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クリエイターが考えていること

池袋で開催されている「中村光の世界展」に行ってきました。
中村先生の20年の漫画家活動を記念して開催されたイベントで、中で写真を撮ってもOK!と大盤振る舞い。ええんですか。
聖お兄さんにドはまりをして元ネタを探し回った結果、他の漫画やゲームなんかで神話ネタを挟まれてもだいたいはわかるくらい知識が蓄積された気がする。次の目標は自分でネタ振りをできるようになりたい。けどこの前会社でそんなことを言ったらちょっと引かれた。
今はブラックナイトパレードも電子版で全巻一気読みをして先生のイメージがさらにアップデートされている。かく言う自分自身も、読み始めもコメディを描く人の作品という目線で読み始めていたら途中からとんでもないことになってしまった。ほんまみんなに読んでほしい。
それに行く前に一気読みをしていて本当によかった。鉄平くんのゾーンとかルドルフのところとかめっちゃテンション上がった。友達の下りのとこの見開き飾ってたな~~~を見ながら頭の中でそのシーンをリフレインしながら会場を後にするのであった。

作品を改めて楽しむこともものすごく良いのだけれど、やはりこういった展示で心躍るというか、興味深いのは、実際の原稿や手書きネームを見れることだろう。今回でいうと、さらには先生の私物の手帳とか置いてた。(あの枠付きのノートどこのだ・・?)
今でこそ、ツイッターやインスタグラムといったSNSでちょっとした落書きやちょっとした小ネタ、制作過程をアップする人も増えたが、原稿以外の作品や創作秘話を見るのは裏側を知れるようですごく好きだ。
なぜ面白いと感じるかというと、やはりクリエイターの手を感じるからだろう、と思う。
例えば、印刷物ではただの黒だが生原稿だとベタ塗りの向きがわかったり、アシスタントさんに向けた枠外の指示コメント、トーンを抑えるためのセロハンテープ。手書きのネームと完成の原稿を見比べながら当初考えていた顔や体の向きなんかが変わっていたりすると、あ、途中でいろいろと変えたんだなとかを想像しながら見ていると時間を忘れてしまう。

漫画家という職業を問わずクリエイターの人たちの思考を辿るのはとても面白い。その展開の物量に圧倒されると同時に、究極の一手を選ぶためのアイデアやその展開をアウトプットする技術。そしてその過程を面白いと感じるのは私だけじゃなく、結構周りにもいて、過去に展覧会を行ったときは特別企画として展示品の製作途中を写真に収めておいて、一緒に展示したこともあった。他の人たちも同様に製作途中を写真に撮って飾っていて、その写真も一緒に見ながらそれぞれ合評をしたものだった。

発表する完成品そのものはもちろん大事。
けど、その完成への道のりを知ることによってより深くその作品やクリエイターを考えることができる。これがストーリーであり感性に訴えてくるものなんだろう。先生の作品、改めて読み返しながら浸っている。

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余談。
ロゴマークのアウトプットや制作ノウハウを配信されている佐藤コージィさんのツイッターとか見ていて好き。あとパッケージの写真撮影とかも。

家にあるのがこのあたりの本。
ラフスケッチの線を見て興奮するタイプは楽しめる。しっかり載っているというか、いろんな種類のスケッチが並んでいるような感じ。


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