いつも思ったように仕事が進まないあなたへ ~効率よく仕事を進めるコツ~
Scrum Inc. Japanで人事兼スクラムマスターをしています、庭屋です。
いつもは「チームの価値を高める」ことを考えていますが、今回は普段仕事をする中で直面することが多い「いつも予定以上にタスクに時間がかかってしまう」という方向けに仕事を効率よく進めるコツをお伝えします。
仕事に時間がかかっている2つのポイント
お客様への提案資料を来週までに作らなければいけないことになったあなた。今日は資料作成日として時間を確保しているので、午前中に雑務を終わらせて午後から資料にとりかかろう!と計画しました。しかし実際は手をつけ始めたのは夕方前。思ったように資料作成に時間を割けませんでした。
職種は問わず、いつも同じような仕事の進め方になってしまう方も多いのではないでしょうか?
この記事ではこのような現象を「作業の見積もり」の点から解説し効率よく仕事を進められるようなポイントをお伝えします。
人間は時間でも見積もりは苦手
1940年代にアメリカのRand Corporationという企業が、複雑なプロジェクトの「見積もり方法」に関して調査をしました。その際にわかったのが以下のポイントです。
・人間は時間での作業コストの見積もりは苦手で間違いが多い
→この作業は〇〇時間で終わるだろう、はハズレる
宣言した期限より遅くなってしまうと、自身の信頼が下がってしまうと考えたらどうなるでしょう?そうです。「多めに作業時間を見積もる」ことに慣れてしまいます。
「多めに見積もっておいて、早く終わったら次の仕事にとりかかろう」と思うのですが、次のポイントからそううまくいかないことがわかっています。
計画した時間は使い切ってしまう
イギリスの歴史・政治学者であるパーキンソンという方がその著書で提唱した法則の中で、以下のものがあります。(パーキンソンの第一法則)
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
あらかじめ確保していた時間は使い切ってしまう
ということです。
「時間をかければそれだけ成果物の質が上がる」のであればそれでも良いかもしれませんが、ここに次のポイントがあります。
かけたコストと完成度の上がり方
かけたコストと品質について「狩野モデル」という図があります。
コストをかければかけるほど満足度が上がるようなもの(例:スマートフォンの電池の持続力)やこれまでにない魅力的な提案であれば良いですが、提案資料やあなたの取り掛かっている仕事はどうでしょうか?ある程度まで作るとどれだけ時間をかけても、これ以上品質は上がらないことがあります。(作り込もうと思えば、それこそずっと作業することもできますしね)
うまくいかないポイントまとめ
時間での見積もりがうまくないので、計画した時間で終わらせることを経験していると実際かかる時間より多い時間で見積もることになります。しかし計画していた時間は使い切ってしまうため、仕事は早く終わることはありません。
目的は達成するラインに到達していても、大勢には影響のない細部に時間をかけてしまう可能性があることもわかりました。
効率よく仕事をして良い成果物を出すには?
時間管理の方法と見せ方
あらかじめ多くの時間を計画せずに、細かい時間単位で進捗チェックをする方法はどうでしょうか。30分に一度一呼吸置いて、合格ラインに達成しているかどうかチェックするのです。合格ラインに達成していると感じたらそこで作業を完了させます。
先ほどのグラフを活用するとこうなります。
時間をあらかじめ計画するよりも早く作業を切り上げることができることがわかると思います。
「目的達成ラインがわからないから時間をかけて万全を期す」のもわかりますが、時間をかけても目的達成ラインはわからないので効率の良いやり方だとは思いません。
ある程度の品質に達した思ったら、同僚や上司の方にフィードバックをもらうのが良いのではないでしょうか。
もしためになったと感じていただければ幸いです。
今後もアジャイルやプロダクト開発に使われている考え方をチームや働き方に活用するポイントを発信していきます。
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