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2020年5月の記事一覧

「線は、僕を描く」の感想

「線は、僕を描く」の感想

すごく売れてるということで、「線は、僕を描く」読みました。

始めの部分で、居心地悪くてもぞもぞしてしまうライトノベル感。

業界の第一人者に才能を見出される平凡な大学生。両親が事故死ってまんま「3月のライオン」だ。

そしてヒロインは、気が強くて超絶美人で業界第一人者の孫娘。

もうこの設定だけで、何か、萎える。こういうのが好きな層はいるんだろうけど、なんかごめんなさい。

小説は50ページ読ま

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海のふた 感想

海のふた 感想

全文面白い。そんな本にたまに出会える。

よしもとばななの「海のふた」はそんな本だ。

ひと夏を一緒に過ごした2人の女の子の短い物語。

大袈裟に言えば、人生のほとんどすべてについて書かれている。

あまりにサラッと人生とは何かが書かれていて、僕は恐ろしくなってしまったけれど、登場人物は息遣いが聞こえるほどリアルで切実なので、10代の女の子が語る「人生とは何か」についてのセリフがすとんと腹落ちする

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