カーテン

窓からの風で揺れる白
汚いガラス戸だらけの準備室は
踊る毎日を映すぴったりの鏡
指先の形を合わせてみれば
僕らだって鏡だった

晴れた6月の湿った匂いが
ずっと続く今を包んでくれる
四角い窓からこぼれる時間に
気付かないよう目をそらした

揺れる、なびく、掴んでしまえば呆気ない
淡い卒業の影が不確かな未来に旗を立てる
来ないでほしいいつかが来たら思い出すよ
光だけ通すこのカーテンのこと

誕生日から少しずれた日
薄いカルピスと狭いフラットシート
いつもの漫画喫茶で迎えた朝に
「今がこのまま続けばいい」なんて
バカみたいに思ったよ

晴れた6月の湿った匂いが
朝焼けに溶けてまとわりつく
昼になって夜になって終わること
気付かないよう目をそらした

揺れる、なびく、掴んでしまえば呆気ない
そろそろ窓を閉めて下校の時間かな
来ないでほしいいつかが来ても思い出せる?
光だけ通すこのカーテンのこと

夕焼けに染まる白
突然吹いた風で
隠れてしまった表情が
言ってたこと今も考えるよ

揺れる、なびく、掴んでしまえば呆気ない
淡い卒業の影が不確かな未来に旗を立てる
来ないでほしいいつかが来たら思い出すよ
光だけ通すこのカーテンのこと

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