自然を感じること

レイチェル・ルイーズ・カーソン

1960年代に環境問題を告発したアメリカの生物学者。

1962年に出版された『沈黙の春』では農薬類の問題を告発し、環境保護を支持する大きな運動に広がった。後のアースディや1972年の国連人間環境会議のきっかけとなり、人類史上において、環境問題そのものに人々の目を向けさせ、環境保護運動の始まりとなった。

彼女は著書の中で地球や自然について次のように残しています。
「地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、
人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。」現代の私達はあまりにも人工物に囲まれていて、自然を感じることが普段の生活の中から失われている方も多いのではないでしょうか。地球の美しさを感じる前に自然を感じること自体が少なくなってしまっているのではないでしょうか。

人間には体験してみないとわからないことがあります。自然の中で静寂に耳を澄ませリラックスした気持ちでのひと時、自然に包まれ、自然と一体になったような感覚を体験されたことがある方も多いのではないかと思います。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。

と彼女は言っています。私達は自然の一部であり、一体であることを知識ではなく体験をもって認識する必要があるのかもしれません。



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解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司先生の著書の中には、次のような一節があります。

「都市化するということは自然を排除するということです。脳で考えたものを具体的に形にしたものが都市です。自然はその反対側に位置しています」

「(都市に住む人が自然を排除しようとするのは)感覚を通して世界を受け入れないからです。意味を持った情報を通して世界を理解するんですね。だから意味のないもの、分からないものを徹底排除しようとするんですよ。自然に意味なんてないからね。都市の中の公園は、完全に意味を持った人工物です」

私も自然なのであれば、自分自身が都市化され、自身の中で自然破壊が起こっているというのです。まず私達が自分の中での自然破壊に気づく必要があるのかもしれません。


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