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我を忘れて両手を掲げた FUJI ROCK FESTIVAL’24 1日目の感想

人生初のフジロック、あまりにもトピックが多かった濃密な2日間で逆に何を書けばいいのか分からない。
ただ、まだ余韻にズブズブのこの状態だからこそ書けることもあるだろうから、一か八か殴り書きしてみよう。

ヨガ

一緒に行った5人ともが初フジロックだというのに、ピラミッドガーデンというよく分からんエリアでテント泊をすることになった。
というのも、去年の北海道のフェスでテント泊をしたのがかなり楽しくて、「来年はフジロックだな」と軽率に皆で口を揃えていたのだ。

ピラミッドガーデンはステージとは遠く離れたキャンプエリアで、どこかのんびりした雰囲気で人も少なくて、ちょっと天国がよぎるような空間だった。
皆でテントを立てた後、フラっとフードエリアを見に行こうとしたらヨガが始まっていた。時間はまだ朝の8時だ。

晴れ渡る空の下、インストラクターのお姉さんを中心に放射状に座る人たちの陣形が輝いて見えて、気づけば私も芝生にあぐらをかいていた。
いわゆる身体を伸ばすような動きから始まって、夜行バスで凝り固まった身体がホロホロと開放されていくのを感じた。
しかしヨガは段々キツくなっていき、カラッとした苗場の空気といえど汗が滴り落ちてくるようになってきた。
太陽がビカビカだったこともあり、結局途中でリタイア。真横のカウンターでカレーを注文してテントで食べた。おそらく体重としてはプラスだ。

でもあの天国みたいな空間で空に向かって手を伸ばした時の心地良さは極上だったな〜

キツすぎ

モヒートと川

テントで乾杯した後しばらくダラダラし、ようやくステージに向かう。
入場ゲートが近づくにつれてどんどん人の波が増えていて、自分の中のボルテージも上がっていった感覚があった。

グリーンステージではすでにindigo la endが演奏していて、皆で芝生に座って聴いた。真っ昼間の『夏夜のマジック』もこれはこれでイイ。
そこからホワイトステージに向かう途中に川があり、時間に余裕があったので入ることにした。
私の手には近くで売っていたスペシャルモヒート。ミントが枯れ気味だったのが気になったが夏にぴったりの爽やかさだった。

靴を脱いで川に入るとかなり冷たくて、ずっとは浸かっていられないほどだった。
川の流れる音、石を運ぶ子どもたち、ホワイトから聴こえる音楽、モヒートの清涼感、五感全てで夏を感じた良い時間だった。

音に殴られる

AVALONの舞茸天丼を食べたり、ラッキリやFRIKOを観たりしてからRED MERQUEEへ。
少し前から何曲か好きで聴いているTHE SPELLBOUNDを観に行った。

RED MERQUEEの屋根の下ではすでにリハが始まっていて、本編のクライマックスのような盛り上がりに驚いた。
スルスルとフロアの前のほうに流れ着いてしまったまま本編スタート。ここでさらに驚いたのが、このバンドがダブルドラム編成であること。
低音のドラムが鳴らされる度に、見えない空気が身体を突き飛ばすように飛んでくる。
ダブルドラムの攻撃力は凄まじくて、ずっと音に殴られているような感覚だった。

このあたりから私の歪んだ自我がフジロックに飲み込まれてしまい、普段のライブで絶対に発さない「Hooo!!!」を多用するようになる。
THE SPELLBOUNDの音の殴打に自我がノックアウトされてしまうような、素晴らしいライブだった。

舞茸天丼。写真ヘタかよ

攻めっぱなしの女帝

グリーンステージのサブヘッドライナーAwich、友人とうまく合流できなかったため、せっかくならとステージにかなり近い位置でハイネケン片手に観ていた。

最初から最後まで殺気すら感じるような気迫のこもったパフォーマンスは、今回観た中でベストアクトと言ってもいいぐらい圧倒されっぱなしだった。
後半はAwichの仲間たちが客演として出まくっていて、文字通りのお祭り騒ぎに心が躍った。観たかった曲全部やってくれたな

Awichが沖縄リスペクトを常に欠かしていないところが個人的に好きで、バキバキにかっこいい楽曲の中にも独特な沖縄の言葉やリズムを感じるから他とは違う唯一無二の魅力がある。
そこにあの気迫と力強さが乗っかってきたら誰も敵わない。数十メートル先の大きなステージに仁王立ちするその姿はまさに女帝で、サブヘッドライナーというポジションは必然であるように感じた。

手元のハイネケンはすっかり空になっていて、またしても「Hooo!!!」を連発していた。
フジロックが私を壊そうとしてきてる。

正真正銘のロックスター

そしてヘッドライナーTHE KILLERS。
代打出演が決まってから『Mr. Brightside』を何度も何度も聴いていて、あれが生で観れるのかとよだれを垂らしながらその時を待った。

これまたずっと聴いていた『Somebody Told Me』でステージが始まった。
圧倒的な迫力やパフォーマンスは目の前の光景が新潟県であることを忘れさせるほど絶大なものだった。
申し訳ないけど、indigoが昼にやっていたのと同じとは思えないほどステージが広大に見えた。

ノンストップで続くパフォーマンスの途中では日本人ドラマーワタルのスーパープレイもあり、会場のボルテージは上限を超えて上がり続けていた。
そのボルテージが一切下がることのないまま本編が終了、『Mr. Brightside』はまだやっていなかった。

ピンクのスーツに身を包んだブランドンが登場しアンコールスタート、そろそろ最後かなというところであのイントロが聴こえてきた。胸が高鳴る。でも、、ちょっと遅い、、、、??
始まったのは明らかに『Mr. Brightside』だったが、聴いていた音源よりもゆったりしていて演奏もどこかしっとりしていた。
「ライブバージョンか、そうか、、そうだよね、、、でもありがとう。。。。」
そう思った矢先、何度も何度も何度も何度も聴いたイントロが聴こえてきた。しっとりバージョンはあくまで前奏のようなモノだったようだ。
『Mr. Brightside』が再び始まった。

そこからの時間は、キラーズの熱量と我々の熱量をぶつけ合うような凄まじいパワーの応酬だった。
曲の終盤には「I never」と両手を掲げて大声で歌っている私がいた。こんなにライブの終わりが惜しいと思うのは初めてだった。
最後まで全力でパフォーマンスを続けたブランドンは、アウトロを待たずにステージを去っていった。あまりにかっこよすぎる。
その姿はまさにロックスターだった。
あの光景は一生忘れられない。

後日公式でライブ映像が公開されていたが、イヤホンの音量をどれだけ上げてもあの胸の高鳴りを起こすことはできない。
あのグリーンステージの空気、照明、観客、におい、その全てがロックスターに支配されていて、それをもう一度味わうことは決してできない。


書き殴ったら1日目だけで3000字に達しそうなので、2日目はまた別で書きます。
1日目はとにかくフジロックを浴びた時間でした。
26年ちょっとの人生の中でもトップクラス、なんなら一番エキサイティングだったと言っても過言ではないでしょう。
我を忘れて両手を掲げた『Mr. Brightside』、一生忘れません。

脳内の引き出しが足りないので外付け脳みそとして活用しています。