イベントを応援してみよう

何度も言うように、イベントは皆で作り上げるものです。
別に年収何千万円のエリート企業のビジネスマンでなくても、コミュニティの一員であるあなたでもできることはあります。

それは上述のように金銭的支援であったり、参加して場を盛り上げることであったり、はたまたそれらができてなくてもSNSで発信協力することや、配信を見て「楽しかった!」というだけでも十分です。
誰もがそれぞれの形でコミュニティを応援することができるのです。

誰もが無理せずにイベントを守れる世界になり、みんなが幸せになりますように。
イベンターが血反吐を吐きながらも皆笑顔で動いているのは、そんな世界を目指しているから、なのかもしれません。



ところで、そんな感じでイベントを直で応援できて誰でもスポンサーになれる機能がTonamelさんで実装されています。

Tonamelアカウントがあれば、誰でもスポンサーとして推しのイベントに支援をすることができます
それはつまり、次回も開催してもらえる確率が上がる、ということです。

現在は一部のオーガナイザーのみ使用できる機能となっていますが、ぜひ見かけたら支援してみましょう。
支援していただいた個人的な感想としては、その金額はもちろんのこと、かけてくださるコメントが何よりありがたかったです。
直接応援してもらえるって、こんなに素敵なことなんだなとマジで率直に感激しました。

Tonamelは大会運営支援ツールで、誰でも無料で使うことができます。
僕が今度開催する【BATTLE CROSS ROADⅢ】でも使用させていただいていて、数百人が参加していても一瞬でマッチを調整してくれる神がもたらしツールなので、国内全員使ってみてくださいね。


最後に、僕も現在個人的に支援を募らせていただいています。
こいつがんばってんな、まあペットボトルでも奢ってやんよ、など思っていただけたら、ちょちょいっとしていただけると幸いです。

▼この記事よりなにとぞ…


■最後に

とまあ、クリスマスイブなのに最初から最後までお金の話をしていてとてもいやらしいなあと自分でも思っていましたが、大事なことなので筆を取らせていただきました。

本当の価値は体験と、その先の笑顔にあります。
皆が楽しいイベントに2022年もたくさん参加できますように。

そして、来年も狂ったイベンターたちが狂った企画をたくさんできますように。

メリークリスマス!

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