なんでもない私、なんでもない会話。

あまり人と関わらないようになってから、自分を責めた。
それは自分がした選択なのに、だんだんと喋れない、人と話すってことが分からなくなっている自分を。

でも今日、その選択はある程度は間違いではなかったなと思った。

その理由は、人との関わりの数が減った分だけ、人との関わりの水の色はより深い色になったと思ったから。


いつからか、嘘とか裏の顔とかそういうことを軸に、コミュニケーションを進めるようになった。
これは、私の意図的に起こったことではなく、環境、時代の変化による影響もあると思っている。

嘘や偽りを見破ろうとしてもそれは、ただの無駄な行為になる。

でも、人には表しか存在していないと言い切れる事実は、全くもってない。

裏があると分かっているから、表がより浮きだって見えてくるのだから。

私には、人間には裏の顔があるということを信じようとしなかった過去がある。
「私もあなたと同じように、自分の全部を曝け出す覚悟であなたの前に立っていますよ。」と言うように。

相手の全部は、本当の全部で、私はそれを見ているんだと。

でも、そんなことないっていうことは、徐々に徐々に私に染み付いていった。


ある時私は、「あー1人だな。」と思った。

それは、嘘偽りばかりを見破ろうと必死になって、相手の目や耳、鼻の先まで吸い込むようになった私へのご褒美だと思った。

そして歩くことに疲れて、走ることすら挑戦しなくなった。


こんな風になってしまったら、やっぱり1人でしかなくて、身動きが出来なくなった自分に気付く。

そして、どこでもない空に向かって、「ごめんなさい」と呟くことしか出来なくなる。


でも今日は、「ありがとう」と言いたくなった。

こんななんでもない会話や、話し方もまともじゃないような私の話を聞いてくれて。


これからもそんなことが増えたら良いなって思った。



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