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コロナの夏、いちばんの想い出~初めてのラジオ出演とおもてなし

静岡県は伊豆で、ラジオ番組に呼ばれました!

コロナで世界が大きく変わった2020年もあと4カ月で終わりですね。早いものです。関東地方はまだ暑い日が続きますが、夕方には鈴虫の鳴き声も聞こえてきたりして、秋は確実に近づいています。去りゆく夏を振り返ってみました。出版後初めて迎えた夏。5月に小説本を出してから、まるでキリスト教の暦みたいに、出版前はBC,出版後はADと、自分の心境が変化しました(笑)

ラジオに呼んで頂いたのは伊豆のみらいずステーション(FM 87.2 MHz)番組名は「マサコのオレンジタイムズ」というものでした。

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パーソナリティのイサゴマサコさんは、凄くパワフルな方で、ラジオ・パーソナリティに加えて児童虐待啓発運動のボランティアもされていて、さらには修善寺の「観光案内名人」という資格も持っていて、そして番組名と同じオレンジタイムズというカフェも経営されています。心が広くてガッツがあり、ユーモアと優しさにあふれた人柄で、初対面で私は惚れてしまいました(嬉)

どうして修善寺が私を呼んでくれたの?

スタジオの場所は修善寺。修禅寺とも書きますが、ここは鎌倉時代、北条政子の時代から始まり、明治期には文豪たちが湯治と執筆で訪れた温泉地としても有名です。修禅寺や指月殿など、鎌倉時代の歴史を残す名所にあふれていますが、ロシア正教の系譜を汲むハリストス教会など、明治以降に入ってきたキリスト教も弾圧されることなく共存しているという、いわば東西の文化が融合する町でもあるのです。(ちなみに東京はお茶の水のニコライ堂も同じロシア正教会です)そして現在は、世界的なZenブームもあって、座禅を体験したい外国人が世界中からこの町を訪れています。

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そう、コロナ禍がなければ、この夏の修善寺はオリンピック景気もあって多くの外国人でさぞ賑わっていたことでしょう。ここはオリンピックの自転車競技の会場にもなっていて、準備を進めているところでした。悲しいかな、私が訪れた時は、外国人はおろか観光客の姿もまばらで、待ちに待った2020年がまさかこんな状況になるとは誰が予測したでしょうかといった光景でした。

イサゴ・マサコさんは、私の小説のタイトルが「おもてなし2051」であることに関心を持ってくださいました。コロナ禍で観光業が壊滅的な状況にあるなかで、おもてなし小説とはいったいどんなものぞ? と思ってくれたマサコさんは、話を聞きたいと私をラジオに呼んでくれたのです。修禅寺が多くの外国人を魅了する観光地であることと、私の小説が外国人をおもてなしする30年後の未来の日本の物語であることが、リンクしたのです。なにせ修善寺の「観光案内名人」であるマサコさん。おもてなしのプロを相手に、小説を書いた自分がおもてなしについて語るのは、とても楽しい時間でした。

とはいうものの、スタジオのマイクの前で話すのは人生初の私。はじめは緊張で心臓が飛び出しそうでしたが(震)マサコさんの包み込んでくれるような大らかさで、緊張はほぐれていきました。緊張がほぐれると、自分の中から強い思いが溢れ出てきました。日本の未来のこと、多くの外国人と共存する社会について、アメリカで経験した911と、福島の復興への想いなど、思いの丈をたっぷり語らせて頂きました。伊豆のリスナーの方々に少しでも届いてほしいという願いと同時に、自分の心の中にはこんなに語りたいことが詰まっていたのだと、初めて気づきました。それまでの私は、物事は書くことでしか伝えられないと思っていました。でもマイクの前で語ることで初めて、じつは自分は喋りたいと思っていた。そんな自分を知ったというのは、今振り返っても貴重な体験でした。時間をオーバーしてしまい、ディレクターさんの親切な計らいで、2回放送のところを3回放送に増やして頂きました。

みらいずステーションさん、本当にありがとうございました。

さて、修善寺観光もしてきました。7月25日はちょうど「Go To Travel Campaign」が始まったばかりの頃でした。今ほどコロナ感染者は増えていなかったし、第2派もまだ来ていませんでした。あれから1カ月半しか経っていないのに、世の中はずいぶん変わってしまったものです。緊急事態宣言の頃よりも今の方が、人々はなんだかピリピリしているし、色んな事に対する諦めモードが漂っているし、安倍首相はまだ辞めていなかった。今振り返れば、あの夏はまだ幸せだったなどと、遠い目になってしまう自分がいます。

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宿泊したのは「水ぐち」という風情ある宿でした。イサゴマサコさんから「作家が泊まるのにふさわしいと思って選んだの」と言われて、照れ臭かったです(恥)部屋から桂川のせせらぎが聞こえる素敵な宿でした。宿の中の温泉は岩の間に身を沈めるような造りになっていて、素晴らしいお湯でした。和朝食も美味しかったです。

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マサコさんの経営するカフェにも立ち寄らせて頂きました。静岡といえばわさび漬け。天然のわざびは辛くなく、私にはむしろ微かに甘さが感じられました。それを載せた名物わさび丼や、わさび味噌なども、ご当地ならではの美味でした。個人的には、桂流コシヒカリのお米の味が忘れられません。下の写真は、カフェ「オレンジタイムズ」の棚に飾ってもらっている私の小説と、宇野常寛さんの雑誌「プラネッツ」です(笑)

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コロナ禍はこれからどうなるのでしょうね? また修善寺を訪れたいと思います。このブログを読んでくれた皆さまが、コロナが終息したら真っ先に旅をしたい場所に修善寺を選んでくれたら嬉しい。

最後に今回のご縁のきっかけとなった拙著「おもてなし2051」のリンクを貼らせて頂きます。皆さまの未来が明るいものでありますように!

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