見込み顧客にとって、御社の商品・サービスを買うことは簡単ですか?
こんにちは、Cando Advisorsの安藤です。このブログ記事のシリーズでは、新規事業の創造のために、顧客のニーズをどう考えるかをお話していきたいと思います。
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2020年はコロナを経てリアル店舗での顧客が大きくオンラインに移動し、ますます Eコマースが成長した年となりました。
E コマースのサイトを作り販売することは比較的簡単になりましたが、それに連れて頭が痛いのが、検索エンジンの上位に位置し、新規ユーザーに見つけてもらうための競争がより激しく、コストもかかるようになったことです。
広告やマーケティングコストが高いのに収益が伸びない
多くのユーザーに、サイトに来て商品を見てもらうためには、わかりやすいナビゲーション、整理・洗練されたコンテンツ、直感的なデザインが必要です。またもちろんSEO対策も必要です。
しかし、それだけのコストをかけて新規顧客候補を獲得しているのに、実はそれに連れて売り上げや収益が伸びていないというケースが多々あります。
この原因はいろいろありますが、その一つが顧客にとって実は「買うことが難しい」というケースがあります。
最近の調査ではオンラインショッピング利用者の半数以上が、ショッピングプロセスにおけるユーザー体験の悪さが原因で、購入の完了前にカートを放棄していることがわかりました。
新規顧客の獲得にばかり力を注いでいる
現在のいわゆるグロース・ハッキングの元になった本、「ハッキング・グロース」によると、多くの企業は新規ユーザーや見込み客の獲得にばかり時間と資金を注いでいるが、その顧客が究極的にどれだけの売上をもたらしてくれるかという部分にほとんど力を注いでいないといいます。
このような方法を続けているとマーケティングやセールスに莫大な費用がかかる割にその顧客からの生涯売上(Lifetime Revenue)が低いということになってしまいます。
例えば2012年にEconsultancyが発表したレポートによると、E コマースのサイトは平均してウェブトラフィックからのリード獲得に費やした費用が1件あたり92ドルかかっているのに対して、そうやってウェブに来た訪問客を実際の優良顧客に変えるためには1ドルしか使っていなかったそうです。
どうやってフリーミアムの無料版ユーザーから「有料版」へのコンバージョン率が上がったか?
また、あるクラウドソフトウェアの会社で、無料版のユーザーは非常に多数になっているのに有料のプロ・バージョンにアップグレードしていない理由について、チーム内では様々な仮説が出て討論されました。
しかし実際にユーザーへのアンケートを取ってみて結果は驚くべきものでした。「なぜ顧客が有料版を購入しないのか」という質問に対しいちばん多かったユーザーの答えは「有料版があることを知らなかった」というものでした。
そこでアプリのホーム画面に「アップグレードしませんか」というボタンを目につくところに配置し配置したところ、アップグレードによる収益が一気に92%増加したということです。
どうすれば良いのか
こういった対策は色々ありますが、人気があり売上が伸びている Web サイトを比較しチェックアウトの仕方がどうなっているかを調査するというのがひとつの基本です。
さらに、最近研究されている「ショッピングカート放棄の防止策」には以下のようなものもあります。
1.特定のお客様の行動に基づいてパーソナライズされた割引を提供する
2.注文の進行状況に関する通知をお客様に送信する
3.チェックアウト時に提案を提供することで、お客様がすでにカートに入っている商品を補完する商品を簡単に見つけることができるようにする(これはアマゾンでは毎回出てきますね!)
4.分析ツールを使ってすべての放棄されたカートを追跡し、どのページに注意を払う必要があるかを把握する
このように、対策としては様々な方法がありますが、まずは新規の顧客候補の獲得に比べその顧客候補に実際に取引を完了してもらうためのコストは通常低いため、どれだけのお客様が「欲しいけれども買えなかった」状態になっているじかを見極めることがが第一歩です。
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