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春の「肝」を知るとアンチエイジングできる

漢方養生士の織田縁です。ここでは、セルフメディケーションのための知識をお伝えします。

「漢方カラダラボ」というポッドキャストを始めたのです。1回目は漢方の五臓「肝」(かん)についてお話ししました。

漢方の視点で自分のカラダを知って、自分で養生できるようになっていただきたいという思いで発信していきます。

ポッドキャストでもお話しした内容ですが、ノートでも是非読んでくださいね。

肝は全身に気をめぐらせている。

肝は全身に「気」という見えないエネルギーをめぐらせて、さらに精神状態を安定させる働きをしています。

カラダの全ては「気」のエネルギーが巡ることで働いていると考えられていて、気のエネルギーを指揮したり、調節したりするのが肝です。


ですから、
肝の働きが悪くなると、気がめぐらなくなり、その結果、生活のリズムが崩れます。食欲、睡眠、排便、月経などの生活のリズムが狂うと精神状態にも関わってきます。
肝が正常な状態は気持ちが安定していますが、
不調になると、情緒が不安定になったり、鬱になったり、イライラしたり、怒りっぽくなったりします。


肝は血を貯蔵し、供給している

また肝は血を、蓄えて、必要なときに、カラダに供給しています。

例えば、運動しているとき、目を使う作業をするとき、大量の血が必要なのですが、肝が正常に働かないと、体内に必要な血が貯まっていなかったり、適切に供給、消費されなかったりして、、、、筋肉のけいれん、こむら返り、しびれ、目の疲れ、思考力低下などの症状が起こります。

それから、血を貯蔵して、血をめぐらせる働きをする肝の不調は、女性特有の不調につながります。
女性は血にまつわる 月経、妊娠、出産、閉経があり、特に肝にケアが必要
なのです。
女性のダイエットは危険です。栄養不足でカラダに血がない状態にしてしまいます。そうすると肝に血は貯蔵できず、ひどいと無月経、肝の不調に移行していき、情緒まで不安定になります。


肝は「怒り」の感情とつながっている

五臓は夫々、感情と深く関わっているのですが、
肝と繋がっている感情は「怒り」

怒りが肝に影響を与える→気がうまく流れなくなり→女性は月経不順、体の痛みを起こしたたり、男女とも、疲れているのに眠れない、神経症、便秘、などの症状を起こします。

こういった肝の性質から
肝は五臓の将軍と古典にあります。将軍は精神状態が安定して落ち着いて戦術を遂行できなければ戦えないですよね。

肝は筋(すじ)をつくります

肝の血 はすじや健に栄養を与え カラダの上げ伸ばしや関節の活動を支えています。
肝血不足はこむら返り、しびれ、関節の曲げ伸ばしの障害を起こすのです。

肝は目に繋がっている

肝血は目に十分な栄養を送っていることで、物を見て、五色を見分けることができるのです。
不足すると視力、眼精疲労、目の乾燥が起こります。

肝の状態は爪に表れる

正常なときはツヤのある健康的な爪ですが、
不調になると、もろくなったり、ツヤなし、変形爪になってしまいます。

肝と胆は表裏関係

五臓と表裏の関係 である 腑が夫々あるのですが、
胆が肝と表裏の関係です。 

胆は決断を主るところ
「胆力」という言葉もありますが、胆は考えを生み、決断する行動力を生む腑なのです。 
肝が正常ですと、栄養の消化吸収を助ける胆汁が十分分泌します。
肝が不調になると、胆汁が出なくなり→消化不良、食欲不振、お腹が張る、便通が悪くなる などの症状に。
ちなみに、胆汁が上に上がると →口の中が苦く  外に流れ出れば黄疸になります。 (何らかの原因で胆汁が  正常に排出されない)

肝は「木」に属する

漢方では陰陽五行説によって、自然界のすべて物質を 木・火・土・金・水 にあてはめています。
これは古代の人が、五臓の性質を自然の循環を観察しながら研究し、関係性を説明するものでもあります。

肝はというと「木」に属し、
特徴は・・「木」というのは、のびやかに上に上に成長します。     そういったのびやかでストレスのない状態が肝には心地良いということがいえるのです。

春は肝に注意

そして木(や草)は春になると急に芽吹き、成長するように、
肝の気も、春に活発に活動をし始める。 

ですから
春は肝の働きが急激に激しくなるので、肝の養生に心掛けてください。
気候だけでなく、日本では春に生活が変化することが多いですから、肝の気の流れが乱れ、心身のバランス崩しやすいのです。

春は肝のために
柑橘類など、酸味のある食べ物を適量とるとよいのです。
ただし適量です。


ちょうど、これから季節が春に向かっています。

今こそ「肝」を労わるときです!

女性は特に、この時期に肝に負担をかけると、エイジングが進んでしまいます。お肌、髪のツヤも、肝の働きによるところが大きいのです。

コロナで例年と違う生活を強いられて神経を使っているので、特にお疲れの「肝」ですから、あえて、ゆったりした気持ちでいたいですね。

読んでいただきありがとうございました。

ポッドキャストでも「肝」についてのお話しをしていますので、そちらも是非聴いてくださいね!


織田 縁 東京都杉並区で日本のハーブブレンド『チャカラティーズ』を製造販売する会社㈱ワイズ・ドット・ファームを設立。登録販売者。漢方薬・健康食品の販売、上級漢方養生指導士。

お問い合わせhttp://ysdotfirm.co.jp











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