見出し画像

【本編】Change the World第23章〜思考を解体して信念を築く

「悩みをなくす」。願望の目的を端的に表せば、全ての願望がこの目的に向かっています。現実に対しての不安や不満は「悩み」として認識されますが、それを解決する方法が願望を実現することというわけです。

人生の悩みをなくして心地よく生きたい。そんなささやかな幸せを求めて、僕らは願望を実現しようとするわけですが、よく考えれば「そもそも悩まなければいいんじゃない?」という話になります。願望あるところに悩みがあります。では、その発端である悩みをなくす、つまりは「悩むことをやめたらどうなるか」というのが今回のお話です。

元も子もない話ですが、そもそも悩みがないなら願望は発生しません。特に悩みもなく、自分がしたいことをしながら人生をおおらかに歩んでいくでしょう。悩みは「したいけどできないこと」や「したくないけどやらなければならないこと」というような、現実が「思い通りにならない」ときに発生します。

そこで、「どうすれば思い通りになるか」、つまりは理想の形になるか、そもそも理想の形はなにかを考えます。理想の形がゴールであり、そこを目指そうとすることが願望というわけです。

さてそこでです。あなたがもし「もう悩むのやーめた!」となったら願望はどうなるかという話です。ここまでの話の通り、そもそも願望というのは悩みから発生しています。悩みを解消するために「これがこうなったらいい」というのが願望だからです。例えば「人間関係で悩んでいるから親密になれたらいいな」とか「お金に困っているからお金持ちになったらいいな」というようにです。では、それらが悩みではなくなったらどうなるでしょう。

「いやいや人間関係が良くないのは誰だって悩むでしょう」とか「お金に困っていて気分が良い人はいないでしょう」というもっともな意見が出ると思いますが、とにかく悩むことをやめてみましょう。ある種開き直りとでも言いますか、「悩んでも仕方ない」の精神で「もう悩むのやめよう」と決めてください。

いい考え方があります。「悩んだら解決するの?」です。悩んで悩んで考えた末に画期的なアイデアが出て、悩みが解消することもあるかもしれません。けれどその一方でいくら悩んでも仕方ないこともあります。その最たる例が「死ぬのが怖い」ではないでしょうか。

「死ぬのが怖い」というのは、誰にとっても気分のいいものではありません。ただ、その思いを持ち続けてもなんの役にも立たないこともまた事実です。「死ぬのが怖い」と悩み続ければ安楽に死ねるというならいくらでも悩めばいいですが、どんな最期を迎えるかは誰にもわかりません。はっきり言えば、悩んでも仕方ないことです。

現状を嘆いたり、未来を憂いたりすることがあなたに何のプラスをもたらすのでしょう。その嘆きや憂いが、あなたを幸せな場所に連れて行ってくれるのなら、いくらでも思い煩えばいいですが、そんなことをして事態が好転したことがあったでしょうか。

悩み抜いた末に突然画期的なアイデアが浮かんで事態が好転することはあります。しかしそれは熟考の末に「よく考えたから浮かんだ」のではなく、ふと閃いたのです。事態を打開する画期的なアイデアというのは、考えて出てくるものではありません。考えるという行為は、膨大な記憶のデータベースを参照にして行われるからです。

考えるというのは、既に経験済みの過去を参照にアイデアを捻り出そうとしているのですが、過去に画期的なアイデアは眠っていません。過去に例がないから画期的なアイデアなわけですから、当然といえば当然です。今までにないアイデアは、考えて出てくるものではなく閃きによって与えられるものです。

ここから先は

8,608字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?