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久しぶりに触れた祖母の手


 祖母から学ぶ高齢者の寂しさ(高齢者のグリーフ)を肌で感じたエピソードを書いています。認知症、パートナーや子どもとの死別。高齢者の一人暮らし…。様々な哀しみや寂しさを持つ一人の女性のお話です。


 年末から容態が悪かった祖母に会いに帰省してきました。
最初は、インフルエンザから始まり他の病気が見つかり、
でも高齢のため治療が出来ず施設に戻ってきました。


病院では、面会制限があり会いに行けなかったので
施設で面会が出来たのは嬉しい反面
それは祖母との別れが近い
ということでもあり複雑な心境です。


面会に行くと寝ていました。
声を描けても最初は気づかず…。


年老いるってこうゆうことなのかな
と寝ている祖母の顔を見ながら
思っていました。

夫が声を描けると
目が覚め、会話が出来ましたら。

でも、私たちのことは
はっきり誰かというのは
きっとわかっていません。


何か思い出しては
涙を流していました。

家族に会いたい。
一人で住んでいて、
みんな大きくなって仕事に出て
自分は一人で寂しい。


おばあちゃん、とても寂しかったんだ…
やっと心から理解ができました。


ベッドの手すりを持つ
おばあちゃんの手を両手で握ると
冷たい手でした。

手をタッチする人はいるけど、
あんたみたいに握る人は
おらんわ。
と言っていました。

あんた小さい可愛らしい手やな。
と言われ

おばあちゃんは、
白くてきれいな手やね。

と手を合わせました。

夏に横浜の個展で買っていた
お守りをようやく渡せました。

ひ孫たちとビデオ通話すると
それまでうっすらと
目を開けていたのが
目を見開いて
可愛いな~。
と嬉しそうでした。


また、元気になって
デイサービスに行きたい!
という意気込みは
変わらないおばあちゃん。


少しでも長く
穏やかで、
人との温かなつながりを
感じられる日々が過ごせますように。

また、子どもたちと会いに行きます。


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