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流したシャワーに溶けていく今日の良いこととか
石鹸でも落ちてくれない余計な一言とか
毎日無意識に奥歯を噛み締めてたせいで
頭が痛くなってやっと気付いた本音とか

神様が惰性でかき混ぜできたこの世界で
また儀式のように布団の中夜を耐える

平等に朝が来る せっかく終わったのにな
カーテンを透かす光にそっと背を向ける
縛られ消えかけ それでも血だらけの両手を伸ばす

痛いほど怖いほど 笑ってごまかす僕が
きちんと泣けるようになるまでの物語
錆びた鎖巻いた身体で今 重いドアを開ける

太陽に近い屋上と黄色いワンピース
七色に光る雨傘が染め上げた強い日差し

神様が惰性でかき混ぜできたこの世界で
止まってた地球が微かにでも回り始める

平等に朝が来る 暗闇に慣らしてた目が
少し痛いくらい真っ白で静かな光だ
慌てて掴んだ僕の指をすり抜けかけた魔法

僕一人信じてた脆くて淡い世界が
君の頷きでもっと確かな今日になる
止まない雨は確かにあるから裸足で遊ぼう

人は一人だから「一人じゃないよ」なんて言いたくない
神様の気まぐれで引き合った僕ら ここで死んでたまるか

平等に朝が来る せっかく終わったのにな
そう思う僕と一緒に今日を祝っている
お前も私も 誰も殺さないまま連れていくよ

手作りの物語 読み返す暇ないほど
次のページが走り書きだけで埋まっていく
挟んだチケットで膨れた本抱きしめ歩くよ

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