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漢方の肥満対策② 薄着の夏に備える

前回は肥満タイプで
①脾(消化器官等)が弱くて水太りになってしまうタイプ
➁ストレスで太ってしまうタイプ

のお話をしました。
今回は
その続きで、


タイプ③血が停滞している結果の肥満

お血という、血が滞ってしまっている人は、痩せている方もいらっしゃいますが、お血によって脂肪がついてしまうタイプがあります。

お血が痰湿をつくる

血が滞ることで、気も停滞し、脾(消化機能等)の働きが鈍ってきます。気の働きが悪くなると、食べたものが消化されて体に栄養としてまわったり、消化→排せつの働きが悪くなって、体に入れた栄養がうまく回らずに、痰湿となって停滞したり、代謝が悪くなって、結果として肥満になります。


このような方は、肥満も問題ですが、血の巡りが悪いことによって、肩こり、頭痛、めまい、月経不順などが起こり、不調が重なってしまいます。

肥満によって膝、などが痛くなったり・・・そうすると歩くのが辛くなりますから
運動不足で体重が増える・・・運動しないからお血がひどくなる・・・・の悪循環になることがあります。

桂枝茯苓丸

このような人には、「桂枝茯苓丸」という漢方薬があります。
入っている生薬は、桂皮・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬
桃仁(桃の種の中に入っている仁です)これと、牡丹皮というお花の牡丹の根っこの皮なのですが、
この2つが血を流す作用があり、それを桂枝の温める力、茯苓の湿気を除く作用で バックアップしているという組み合わせです。

お血が原因で肥満になり、お腹に痛みがある、肩こり、頭痛があり、子宮筋腫などある人は知っておいて良い漢方薬です。(子宮筋腫は漢方ではお血(血流の停滞)と結果と見ます。)


タイプ④ 生活の不規則、飲食の不摂生など複合的


腹部に皮下脂肪が多く、高血圧に伴う症状・・肩こり、動悸、のぼせ、があり、便秘がちの人が多いこのタイプ。

防風通聖散という漢方薬

薬品メーカーも、ダイエット目的の薬としてネーミングを変えて発売しています。「ナイシトール」「コッコアポA」「ココスリム」という名前で薬局でも売られているのですが、すべてのタイプに合うわけではありません。冷え性で虚弱な方には向きません。下剤である「大黄」が入っているのも特徴です。

肥満目的にはどのように作用するのかというと、18種類の生薬が、汗をかかせて、体にこもっている熱を発散させ、気血を巡らせながら体積した食毒(食べたものが代謝されない状態)を解消する、というつくりになっています。

比較的体力ある人で皮下脂肪多くて便秘がちな人
高血圧で肥満に伴って動悸もあるような人向けの、漢方薬です。

こもっていた熱が、発熱悪寒、めまい、目の充血、喉の痛み、などを引き起こしたときにも用いられます。


このように、「肥満」と一口にいっても、いろいろなタイプ、原因があります。どうか自分のタイプがどれに入るのかを知って、正しく対処、改善していただきたいですね。

肥満によって、様々な病気にも発展してしまいますから、漢方薬の力を借りて改善するものありだと思います。

このお話は、ポッドキャストでも配信していますので、是非聴いてみてください。

ここまで読んでくださいましてありがとうございました。

織田 縁 東京都杉並区で日本のハーブブレンド『チャカラティーズ』・漢方薬・健康食品の販売会社㈱ワイズ・ドット・ファーム代表。登録販売者。上級漢方養生指導士。

お問い合わせhttp://ysdotfirm.co.jp

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