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カメコ自己批評#2「千穂と私」
石田千穂さんというひとりの女性のために、どれだけ魂を注いで写真を遺せるだろうかと考えるようになった。
石田千穂さんを知ったきっかけは、STU48の6thシングル「独り言で語るくらいなら」のポスターを、たまたまCDショップで見かけた時だ。
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48グループの中でも、STU48はクリエイティブが秀逸で、洗練というワードが瀬戸内海の澄んだ光景にマッチしているようで、とても美しい。このポスターに映る…おそらく表題曲のセンターを務めているであろう女性の儚さと吸い込まれるような瞳に、私は一瞬で虜になってしまった。
そこからSTU48にのめり込むまで時間はかからなかった。STU48最大の特徴でもある船上公演(現在は終了)も見に行ったし、夏のコンサートも駆け付け、この年は計7回は瀬戸内まで足を運んだと思う。
しかし、石田千穂さんの姿が見当たらなかった。6thシングルが発表されて程なくして、活動休止を発表したのだ。同年7月に復帰したが、盟友の卒業コンサートに出演すべく、無理を押して復帰したと聞く。
会えない日々に思いは募り、コロナ禍の2021年ということもあり対面でのイベントは制限されていた。そのような中、同年12月に実施されたSTU48のクリスマスコンサートにおいて、グループのコンサートでは史上初となる撮影機材を用いての撮影OKというアナウンスが出た。
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こうして収めた推しメン・石田千穂さんの最初の1枚だ。この時代は所謂「カメコタイム」というものはなく、スマホも含めた撮影タイムということで、ワンハーフの演目を2曲(正味合計で3分程度)という非常に少ないチャンスだった。
勿論、この頃の石田千穂さんと私の間に、関係性というものは薄い。やはり写真は被写体との関係性を写す鏡である。見慣れない大きな機材とレンズを不思議そうに覗き込んだカットとも言えるかもしれない。2度と訪れないかもしれないチャンスに、私は大切に現像した。
そして写真を通して、被写体のことを学び益々好きになっていくのだ。カメコはプロカメラマンと逆で、情熱をいかに注ぎ込めるかの世界だと思う。商業とはかけ離れた徹底的な偏愛・趣味の世界。推しをリスペクトし、最大限にクオリティを高めていく作業がとても心地よい時間に感じられる。
こうなると1度きりのチャンスで終わらせたくない。再び石田千穂さんを写真に収める機会に飢えていた私は、STU48のSNSにDMやリプライを送ってみるなど、狂気に近いものがあった。そうして発表されたのが、2022年7月に広島グリーンアリーナで行われる、STU48の5周年コンサートに「カメコエリア」が初めて導入されるとのことだった。
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この時は正直、大失敗だった。そして未熟な私は、この失敗の分析を照明や距離など外的要因にのみ求めてしまった。何よりも足りなかったのは推しとの関係値である。どんなに遠くても、関係性があれば写真には発露される。このたった一つの重要なことに気付くには、もう少し時間がかかった。
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サンリオピューロランドで行われた謎のコラボイベントにも足を運んだ。この頃から少しずつ関係性や距離感というものが理解できたと思う。正直、kawaiiの連鎖が過ぎて脳が溶けてしまった。写真も溶けていると思う。
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恒例のクリスマスコンサートにもカメコエリアが導入された。より確実に石田千穂さんを収めるためにもレンズを新調した。勿論私だけではなく石田千穂カメコ全員の力だが、配信でもカメコについて触れることが増えたように思える。
また、コロナ禍の落ち着きやシングルのリリース時期もかみ合ったこともあり、ようやくこの時期に石田千穂さんと対面で会話することが出来た。石田千穂さんの写真を狂ったように上げている男としての認識はあったらしく、とても報われた気持ちになった。
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2023年4月に行われた6周年コンサートでは、もはや石田千穂さんと私のエンゲージメントは強固なものになった…かは知らないが、少なくともお互いの関係性が写真に見えてくるようになったと思うし、私自身どのような写真を撮り、選べばよいか一定のラインが見えてきた。
また絶対に良い写真に持っていくため、気付いてもらうための手段を沢山とった。推しメンからすれば「またアイツ来てるな」くらい些細なことかもしれないが、そうでもしなければ地味は花は気付いてくれない(Yeah!Yeah!Yeah!)
もっと推しの輝く姿を収めたい…毎度のごとくSTU48の公式に陳情した結果かどうかは知らないが、2023年は大きい箱のコンサートだけではなく、ツアーの会場でも一部カメコエリアが設けられることとなった。
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先日、対面でのイベントで少し恥ずかしい宣言をした。目標は壮大で、STU48の石田千穂として、写真のチカラで全世界に名を轟かせるというものだ。推しメンは馬鹿にするでもなく、真剣に話を聞いてくれた…。
関係性が構築されてきた中で、ここから先は惰性で写真を撮りたくなかった。だから目標が必要だった。石田千穂さんがアイドルとしての役割を終え、マイクを置くその日までカメコは続けたいと思う。(やや気恥ずかしい結論のようなもの)
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