【連載版】Change the World 第20話〜他人の幸せを願ってみる
自分以外の幸せが自分の幸せ。これはなにも素晴らしい人格者や慈愛に満ちた人を気取りたいわけではありません。むしろ理由は非常に利己的とさえ言えるかもしれません。あなたが幸せであるためには、自分以外が幸せである必要があるのです。
では仮に、あなただけが幸せだとしましょう。あなた以外は不幸せです。そうなると、不幸せな世界に身を置いた幸せな自分という妙な図式が出来上がります。不幸せに囲まれた幸せな自分です。それは矛盾しているでしょう。あなたには不幸せがまとわりついているのですから。
積極的に他人を幸せにしなさいと言っているわけではありません。単に他人が幸せであることを許し認めればいいだけです。許せば許すほど、認めれば認めるほど、あなたは幸せに包まれていくことになります。なぜなら、他人は自分を取り囲むもの、つまりはあなたの世界であるからです。
あの人が幸せだとは認めたくないという人が一人ぐらいいないでしょうか。それはお金を湯水のように使うお金持ちへの妬みかもしれないし、自分を蹴落として出世していった人への恨みかもしれないし、自分から幸せを奪った人への憎しみかもしれないし、先に結婚して子どもが生まれた古い友人への嫉妬かもしれません。他人の幸せを許し認めることは案外難しいこともあります。
それでは、その人たちは幸せなのでしょうか。もしあなたが他人の幸せを認められない状態なら、あなた自身はきっと不幸せなのでしょう。そしてそんな自分自身と比較して不快感を持っているのだから、きっとその人たちはあなたから見れば幸せに見えるのでしょう。他人の幸せを認めなさいと言われても、あなたは認めたくありません。その人たちに何かしらケチをつけて不幸のままにしておきたくなります。
なぜなら、そうしないと自分が負けた気になってしまうからです。負けとはつまり自分は幸せではないと認めなければならないということです。どこかあなたの方が幸せであることを示したい。けれどそれも難しいので、その人たちの幸せを認めずに自分と同レベルにすることでバランスを取ろうとしているわけです。
言い換えれば、自分が幸せになるまで他人の幸せを認めたくないとも言えます。自分だけが不幸せなのは耐えられないというわけです。それを行うと何が起こるかというと、あなたの世界に不幸せが充満します。あなたが他人の幸せを認めないばかりに、あなたも不幸せ、あなた以外も不幸せ、世界丸ごと不幸せになってしまうのです。
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