見出し画像

期せずしてパーティの幹事をやることになったアラフォー男。そこには悲喜こもごもの人間模様があった。

師走突入。

盆と正月。結婚式と葬式。下痢と便秘が一緒にやってきたような忙しさである。

こうなるとnoteに費やせる時間も限られてくる。ボクだけでなく他のnoterさんも同様であろうか。先日、我がnoteのアクセス状況を確認してみたところ、急激にビュー数が減ったフシがある。
みな、忙しくなってきたのだろう、とボクは推測している。

と、話がそれた。
いかん、戻そう。

仕事というのは仕事を呼ぶところがある。
こころよく引き受けてくれるところ、または“できる人”のところに集まる習性があるという。

だから、自分自身が忙しくなればなるほどに
「オレばっかりに仕事が集中している!」
なんて、ついつい自意識過剰になりがちだが、でも実態は多くの場合そうではない。

少なくとも今のボクはそう。

忙しい、忙しい、と言ってはみたものの、残業しないと終わらない、さもなくば死ぬ、
という切羽詰まった状況ではなく、
「ノー残業、定時で仕事を終わらせるためには仕事ペースを上げなくてはならない!」
という己に対する喝にすぎない。

優秀なオレにばっかり仕事が集中している。なんてのは幻想である(ボクの場合)。

人間は、「そうであってほしい」という自分軸で世の中を覗いてしまう生き物なのだ。

先月、隣の部署の“43歳オッサン”が結婚すると報告してきた。

その43歳オッサン氏とボクは年齢が近いものの業務内容が違いすぎるため、
長年、同じ敷地にいながらも苦楽を供にした、力になってもらった、という実感はない。

彼は独身時代、たまに何人かで飲みに行った同僚のうちの一人。遠すぎず、近すぎず、のほぼフラットな関係。

そんな43歳オッサン氏が
先月のとある日、ボクのデスクにやってきて以前から交際していた女性と結婚するとの報告をしてきた。
どうやらご本人曰く、
年齢的に“今さら感”をもっているようで、挙式はやらず、形式ばったことは写真だけで済ます、と言うことだった。

その報告を受けたとき。
ボクはデスクで部下と他愛のない話をしていた最中で、場がほのぼのとしていた、というのもあったかもしれない。

横で話を聞いていた部下が唐突に
43歳オッサン氏のお祝いのパーティーを皆でやりませんか、12月は忘年会もあるだろうから11月中にパーッとしませんか、と提案し始めたのだ。

うっ、(言いだしっぺなるなよ)と思ったし、
えっ、(おまえ43歳おっさん氏と関わりないだろ)と思ったが、

本人を目の前にして、
反対する理由も特になく、ニコニコしながら“いいねー”なんて答えていたところ、
『年齢の近いゆづおさんが幹事をやったほうが同年代の人を呼びやすいし、集まりやすいと思うので…』
と次第に気持ち悪い方向へと話が進み始めた。

結果、あろうことか
遠すぎず、近すぎずの関係性でしかないボクが幹事、全くといっていいほど関わりのない部下が副幹事になってしまった。

幹事という大役を任せていただき身の引き締まる思いではありますが…

そもそも43歳オッサン氏がダレと関わりが深いのかすらもわからない。しかしまあ、こんなお祝いごとは参加者に『聞いていない』『本当は行きたかったのですが…』と言われることを避けねばならないことはわかっている。

だから、できる限り大勢に、そして早めにアナウンスしようと、

早速その日の夕刻、

43歳オッサン氏が少なからずとも関連している部署に所属する160名、部署は違えど昔から仲良くつるんでいた同僚&同期30名。

計180名に

「43歳オッサン氏ついに独身生活に終止符!!パーティー」
と題打ったメールで、アナウンスすることにした。

しかし、メールで案内をしたのが
大失敗であった。

「申し訳ないですが・・・」といって欠席表明する人が続出したのだ。
コロナを理由にしたり、ChatGPTで作成チックな断りメールであったり、みな色とりどりの欠席理由を述べてくる。最も多いのは未返信者。果敢に既読スルーである。

一応言っておくと、
43歳オッサン氏の役職は次長。
ボクの若手の頃の感覚だと半分仕事みたいなものだから断るには相当な理由が必要だよ、と思うのだが、この令和の時代に「仕事だから」って強制できるはずがない。

数日後、ボクは悟った。

きっとこのままでは、
参加者は
幹事のオレと、副幹事の部下の2名になる。

必死だった。43歳オッサン氏のためではもはやない。このままでは幹事失格の烙印を押され、ボクたちの能力が問われてしまう。

やばい。こうなったら、直接の声がけで出欠の回答を求めよう。断るときに、メールよりかは多少なりともためらいをもつだろうから。 

しかし、必死になればなるほど思った。
43歳オッサン氏の人生の門出であるのに、なぜこんなにも祝いたいという人が集まらないのだろうか。

遠すぎず、近すぎずの関係性であるボクには、そもそもそれが分からなかった。たしかにそれほど良い奴ではないかもしれないが、人に害を与えるほどワルイ人間性でもない。

ボクの距離感でみた彼は、
至って普通なのだ。

そこで声がけをしながら何人かに質問をしてみた。

総合すると、43歳オッサン氏は、自己愛が強すぎるというのだ。
それゆえに普段から部下・同僚へ自身の自慢話が尽きることなく、他人を直接傷つけることはないが、あまりにもウッザーすぎて、仕事以外で関わりたくないということだった。

ボクは、苦笑いをしながらも
「まぁまぁ、でも他人の幸せを祝ってあげるのは大事で、そうすると自分のときに・・・」
と食い下がってはみたが、

「飲みの席では、ゆづおさんも比較対象として出されてますよ。ゆづおさんより、オレの方がー、って…」

うっ。

それを聞いて、ボクも血の流れている人間。
そんなのは気にしないよ、
と苦笑いしながらも、

気づけば
「仕事じゃないから無理に参加しなくていいよー」「こっちでうまくやっとくわー」
と対応し始めた。


結局、参加者はボクを含めて数名であった。こうなると、43歳オッサン氏に、この惨状をどう伝えればいいか、という問題が次にでてくる。

しかし、ま、言うても彼はボクの後輩である。正直に“キミの人望、丸っきりねーな”と笑いながら告げるべきか。
それともコロナとインフルの流行を絡めて断られたと忖度すべきか。

ボクも営業畑で生きてきた男。
相手の反応にあわせて対応する。ノリでいっても何とかなる、と、結局のところノープランで終業時刻と同時に彼のデスクに行って事実をそのまま告げることにした。

「数名で小じんまりになったよ」

と。
彼は無言でコレを受け止めた。
しばらく間があって、、

「そうでしょうね」
43歳オッサン氏はそう言って笑った。

なるほど、こいつ自分の人望のなさについて自覚していたのか。“嫌われる勇気”をもったアラフォーおとこ。さすがだな。
なかなかの大物だな、

と思った……
その直後、

「時期が悪かったですよね。忘年会のシーズンの金曜日に、50人規模の会場を押さえるのって相当前から予約しないとできませんしね。でも結果論ですが、正直、数名の方がボクも気が楽です。スピーチとか。お手間をおかけいたしました。ありがとうございます。」

なるほど……これか。
彼もまた「そうであってほしい」という自分軸で世の中を覗いてしまう」

そんな人間のようであった。

と、43歳おっさん氏のことをネタにしてしまったが………

冒頭で、我がnoteについて
“アクセス状況をみてみたところ、ビュー数が師走の忙しさ故に減ってきているフシがある。”
とボクはドヤ顔で自己流分析結果を述べた。

でも実態はそうであろうか。

単純にウンコだ、豊満な谷間と黒ブラをみた、なんて綴っているボクに、読者さんが嫌気をさしたのではないだろうか、という冷静かつ正論らしき結論に至った。

人間は、「そうであってほしい」という自分軸で世の中を覗いてしまう生き物なのだ。

でぃわjぽけ:あkぶcあgっはっっhrlpw

ボクも血の流れている人間。
ビュー数なんて関係ないよ、と苦笑いしつつ、もうこれ以上は書きたくないので「公開」ボタンを押すことにします。

失礼致しました。
こちらからは以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?