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「働きがいのある会社」サイボウズを退職します。

働きがいのある会社ランキング の毎年上位にランクインするサイボウズ。
私庭屋はそのサイボウズに2013年新卒で入社しました。
最近はTV番組に取り上げられることが増え、首都圏では「kintone」のTVCMも見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
そんな世間的には上り調子であるサイボウズを退職します。

サイボウズ入社してからのキャリア

・最初の配属は技術営業
新卒採用時は、技術営業の部署に配属されました。非常に楽しい部署で、それなりに厳しく仕事をしながらも社会人基礎(報連相や社外の方とのコミュニケーションのとりかた)やIT技術の基礎を学んでいました。
(ここの経験は自分の社会人生活の基盤になっているのですが、今回のキャリア選択とは離れているため割愛します)
新卒三年目になる頃、人事部に異動希望の表明をしました。
このころはプロダクトが世間に取り上げられることは多くなく、人事制度が先行して目立っていたため、「目立つなら人事制度に関わるほうがよいかも!」ぐらいの軽い感覚でした。幸いタイミングも合い、2016年1月から人事としてのキャリアが始まりました。
・採用担当になる
社会人3年目、目立ちたがりということで社外に出ることの多い新卒採用担当になりました。ここから5年は新卒採用にずっと携わっていました。
業務の中で多くの方と交流することになりました。候補者の方ではインターンや選考で多くコミュニケーションを取りながらもサイボウズに入社しなかった候補者の方もいるし、こちらからお断りしてしまった方もいらっしゃいます。ただ新卒採用時から数年たってからも連絡をいただくこともあり、業務を超えた人とのつながりを実感する仕事でした。
また採用支援会社の方も長年お付き合いするに連れ非常に良い関係を築けたのではないかと思っています。(自分が連絡ベタで連絡をおまたせしてしまうことも多々ありましたが。)
・スクラムとの出会い
そんな中、2017年から新卒採用チームのリーダーになることになりました。社会人としての初めてのリーダー経験かつ、採用の経験も前任者ほど無かったためうまくやれる気がしませんでした。そんな中で出会ったのが「スクラム」です。
そこから採用チームの中で「スクラム」の試行錯誤をはじめました。
ここでの振る舞いはこちらの資料にまとめています。https://www2.slideshare.net/KazuhiroNiwaya/ss-140170470
試行錯誤しながらも、チームの変化と良いサイクルを実感し、「ソフトウェア開発以外のチームにももっとスクラム/アジャイルの考え方を広めたい」と考えるようになりました。
・社内スクラムマスターの始まり
そこから、採用業務の割合を少し減らし、社内スクラムマスターの仕事をスタートしました。
良いスクラムマスターの振る舞いだったかは不安ですが、所属していたチームが社外に成果を発表できるようになったのは非常に達成感を感じました。
▼「みんなのために」という社内イベントへの思い込みが、私たちを苦しめた──全員兼務の寄せ集めチームが、理想のチームになるまで
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m005832.html
▼頑張りすぎずに成果が出るチームに大切なことは何か?スクラムマスターと振り返る
https://youtu.be/pB1rfeh4YmQ

・サイボウズの環境の良いところ
ここまでの流れでも書いていますが「自分のやりたいことを実現しやすい」という点はとても居心地が良いと感じていました。上長の1on1や社内環境(自社サービス)でオープンに書くなど、自由な発言を皆しているし、そこで発言したものを上長含めて誰かが拾ってくれる期待感がありました。
また、サイボウズの理念である「チームワークあふれる社会を創る」に沿っていれば業務として取り組めることも多いので、自分の中で「この提案は通りそう」の感覚も周囲のメンバーと一致していたように感じます。
「チームワークあふれる社会を創る」ために「自分のやりたいことが内発的に見つけられそう」な人であればのびのびと成長しながらチームに貢献できる非常に良い環境だと思います。

キャリアについて考えたこと

スクラムに出会い、様々なチームのサポートを経験するにつれ「より影響範囲の大きなチームをサポートできるようになりたい」と考えるようになりました。単一のチームだけでなく、そのチームを中心とした周囲のチームの巻き込み、そして組織全体へ。ただスクラムはソフトウェア開発の文脈から生まれたもので、まだ人事やその他の領域においては理解してもらうのに時間がかかる領域です。
その中でスクラム/アジャイルの有用性を自分が説いていくには知識/経験/言葉の重みが足りないと感じることが多くなってきました。スクラムマスターとしての経験をもっとつけるために模索をはじめました。
・変化に対する考え方
そんな時に出会ったのがScrum Fest Osaka2020の永瀬さんの基調講演でした。不安なことにももっと挑戦しよう、先が読めない状況に持っていこう。最適な状況をつくったとしても、周囲の環境は変化しつづけます。常に最適な状況でいるためには変わり続けないといけない。「現状維持はゆるやかな劣化」だと思って行動を取り始めました。
そこからBosyuを使って外部の方とお話する機会を作ろうとしたり(今は一旦閉じています)
https://twitter.com/kazu_niwaya/status/1260197845669306368
大人の体験入部」という制度を使って経験のなかったソフトウェア開発のチームでスクラムマスターをしたり、色々自分のキャリアについて実験をしていました。なかなか難しく、しんどい経験ではありましたが徐々に自身の中で変化に対するハードルが下がっていったように感じました。

次に何をするのか

そんな今後のキャリアを模索している際に、Scrum Inc. Japan(以下SIJ)の和田さんという方からSNSを通じて声をかけていただきました。
「人事制度策定のために人事担当を探している。制度設計の経験のある人事はいるがスクラムを知っている人がいないためフィットしない。人事でスクラムを知っている人を探していた」とのこと。
SIJはスクラムの考案者の一人Jeff Sutherland氏が創った会社の日本法人で、日本でスクラムの認定資格を発行している団体です。自分の感覚では「スクラムの総本山の一つ」でした。
今の所属は人事部ではあるものの、これまで携わってきたのは採用業務が中心。制度設計は未経験でした。
ただスクラムの本質を学ぶための良い経験であるし、これまでのキャリアの掛け合わせからも是非チャレンジしたいと思い、まずは複業契約を2020年10月からスタートしました。
そして週に一度SIJで働く中で、スクラムを用いて組織変革を行うことへのモチベーション、サイボウズでは経験していない人事領域全般の業務に携われることに魅力を感じ、今回SIJに転職することを決めました。

今後は顧客の組織に対してのスクラムトレーニングを中心とした組織改革と、SIJの人事業務を通じて「より顧客価値を提供できる、フラットで自立したチーム作り」を実践していきたいと考えています。

まとめ

サイボウズの理念「チームワークあふれる社会を創る」考え方も好きですし、それを実現するためのチームの情報をオープンに共有するグループウェアというツールも好き。ツールだけではチームを変えることはできないのでサイボウズの考え方を広めるチームワーク総研も好き。

サイボウズを離れますが「もっと良いチームになって良いものを世の中に提供していきたい」と考えているチームを作りたい、という想いは一緒だと思っています。また、これを読んだ方で同様の志を持つ方がいれば交流しながらこれからも頑張っていきたいと思っています。
「良いチームをつくりたい!」と考えている方、もし他に思いつく手段がなければ是非ご連絡ください。なにか提供出来ることはあるかもしれません。
長くなりましたが最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

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