見出し画像

“Majiでkoi(濃い)”生活で、アナログ時代の素晴らしさを再認識した1週間だった。

これは事件だ。

自分史に残る事件が起こった。
見出し画像に掲載した写真を撮った直後に…

それは、起こったのだ。


学生時代は、バスケにラグビー、そして臨時で陸上短距離走。いつもダメダメダサ男と自省しているが、むかしから運動神経だけはズバぬけてよかった。

中学時代の体育祭のリレーでは、
アンカーをつとめ、
本職の陸上部員をひっくるめてゴボウ抜き。このとき、きっと一生分の熱いギャルからのキャーキャーを使いきった。

アラフォーになったとはいえ、
いまでも毎月150kmを走り込み、毎年、過酷なウルトラマラソン大会にチャレンジを続けている。そんなトレーニングの甲斐あってか、子どもの保育園の運動会の保護者リレーでも若いパパには負けていない。

ヒヒヒ。
運動神経だけは特別。
その辺の若造にはまだまだ負けぬよ。

初老だとか、衰えだとか、
ここでなんども自虐的に言ってきたが、それは肉体的なものではなく、どちらかと言うと精神的、頭脳的なもの。

物忘れが激しい。
人の名前が覚えづらい。

なにかをしようとしていて
“あれ?なにやった?”
と思うことがあったり、外出の際に鍵をかけたかどうか不安になって、戻って確認することもしばしばある。
若い頃から記憶力には自信があったが、年齢を重ねるにつれて記憶の引き出しへのアクセスに支障が出てきた。

それに反して、
運動能力は違う。

これまで明確な劣化を実感する機会はなかったし、ボクの頭の中では、衰え知らずの若い頃のままであったのだ。

先週の日曜日の早朝

川沿いを娘2人と一緒に走りながら傾斜のある山の方へと上っていった。
3km走ったころから日差しがキツくなり、早々に小1の次女が弱を吐く。

こりゃダメだ。
少し休憩しよう、そう思って立ち止まり、
周りを見渡すと、涼しげな滝が目に入る。

水遊びをしたい!

2人は大喜びでシューズとソックスを脱ぐと、足をどっぷりと水につけて、水の掛け合いっこを始めた。

滝の周辺にはゴツゴツした岩があって、木々の下で日陰になっていたので、ボクはそこに座って2人を遠くから見守ることにした。

彼女たちが遊んでいる様子を
何枚か写真に収め、
“いま、ここで遊んでるよ”
と妻にLINEで伝えると、

すぐに「既読」の返信がきた。

「へぇ〜、涼しそう。インスタ載せるからまだまだ送ってー」

っと。

“りょーかい”

妻のリクエストに応えようと、
撮影係と化すボク。
しかし子どもたちが、ジワジワとボクから離れていくなかで、写真の望遠も限界に近づいていた。

よし、もう少し子どもたちに近づこうか。
重い腰をヨイショとあげた。

娘の方に行くためには、
シューズを濡らしたくなかったボクは、目の前のおよそ1.5mの水幅を跳び超える必要があった。

座っていた岩の位置は、
娘たちがいる側から見ると少し高い。

で、あるからボクは岩の上に立つと、
立ち幅跳びの感覚で振り子のように大きく腕を振り、せーので、ピョーンと水幅をまたぎ、地面に軽やかに着地した。

楽勝である。

そこで撮影したのが、
見出しの画像。
その後もパシャパシャと撮影した。

それにしても暑いな。
あいにく飛び下りた場所には、日をさえぎるところがない。

ボクは撮影した写真を
サッと妻にLINEを送ると、
さきほどまでいた場所に戻ることにした。

なんだか……来たときとは
景色が違ってみえる…

う〜ん。

いまいるところから元の場所に戻るには、
1.5mの水幅に加え、なんと3〜40cmほどの岩の高さをも超えなければならない。

むむ。大丈夫か?

という不安が一瞬、頭をよぎる。

が、いまいる場所は、
助走をつけることができ、それを加味すると、まあ……余裕かな…。

アンカーでゴボウ抜きをして
ギャルにブイブイ言わせたボクである。
そんな“根拠ある”武勇伝を引っ提げ、
ゆっくりと3m下がった。

気づけば娘2人が、固唾かたずをのんで見守っている。頭の中ではギャルからの歓声が鳴り響く。

よし、やったろ。

ふぅー。
息を吐いた。

そして、
すぅーーー、、、大きく吸った。

よしイケ!GO!ゴー!!

勢いをつけた。 

タッタッタッタッ…
よっしゃっ、うりゃーーあ!!

ピョーーーン。
飛んだ。

ボチャン

え?
ううっ、足つめてっ。
うわあああ、飛べなかったのか、
やべえぞオレ💦

冷たさを感じてからのコンマ1秒で
真っ先に感じた屈辱感。

そこから…

ガチャ。
グキッ。
ズルズルズルっ。

ううっ。
気がつけば、イロイロと痛い。
岩に身体のあちらこちらをぶつけたようだ。

後ろで“親父の背中”をみていた子どもが、ずぶ濡れしたマヌケな姿に、キャッキャッと大喜びしている。

いやいや。笑いごとじゃないのよ。
シューズが濡れてどうやって帰ろうか。岩からズリ落ちて足のヒザに擦り傷ができちゃったな。岩にガツンとぶつけた“手”もなんだか痛いな…。

あーあ。あかんな。
運動神経、やっぱり年齢とともにちゃんと劣化しているのね。
キッつー。

まぁ、しゃあない。
家に戻って、シューズをして、
傷口の手当をしよう。

そう思って岩にゆっくりと腰掛けた。

いや、ん?ん?ん?
ちょ、ちょっ待てよ!?

最初にガチャ、言うたよね。
イヤな予感がする。
パッと、手にもっていたスマホをみた。

おぉ、、、
が、画面が映らない。

思いっきり岩に打ち付けたようで
画面に貼り付けていた強化ガラスをも
軽々と突きぬけて壊れている。

やべえな、おい。

くっそ。

次女が3kmで弱音を吐かなければ、
妻にLINEを送らなければ、
シューズを脱いでから向こう側に移動しておけば、

いつだってそうだ。
失敗をした直後は後悔がいろいろとあふれんばかりにでてくるが意味がなかろう。
原因を追究したところで、
悲しみの連鎖が断ち切られないうえ、スマホが壊れたという事実は変わらない。だから、あえて悪者探しはしない…でも悲しい、哀しい、かなしい。

サヨナラ、6年使ってもはや充電死んでるスマホ。あなたを不携帯しすぎて妻からめちゃくちゃ怒られてきたけど、たくさんの思い出をくれたよね。ありがとう。

ということで、1週間、スマホなしで生活してみた。

日曜日の早朝だったので、
その日のうちに機種変をすることもできたが、スマホ生活のストレスを感じていたボクは、またとない良い機会ということで、スマホをもたない生活を試みようと思ったのだ。
※会社のスマホはあるので正確には違うが。

で、結論。

なにも不便はない。
なにも変わらない。

いままでボクは、若い頃から
パソコンでネットをすることに慣れ過ぎていたので、そもそもスマホだと全然楽しくなかった。画面の小ささや、操作法のちがいや、文字入力の面倒くささによって、ストレスばかりがたまっていたから。

だからスマホでは最低限のLINEのチェックくらいしかしてこなかった。それとnoteのフォロワーさん記事の巡回。

たしかに手軽さとリアルタイム性では圧倒的にスマホには劣る。が、いずれもパソコンで確認でき、目的は達する。

失ってみてわかるものがあるというが、
失ってみて改めて不要なものに気付くこともある。

ツムツムで時間つぶしをしていた電車移動中は小説を読んでいるし、キャッシュレスだってクレジットのタッチ決済で大半がいける。

なーんだ。

普通に困らない。
できるじゃないか。

こうなると、仕事以外はスマホに縛られないままどこまでいけるだろう?
そんな挑戦欲が湧いてくる。

今はスマホで何もかもができすぎてしまうから。

カメラだって今はスマホと言い換えられる。財布もスマホと言い換えられる。
本もスマホと言い換えられるし、乗車券もスマホと言い換えられる。

いっときの恋人との“別れ”だってスマホがあれば寂しくない。サヨナラをしても電車に乗った直後にLINEで会話ができる。手紙のまどろっこしさとLINEの速報性の違いは大きい。

しかし、ちょっと待て待て。
手紙は手紙の良さがある。

返信がくるまでのタイムラグ。
このタイムラグこそが恋愛感情の高ぶりに拍車をかけるのだ。

ボクらの世代はそれを知っている。

手紙だと返事は数週間後、数ヵ月後なんてこともありうるし下手したら返ってこないこともある。

でもそれでショックを受けることはあまりない。目的は「一方的に伝える」ことだから、気持ちとしては受け取ってもらえさえすれば返事がなくてもいい。

つまるところ手紙は、伝えるまでの「一苦労」はあるものの、それに対して相手から見返りを求める期待値はそれほどまでに高くない。返信がくるだけで嬉しい。既読スルーなんて当たり前の感覚なのだ。

そしてなによりも
しばらく連絡が取れないからこそ、盛り上がる感情がそこに生まれる。

そうだな…
ボクらの世代以上はその感覚をもっている。

そんなことをやね。
ぼんやり考えているとやねえ…

ボクらの世代で社会現象化したトップアイドルが、Majiでkoiしちゃうと、見つかるリスクを侵しながらもわざわざ手紙や交換日記を交わしちゃう理由だってね…

ボクはなんとなく分かるのだ。

肯定はしてないよ。
アナログだって最高なものもあるんだよと伝えたいのだ、ボクは。
どちらかと言うとやね、うん、最高な感情を置いてきているものだからこそ、理由はどうであれラブレターを全国公開するのはやめてあげてーな…ってそこはフォローしたくなってしまうかな。

締めになってる?なってない?
いいさ、今日も自分に課した2000字ルールを違反して3800字超えたんだから、
締めになってないけど、
これでおしまいで。

Majiで端的にKoi(濃い)文章の書けない、ボクが一番悪い。

娘2人は報奨金1000円を賭けて漢検に挑む週末。みなさまも良き週末を!

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