Change.org Japan(チェンジ・ドット・オーグ)
署名を始めた人に聞いてみよう。声をあげた瞬間のこと。 [プライド月間編🌈 山本そよかさん]
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署名を始めた人に聞いてみよう。声をあげた瞬間のこと。 [プライド月間編🌈 山本そよかさん]

Change.org Japan(チェンジ・ドット・オーグ)

ーーお名前と立ち上げたキャンペーン名を教えてください。

山本そよかです。「東京都にパートナーシップ制度を!」というキャンペーンを立ち上げました。

ーーまだこの問題をよく知らない人のために、どういった内容なのかご説明をお願いします。

今、同性同士でも、パートナーの関係にある二人、もしくはその子どもなどを含めた関係を家族として公的に認める「パートナーシップ制度」というものが、各自治体に導入されてきています。市町村では100以上、都道府県単位では茨城県、大阪府、群馬県の3府県、それ以外にもまさに今さまざまな自治体で導入が進んでいるところです。その中でも東京都ではまだパートナーシップ制度導入に向けた動きが目立っていなかったので、東京都に住む当事者として、東京都にパートナーシップ制度導入を求める気持ちが強かったことと、知り合いにも東京都にパートナーシップ制度を欲しいと思う人がたくさんいましたので、声をあげようと思いました。

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応援してくれる人が連帯してくれて、その人たちの声が力になる

ーー声をあげたり、問題を提起する手段は他にもありますが、オンライン署名を選んだ理由は何ですか?

(チェンジ・ドット・オーグスタッフの遠藤)まめたさんがいたことは大きいですね(照笑)あとは、広く多くの人たち、ひいては世界中の人たちに呼びかけが簡単にできることが一番大きな理由でした。実際にこのキャンペーンを始めて、海外の著名人の方も応援してくれたりしました。クイァ・アイ(Netflixで人気のリアリティーショー。ファッションやインテリアなどそれぞれの専門性を持ったゲイの5人組が、人々を内面・外見ともに大変身させていく番組)のファブ5の方まで届いて応援してくださったり、多くの方に届いて応援してもらえたことはとても大きくて、嬉しく感じています。

ーーそよかさんが、この問題を広く多くの人たちに世界中の人たちに知って欲しい理由はなんですか?

この問題をより多くの人に知ってもらうことが大事だなと思っていました。応援してくれる人が連帯してくれて、その人たちの声が力になると思うので。多分これまでも「やって欲しい」と思っている人ってたくさんいたと感じています。また、それに対して「自分には何ができるだろう」と思ってる人もたくさんいると思ったんです。なので、声をあげれば協力してくれるという人は結構いるんじゃないかなと思っていましたね。

ーー立ち上げる前はどんな気持ちでしたか?何か不安や、心配なことはありましたか?

どれくらい集まるのかなあっていう不安と、もしやってみて結果が出なかったら、やらないほうがいいのかなあ・・とか。不安な気持ちは少しだけありましたね。

ーー賛同数の目標や予想などはありましたか?

全然分からなかったです(笑)スタート時点の勢いを見て決めよう!って思ってました。

ーー最初はそよかさんおひとりで始められたんですか?

そもそも、この運動は署名から始まったというわけではなかったんです。こんなことをやりたいんですという相談をすると、すぐに松中権さんや杉山文野さんが一緒に立ち上げに関わってくださったり、知り合いの議員さんからも「そういう人がいると動きやすいよ」とアドバイスをもらったり、目指す形や文言についても相談しながら進めました。基本的には私が言い出しっぺとして動かせてもらっていましたね。

パートナーシップ制度を導入して欲しいという働きかけをするきっかけとしては、過去に一度、あれは東京都が性自認及び性的指向に関する基本計画(2019年)を作るときだったと思います。都議会へ赴いて議員さんに話すという、当事者のヒアリングがあったんです。でもそれももう何年も前の話で。そこから何も変わっていないなあと感じていました。議会もそろそろ構成が変わってしまうし、どんなことになってるのかなと思って、ちょっと連絡を取ってみようと。そこから始まりました。

「何から始めようかな。でもとにかくオンライン署名だけは始めちゃおう!そしたら何か始まるかな。」と思ったんです。

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ハフポスト日本版 坪池順 撮影・提供

一歩進むたびに何度か「やったね!」とオンラインで乾杯しました

ーー東京都議会が6月7日の本会議で、パートナーシップ制度を求める請願を全会一致で趣旨採択しましたね。これについて山本さんはどう思いますか?

"趣旨採択"という言葉を聞いた人の中には一般的にいうと「やるの?」と思う方もいらっしゃるかも知れないんですが、自治体によって採択の定義が違って、都議会では主旨採択も一応採択のうちに含まれるものなんです。どんな議会構成になろうとも、全会一致なので、議会としてもやりましょうという方向性は変わらないということだと考えています。

署名簿を渡したことも影響して、都知事から直接「検討を進める」という発言があったということは、「やっていく前提で進めていく」という意味だと聞いているので、これは前向きに捉えていいことだと思っています。

ーーこの一報が出てきた時は、当事者の中でどういう反応でしたか?

もうすごい反響で(笑)みんな本当に喜んでいました。みんな望んでいたんだということを実感しました。団体内では結構逐一進捗が共有されていたので。前段階で期待はされていたんですけど、それでもみんな一報を聞くと「やったね!」という感じで。一歩進むたびに何度かオンラインで乾杯しましたね。

ーーいいですねえ〜!

打ち合わせしながらだったんですけど、「今日は飲んじゃいますか」みたいな感じで、一杯持ってきて(笑)

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「この日本の動きを希望だと考えているよ」とメッセージを送ってくれる人もいました

ーーオンライン署名活動を通して、こういった構造的な変化の他にそよかさんの中で「変わった」と感じられることはありましたか?

この活動を通して、たくさんの出会いに恵まれました。遠くに住んでる当事者の人たちや、LGBTQに理解がない国に住んでおられて、「この日本の動きを希望だと考えているよ」とメッセージを送ってくれる人もいました。たくさんの人とのつながりができたなと感じます。東京都が動いていることが、各地の自治体で頑張ってる人たちにいい影響を与えられているのかなと感じられてうれしかったです。

ーーこちらのキャンペーンに関して、今後のご予定や目標があれば、教えてください。

このあとは、いつ、どんな内容で実現するのかということをしっかり進めていく必要があると思っています。他の自治体でも進めてきていることですし、そんなに時間をかけずにやっていきたいですね。「なかなか変わらない」ということ自体も当事者にとって精神的な負担になっているので。適切にスピード感を持って取り組んでもらえるように要望していきたいと思っているし、具体的な内容に関してもファミリーシップを含めて、より良い形で実現できるように、団体としては働きかけを進めていくところです。

ーーLGBTに関するトピックは、社会的な抑圧や、心ないバッシングを受ける対象になることがあります。活動で走り続けて疲れた時、リフレッシュするために行っていることはありますか?(信頼できる誰かに話す、運動する、愛犬と戯れるなど)

嫌なことを言われることで、やっぱりやらなきゃという気持ちが生まれることもあります。ただその中でも、溜め込んでるときに疲れが出てくるので、本当に疲れちゃったなっていう時は、そのままその気持ちを受け止めてくれる人たち、例えばパートナーだったり、友達、家族、仲間とか。自分の素直な気持ちを吐き出せる相手に受け止めてもらうことは大切だなと思いますね。いろんな人に気を遣って色々やっているところもやっぱりあるので。個人的に好きなことは、ファーマーズマーケットで農家さんからお野菜を買って、その野菜を使ってお料理したりすることで、心も体も元気になってリフレッシュになってます。

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好きな人とか、好きなこととか、好きなあり方というのを知っているということは本当に宝物

ーーLGBTをめぐっては未だに偏見や、通常の社会のシステムに組み込まれない事柄など、課題が多く残っています。当事者として今傷ついていたり心を痛めている人に向けて、メッセージがあればお願いします。

好きな人とか、好きなこととか、好きなあり方というのを知っているということがそもそも素晴らしいことで、それは本当に宝物だと思います。社会みんなで、それを大切にできるように、私も精一杯、応援します。一緒に頑張りましょう。

ーーキャンペーンを立ち上げる前の『まだ声をあげることができなかった自分』に声をかけられるとしたら、どんなことを言ってあげたいですか?

もう「早く声をあげて!」っていう気持ちです(笑)。声をあげれば変わるんだ、という実感がすごく今あるんですよね。

これまでも声をあげたいと思った事は何度かあるんです。実際にこうして声をあげるきっかけになったのはコロナの不安も大きかったですね。あとは、今のタイミングでやらないと、東京都がこれからどうなるかわからなかったし、切羽詰まった状況だったので。もっと早く声をあげていれば、早く実現できたかもしれないし。。「まだ声をあげることができなかった自分」だと・・・2年くらい前の自分でしょうか。

普段はフルタイムの会社員をしていて、今の東京レインボープライドになった時くらいからブースを出店したり、賑やかしみたいな感じで参加をしていました。毎月27日に愛する人と手を繋ごう!と呼びかける、「27GO! PROJECT」っていうプロジェクトをやったり、啓発活動をメインにしていました。自分の名前を出して、社会の制度を具体的に変えるきっかけとしての活動は今回のオンライン署名活動が初めてでした。

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ーー今回は、東京都だからこそ先陣を切ってパートナーシップ制度を導入してほしい!という声も多くありましたよね。

確かに私もこれだけダイバーシティとかオリンピックとか言っている東京都が積極的に対応してこなかったことに、それはないでしょっていう気持ちはありました。ただ今は、東京都だから難しい側面もあるってことも理解しました。東京都がやるということはそれだけ影響力が大きいということ。国とのつながりや他の自治体への影響もある、そして議会構成も難しいところがありました。当事者が動かなかったら動かなかったんじゃないかなとは感じますね。

ーーいやあ、本当にどれだけの時間と労力をかけて勝ち取った一歩なんでしょうか。。

・・本当に大変でしたね(笑)今回の一歩は本当に大きかったです。

このキャンペーンを始めるときに、それこそ「(有名な活動家である)松中権さんが参加してくれれば集まるのかな」とかも考えてたんですけど、チェンジのスタッフのまめたさんから「ちゃんとメッセージ性があれば賛同は集まりますよ。」ということを言ってくださって。実際に、同性婚の起訴の判決が出た時期が重なって、大きく注目してもらえました。この問題に共感してもらえるということが何より大事なんだなあと、その思いがちゃんとあればいいんだということは大きな学びになりました。

でも、これからが本番ですね。実現に向けてしっかり歩を進めていくぞというところです。

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問題に注目が集まって、議論が開かれていくと、それが力になってスムーズに物事が進んで来る

ーー読者の皆さんに伝えたいことがあれば教えてください。

私、オンライン署名活動にとても期待をしていることがあって。「これがこうなってくれない」といったようなモヤモヤも当事者の希望を失うことではあるんですが、スピード感の大切さを最近すごく感じています。実際に問題を解決するために必要以上に時間がかかったり、大きな労力をかけていることも当事者の希望を失ってきたと思うんです。でも、私のような活動家でもない一般当事者が声をあげて社会が変わった。オンライン署名というものが希望を与えてるなと感じます。


ーー「実際に問題を解決するために必要以上に時間がかかったり、大きな労力をかけていることも当事者の希望を失ってきた」というのは具体的にどういうことですか?

何かが変わる気がしないと思いながら生きてしまう、という感じでしょうか。声をあげられない人にとっては、「どうせ変わらないだろう」「待っているしかない」と感じてしまう。また活動家の人たちは本当に人生をかけて活動されていると思うし、変わらない、時間がかかりすぎる、そのことで気力やスタミナがなくなっちゃたり離脱してしまうこともあると思います。心身をボロボロにしたり、人生を謳歌できなかったり、という部分も少なからずあると思います。

この問題に注目が集まって、議論が開かれていくと、それが力になってスムーズに物事が進んで来る感じがします。それがない中でやっていると、解決に向けてなかなか実際のことが動き出さないのかなという風にも思います。

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ハフポスト日本版 坪池順 撮影・提供

ーー最後に、山本さんは、これから日本もしくは世界がどんな社会になっていくといいなと思いますか?

好きな人、好きなこと、好きな自分のあり方をみんなが大事にして、生きていける社会、そして安心して笑顔でカラフルな世界をみんなが楽しめる日が来るといいなと思っています。


明日は、江戸川区の制服を選択制にしてください!というオンライン署名を立ち上げたくろまるさんのインタビューをお届けします!お楽しみに。


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