待ち・望む 2Q20.10.31(働くことについて)

今日は久しぶりに猫太郎のいる丘に行ってみた。
街を望む丘には行ったのだが街には降りなかった。
猫太郎と話をするだけにしようと思い丘に腰をおろした。
まだ猫太郎は来ていなかった。
めずらしいな、猫太郎がまだ来ていないなんて。私はそう思いながら丘の斜面に寝転がって足を組んだ。両腕を頭の後ろに回して街を見下ろしていた。
この丘は土手のようになっていて斜面は芝生になっていた。一応、事前に犬のフンがないか確認しておいた。
今日は晴天でいい天気だ。のんびりと猫太郎を待つことにしよう。
しばらくすると眼下に見える1Q84年の街中から音が聞こえてきた。
ドンドンドン!と誰かがアパートのドアを叩いている音だ。
「いるのは分かっているんですよ!いつまでもここで待ちますよ!」。
あぁ、これはNHKの集金人だ。1Q84に登場した人だ。
私はそのしゃべり方ですぐにその人であると気付いた。
この時代は集金人がNHK受信料を集金するのが普通だったようだ。私の子供の頃の記憶には残っていないが、おそらくうちにも来ていたのだろう。あまり印象に残っていないのはうちの親は普通に支払っていたからだろう。
視聴率に頼らない公共放送だからこそ作成できる番組がある。時事問題の特集や旅紀行、動物の生態、地球の問題、世界で開催されるスポーツの密着番組、教育の番組など。民放の番組がつまらない時はNHKを観ることもあるし、NHKがつまらない時は民放を観ることがある。しかし、昔と比べてテレビを観る時間や番組も変化する。NHKを観ない時だってある。それなのにNHKだけが強制的に受信料を徴収するのは如何なものかと思ってしまう。民放からは受信料を徴収されないから、どうしても民放と比較してしまう。
観た番組の分だけ、もしくは観た時間の分だけ徴収する仕組みにはできないのかなぁ。良質な番組を制作するのにも金がかかるしなぁ。難しい問題だなぁ。そんなことを考えていた。
ドンドンドン!ドアを叩く音がふたたび空に響いていた。さっきと同じようにその音は私のいる丘まで届いていた。アパートの住人は居留守を使っているのだろうか。はぁ~そういう時代かぁと懐かしいような、それでいて新鮮で少し怖い気持ちになって遠くに見えるアパートを眺めていた。
やがて集金人はアパートから離れた。その集金人がアパートの敷地から出たと思ったらフッと姿が消えてしまった。私は幽霊を視てしまったのかと驚いたが、しばらくして納得した。そうか、そういうことか。
そしてアパートからは牛河さんが出てきた。すぐに分かった。なるほど、確かに人からは好まれない外見をしているかもしれない。私は小説の中の牛河さんのことを思い出していた。でも、時代と年齢と場所が違っていれば友達になれたかもしれないなぁと思えた。もしかしたら学生時代に出会っていれば友達になれたかもしれないよ、牛河さん。そんな風に思えたのだ。
私はしばらくの間、再び牛河さんの事を思い出しながら物思いにふけっていた。
すると猫太郎が現れた。
やあ!おまたせ。
久しぶり!私は応えた。
今日は働くことについて話しにきたよ。
OK! Here we go!~ 猫太郎は英語で応えた。

私:時間がもったいないから、単刀直入に話していくよ。

猫太郎:いいよ。いつでもOKさ。でも前にも言ったけど僕たちの世界の価値観とは違うから話を聞いてあげるだけになるかもね。

私:それでも構わないよ!働くって何だろうねって話さ。以前も話題に出したかもしれないけれど。そもそも私達は文明を発展させる為に働いている。全ての職がそうではないけど、ビルを建設したり機械を作ったり、お店を出店したり。そして利益を出すことによってそれらを存続させる。Going Concern(ゴーイングコンサーン)ってやつさ。そこには市場原理が働いて価格競争があるから企業は必至だ。またその企業が属する分野に需要が無ければ衰退してしまう。過剰な競争がおきると働く人達は大きなストレスにさらされる。人員削減もおきるし、社員一人あたりに求められる負担も大きくなる。

猫太郎:それが嫌だって話かな?

私:そうじゃないんだよ。科学技術や町が発展したり、販売店の商売が繁盛する事は良いことだと思うけど、そこまでの急激な文明発展を望んでいない人はどうすればいいのかって話さ。そんなに生き急がなくても良いなぁって感じかな。

猫太郎:なるほどね~

私:それについて独自の考え方があるんだよ。例えば大手企業がさらなる合理化のために人員削減、あるいは課長や部長などの役職者の人数を減らす方針を打ち出したとする。すると社員は不安になるだろう。しかし、それでもやってやるぞーとなる人達もいる。

猫太郎:フムフム。

私:そこで思ったんだよ。自分に当てはめて考えると学生時代の部活と一緒だと。

猫太郎:部活・・・・。

私:そうだよ。厳しい条件を出されても、やってやるぞーってなる人は自信があるんだよ。その仕事が得意なんだよ。好きなんだよ。それは部活と一緒だよ。自分も部活は得意な分野だったから、練習すればするほどタイムが伸びて成績が上がった。だからやる気が出たんだよ。どんなにつらい練習でも頑張れた。自分から好んで追加の自主練習をした。それは自分の成績が伸びる確信、あるいはそれに近いものがあったからだよ。成績が伸びなくても一定の達成感はあったからだよ。

猫太郎:なるほど~。

私:それが好きではない人はやる気を無くすだろう。もしくは嫌になる。過度なストレスになる。運動が苦手なのに体育をやらされたり、勉強が嫌いなのに猛勉強させられるのと一緒だよ。逆に言うと、自分の得意な分野だとやる気が出るんだよ。もっと頑張ろうと思える。それは仕事でも一緒なんだよ。

猫太郎:つまり?

私:仕事も向いている人と向いてない人がいるってことさ。言葉を変えると、仕事が得意な人とそうでない人がいるってこと。

猫太郎:ふむー。

私:だから、その仕事が得意な人や好きな人が今後もその会社で働けばいいのさ。それによって町や国も自然に発展する。その分野で働くのが苦手な人は他の分野で働けばいい。だが、働くのに好きな分野が見つからない人はどうすればいいのか?

猫太郎:うむ―。

私:ずばり!働かなければいいのだよ!

猫太郎:ドラえもんのポケットから何か出た―!

私:アハハハハー。

猫太郎:それくらいインパクトのある発言だね。

私:そうだねー。今日話したかったのはそこだよ。働くのが得意でない人は働かない。でも、お金はどうすればいいの?ここが皆さん共通の問題点でしょ。

猫太郎:ゴロにゃ~ん。

私:たぶん今は有効な具体的解決策はないだろう。でも心構えは変えることができる。

猫太郎:心構え・・・。

私:観念や思考と言葉を置き換えてもいい。

猫太郎:難しくなってきた。毛づくろいがしたい。もう毛づくろいしちゃおうっと。ごめんね。続けていいよ。

私:OK. No problem. そう、だから、まずはお金を気にせずに好きなこと、自分が心地良いことをするって大事なことだよね。あたり前だけど。でもお金が心配だからこれが難しい。仕事の中にこれば見つけられればいいけど、それが見つけられない場合は無理にがんばってストレスを抱えて働くことになってしまう。それ自体は時と場合によっては仕方のない事かもしれないけど、できればそういう事態は避けたい。

猫太郎:フムフム、ゴロゴロ。

私:だから猫太郎、どうすればいいのかなぁ~って話だよ。やっぱりそうは言っても今の時代は働くしかないのかなぁ。うまく得意な分野で働ければいいのだが、それが見つからない、得意な分野が無い人もいるわけさ。だから、心地よい生き方と我慢して働くことを上手に組み合わせることが可能だといいよね。お金は必要だからね。

猫太郎:難しいね。内面を変えていくしかないのかなぁ。

私:内面って言ってもね。考えるだけで何かが変わるの?思考だけでそんなに現実が変わる?お金が必要なくなる?無理でしょう。

猫太郎:うーん。なんというか、急にポンと変更はできないけれど、少しずつ何かが変わる気はするよ。以前にもこの話題で話したよね。働くということは、ある人にとってはその表現方法が実は曖昧であり微妙であると。つまり変化の過程の見かけ上は曖昧であり微妙である。だから、一見すると何も変わっていないようにも見えるし、変わっているようにもみえる。それはその人の意識の中で変化が起こっているからであり、それが進行中だからだ。つまり、働く事の定義づけを意識の中で変化させようとしているから、その変化の緩やかな過程が現実世界に反映されるのさ。

私:うーん・・・。分かったような分からないような。またこんな感じになってしまったね。行き着く先は以前と一緒かぁ。

猫太郎:君たちの世界のお金が、必要な人に必要な分だけ届くようになればいいよね。一部の大金持ちだけが貯め込むのではなくてさ。

私:まぁ、そうなんだよね。でもなんかさぁ~それだけでは解決できない感じがするんだよね~。何だろうな~。やっぱり人類の意識内の問題なのかなぁ~。

猫太郎:それがアセンションじゃ!

私:懐かしいねー(笑)。いつか起きるのかなぁ~アセンション。それともじわじわ進行中なのかなぁ。プレアデス星人をはじめとする支援者達の成果が出始めているのかも。なんちゃって。

猫太郎:ワレワレは宇宙人だ・・。

私:さあ、おふざけは終わりにしよう。

猫太郎:にゃんころりん。

私:昔、そういうタイトルの漫画があったな。少し読んでいた気がする。

猫太郎:ニャロメー!

私:さてと、本題に戻るか。そう、人間の意識内の問題なのかもな。人間というよりも自分自身の。心地よい気持ちでいれば、それが自分の望む現実を引き寄せる。最初から自分達は全てを持っている。引き寄せの技術的に説明すれば、その人自身が心地よい状態でいれば、それが魔法の杖(ツール)となって同じ波長の望ましい現実を引き寄せやすくなる。そういうことだろうか。

猫太郎:フム。

私:引き寄せの法則って訓練が必要なんでしょ。体を使う訓練は得意だけど思考の訓練って苦手なんだよなぁ。正確には思考ではないのかなぁ。思考ばかりしていると左脳を使っているイメージがあるもんなぁ。直感を使っていないイメージがある。頭痛の原因というイメージもある。

猫太郎:思考ばかりせずに直感に従うのはどういう状態だろう?

私:例えば、自分の場合はシャワーに入っている時。何かのメッセージや言葉が頭の中に降りてくる時がある。それと車でドライブの時。あとトイレの中とか(笑)。

猫太郎:人によって様々だね(笑)。君の場合はそれを大切にしたほうが良さそうだね。よく言われることだけど、それを意図的に行う場合はラジオの周波数を合わせるのに似ているよね。チューニングっていうんだっけ。

私:そうだね。その状態を引き寄せつつ必要なお金の事を考えれば良いのかなぁ。でもさぁ、成果が出るまでは不安だよね。実際にはお金が底をついてゼロになることもあるよね。それを通り越してマイナスになることもある。その場合は自分の中のエゴが騒ぎ出すよ。世間的に嫌な思いもするだろうし。世間の目、プライド、世間の常識、様々なエゴが騒ぎ出すよ。

猫太郎:真剣に新しい考え方の自分に変わりたいと思うのなら、その苦痛に耐えてでも意識の変革を目指すことも必要になるかもね。

私:えーーーーー!嫌だ嫌だ嫌だ。本当に現実が変わるの?その保証はあるの?苦痛なんか味わいたくないよ。スピリチュアルの嘘つき!あほんだら!

猫太郎:さっそく何かが騒ぎ出したね(笑)。

私:そうだね(笑)。あ”ーーもうどうしよっかなぁ・・・。でも自分は信じているよ。必要な分だけのお金を引き寄せる生き方ができることを。ただ心配なだけだよ。普通の反応さ。人間は危機を予測するようにできているからね。でも、新しい生き方を地球の全員が出来るようになるのかなぁ。少数の人達だけが変わっても地球は変わらないのでは?

猫太郎:もう分かっていると思うけど、それは違うよね。その人の世界はその人の意識が作っているんだよ。例え、見かけ上の地球の出来事が様々な困難をもたらしているように見えてもね。その事がその人に影響をもたらすかどうかはその人の観念次第ってことさ。

私:そっかぁ。地球人の全員が変化しないと変わらないなんて、そんな事を待っていたら変革は永久に訪れないよな。何十億年も昔に金星にアンドロメダの天使たちが次元降下して三次元に人間として誕生し、太陽系の人類の歴史がスタートしたけど、その時の歴史には霊的指導者層の介入があった。その時の金星では1人を除く全員が同意しないと惑星規模の大きな決定事項は霊的指導者層に承認されなかった。そんな事は人口が少なかった当時の金星みたいな惑星だからできたんだよなぁ。今の地球の人口では選挙みたいな制度で多数決で決めないと決定できないよな。

猫太郎:ずいぶんと話が飛躍したね。宇宙の彼方に飛んで行った気分だよ。

私:そうだね。あまり気にしなくていいよ。自分の中に存在しているファンタジーの世界さ。ちなみにアセンションの話だと一説では144,000人がキリスト意識に到達すると地球に変化が起きると言われているよね。その人数だったらとっくに変化が起き始めている可能性が高いよね。

猫太郎:そういう話もあるね。でも大切なのは、その人自身が創造者になることなのさ。

私:そっかぁ。なんだか最近の自分をみていると、意識とか引き寄せとか、新しい生き方の実験をするために地球に生まれてきたような気がしてきたよ。あまりそういった事は好きではないのだけどなぁ。自然にそういう事に巻き込まれている気がする。これも自分が意図して生まれてきたのだろうか。

猫太郎:少なくとも、そういう分野に興味があるってことさ。

私:それにしても、昭和世代は古い考え方を持っているから、なかなか新しい考えを取り入れるのって普通は難しいよね。昭和世代前半の人達は働き方にフォーカスした場合でいうと、高度成長期を経過してなお物質的な豊かさを追い求める体験をする為に地球に生まれていると思うんだ。終身雇用、定年退職、年功序列。そして自分達の昭和後半世代もそれを引き継いでいる。一方で、平成、令和という時代を経験しており、昭和的な生き方も難しくなってきている。

猫太郎:フムフム。時代の変化を体験しているんだね。

私:最近の若い世代や子供たちは、苦労することなしに仕事を簡単にこなしてしまう事がある。そういうのを見ると、俺たちはもっと苦労してスキルを身につけたり仕事を解決したんだぞって説教したくなるよね。でも、若い世代や子供たちは俺達世代とは違う体験を求めて生まれてきている。きっと昭和世代のような努力や苦労は必要のない人生設計なのだね。令和の時代は物質の豊かさを体を酷使して創り出すのではなく、きっと内面や意識を上手に使って目的や物資を具現化する、そのような時代に変化していく地球の時代なんだろうね。彼らはそういう時代に意識を合わせて生まれてきているんだろうね。

猫太郎:インディゴチルドレンとか、レインボーチルドレンってやつかにゃ。

私:そうだと思うよ。どっちの時代が優れているとか劣っているとかではない。自分がどの時代を体験したくて生まれてきたのかって話だね。だから今の若い世代や子供達の生き方を見かけ上で判断してはいけないのかもしれない。スポーツを頑張らないとか、学校に行かないとか、ゲームばかりしているとか、大人達からみると心配になることばかりだけどね。もちろん、その人達にもよるよ。中には昔ながらの生き方が良いって人もいるかもしれないしね。個人的には最低限、歩くくらいの運動は必要だと思っている。

猫太郎:君たちは三次元に住んでいるから身体は資本だね。それにしても、にゃんだか君たち世代は上の世代の価値観と、下の世代の価値観に挟まれて大変そうだね。

私:もしかして自分達世代は時代の変わり目の調整役なのかもしれないね。古い世代から新しい世代への橋渡し。上からもつつかれ、下からもつつかれ、会社の中間管理職みたいだね。

猫太郎:まあまあ、そう悲観せずに。

私:さて、とにかく今後も新しい意識で生きていくことに挑戦していくよ。可能な限りね。今日は話ができて良かったよ。ありがとう!そろそろ夕方になってきたし、帰るよ。

猫太郎:僕も話が聞けて楽しかったよ。人間は考える葦(あし)である。

私:ずいぶんと難しい事を知っているんだね。さすが人間研究家!

猫太郎:そんな事ないよ。人間に興味があるだけさ。ところで、今日は紹介したい人がいるんだ。

私:紹介したい人?

猫太郎:おーい、ソフィー!

猫太郎が近くの茂みに向かって叫ぶと、そこにひとり分の黒い大きな穴が現れた。すると中から少女が現れた。少女はゆっくりと猫太郎に近づいてきた。髪の毛は黒色をしているように見えたが、顔はヨーロッパ人風の顔をしていた。

猫太郎:彼女はね、君を新しい世界へ案内してくれるんだよ。

私:えっ、あ、そうなんだ。新しい世界?
私は少し戸惑いながら少女と猫太郎を交互に眺めていた。

続く。






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