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長電話のアッコさん

 アッコさんは四つぐらい年上で、歯医者の娘でお金を持っていた。カケホーダイなんてなかった時代に、いつも自分から電話をかけてきて1~2時間も平気でしゃべってきた。月の電話代は3~4万ぐらいと言っていた。僕から電話を切ってはいけなかった。

 アッコさんは四つぐらい年上で、とっても変態らしいかった。まだ何も分からなかった僕に、私はこうだとかああだとか、実技も無しにいろんな知識を植えつけてきた。困る僕の様子を見るのが趣味だと言っていた。僕から質問してはいけなかった。

 アッコさんは四つぐらい年上で、交通費を出すから遊びにおいでと言っていた。今で言うところの姉活(弟活?)なのか、やたらわがままだった。アッコさんの趣味の服を買っておいてあげるからと言っていた。会いに行ってたら飼われていた。

 アッコさんは四つぐらい年上で、突然電話が来なくなった。ヤバイ話を延々としているのを”どちらかの家族”に聞かれていたのが原因か、彼女にワンちゃんが出来たのか、理由は分からなかった。世の中にはいろんな人がいると勉強になった。

 アッコさんは四つぐらい年上で、僕はいまだに知らない番号の着信があるときは緊張している。


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