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【閲覧注意】北朝鮮で暮らす人の〇〇事情#54

こんにちは。

先日、仕事から帰ってきたはずのダンナが、しばらく行方不明になりました。
子育て中のママたちは同じ気持ちかもしれませんが、子どもの世話をしていると、猫の手も借りたいと思いますよね。

ダンナが帰宅すると少し休憩してほしい気持ちと、(私はご飯の準備をするため)子どもたちの相手をしてほしい気持ちの板挟みでいつも悩んでいます。

20〜30分後、行方不明になった夫が何ともいえない表情で戻ってきました。
話を聞いてみると、腹痛でトイレにこもっていたとのことです。

その後も頻繁にトイレを出入りするダンナ。

思い当たる原因について尋ねてみると、出勤前に冷蔵庫に残っていた古いおかずを食べたことを思い出したようでした。

この話を聞いて、私は半分かわいそうだなと思いつつ、半分は呆れてしまっていたのです。
ダンナの味覚・嗅覚が鈍いというのは以前からわかっていたことであり、彼に自らの感覚で”食べ物が傷んでいるかどうか”見分けるのが難しいこともまた、私たち夫婦の共通認識です。

私が”捨てなきゃな”と思っていた残り物、ダンナが平然と食べ始めたために慌てて止めるというシーンが、過去に何度も発生してきたのです。

おそらくダンナは軽い食中毒だったのでしょう。
食中毒はとても恐ろしいもので、命を失う可能性すらあります。

味覚・嗅覚が鈍いのであれば、(貧乏性のダンナには難しいでしょうが)古い食材を徹底して避けるのが自分の命を守ることだと”強めに説教”した次第です😎

その晩、眠りにつく前にふと北朝鮮について思いました。

何度か書いていますが、北朝鮮では(停電がデフォルトなので)冷蔵庫は単なるインテリア。食料品は常温保存が基本です。
寒〜い冬はまだしも、夏場は食べ物が傷みやすいので、あの国で生き抜くにはシビアな判別能力が必要とされます。

”食べられるのか、食べられないのか”
うちのダンナが長生きするのは難しいでしょうね…

白米がとても貴重なので、生活に困窮したことのない我が家でも、少し匂い始めたご飯は水で洗ったり、明らかに怪しい場合は沸かしてお粥のようにして食べたりしていました。

そういった生活を送っていても私自身、食中毒になった経験はほとんどありません。
市場に行けば、カビが生えている食べ物などを拾って食べるコチェビを見かけるのは日常の風景でした。

時々、北朝鮮を訪問している日本の親戚が”水が合わない”だけでお腹を下すと聞いたことがあります。私たちにはそれがとても不思議なことに感じられました。
「そんなことでお腹を下しているようでは、とてもじゃないけど、ここでは生きていけないね」と話していたこともありました。

過酷な環境においても、表面上は元気に暮らしている北朝鮮の人々。
日々の暮らしで多少は鍛えられるでしょうし、淘汰(あらゆる意味で弱い人は生きていけません)による選別が働くので免疫が強い人が多数派である可能性はあります。

しかし、全くの健康体かと問われれば、そんなことはないのです。日本ではとうの昔に根絶された病気に苦しむような状況が今も続いています。

※ここから先は排泄物やそれに類するものなど、”閲覧注意”な表現が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。


現代の日本では見られなくなった病気の代表例として回虫症が挙げられます。

現在も北朝鮮ではとても一般的な病気で、幼いころから薬をよく飲むことになりますが、なかなか根絶は難しい状況があります。

以下、その理由について書いていきます。

理由1)上下水道の未整備
北朝鮮でも蛇口を捻れば水が出るように水道が作られてはいるのですが、衛生面での対策は皆無といえます。
水道水はナチュラルな生水。日本で一般的な塩素消毒など望むべくもありません。どれくらいナチュラルかというと、雨が降った後の水道水には「泥+生きたミミズや色々な虫」が配合されているのが日常です。

水道水は、私たちがもっとも手軽に安心して利用できる水の一つです。日本の水道水には、塩素が使われています。これによって水道水の安全性が確保されているわけです…

水道水に塩素が含まれているのは、消毒のためです。
水道水の原水となる河川や湖の水には、さまざまな病気の原因となる微生物などが含まれている恐れがあります。
塩素には強い殺菌力があり、このような病原微生物の細胞膜を破壊して死滅させるのです。

株式会社日本トリムHPより

理由2)手を洗う文化がない
北朝鮮では(電力と同じく)水道水の供給が不安定です。いつ水が出なくなるかわからないので、一般家庭のキッチンと洗面室には水をたくさん溜めておくための桶があります。
桶に溜まっている水は日本基準でいうときれいとは言い難いのですが、次に水道から水が出るまで使用します。一度、水が止まると次に出るのは数日後…という世界でした💦

水道から出てきた泥水を桶に溜めてしばらく放置すると、泥が沈んで上の方は透明度が高い水になります。その水を飲み水にしたり、料理に使ったりしながら生活します。

私の家は両親が医療者だったので、水は沸騰させてから飲むように厳しく教育されていました。他の家でも同じようにしている、と聞いた記憶は多くありません。

そして、溜めた水で生活しなければいけないので、小まめに手を洗うことは難しい状況です。
桶の水がなくなると、井戸まで行って水を汲んでこなければならないので、桶の水はとても大切に使います。

少し話が逸れますが、北朝鮮の水道は無料で使用できます。
水道メーターなどあるわけがないので、使った量はもとより、使ったかどうかすら調べることはできないのですが…

水道が止まっているときは大事に大事に使うものの、水道が出るときは特に必要がなくても出しっぱなし、という光景をよく見かけていました😅

理由3)排泄物の農業利用
北朝鮮の農業では十分な肥料が用意できないので、現在でも主に人間の排泄物を使用します。日本でいうと昭和初期までは使われていた歴史があるようですね。

肥料として用いる人糞は、そのまま使うと作物が根腐れするため、たいていは肥溜めに溜めて発酵させて利用する。ちなみに発酵中の物は非常に臭いが強く、さらに衛生害虫になるクロバエ類やニクバエ類、また蚊の中でも最も富栄養状態に適応したオオクロヤブカの発生源となるなどの問題があった。また、人糞肥料を媒介とした寄生虫の流行も問題となった。

Wikipediaより

北朝鮮では、サンチュや青どうがらし、ケン二プ(エゴマの葉っぱ)などの生野菜を食べる習慣があり、そういったルートで寄生虫の卵を体内に取り込むことになってしまうのです。

思い出すだけで身の毛がよだつ話ですが、私が幼いころ、寝ている時に喉がくすぐったい感じがして、手を入れて引っ張ると長〜い回虫が出てきた経験があります。友達に話すとほとんどが同じような経験をしたとのことです💦

そして、毎年一度、診療所で出される回虫症の薬(一度に10〜20錠ほど)を飲むと、トイレで回虫の死骸が(誇張ではなく)数えきれないほど出てきました。

汚い内容で恐縮ですが、実体験に基づく部分も入れておこうと思い、書くことにした次第です😅

下記リンクは北朝鮮で暮らす人々のお腹の事情がよくわかる一例であると思います。

その道20年の外科医が手術のために脱北した兵士のお腹を開いてみた結果、「教科書でしか見たことがない」というコメントを残すほどの有り様だったとのこと。
北朝鮮で暮らす人々の置かれている衛生状態が劣悪であることを表す、象徴のような出来事かもしれません。

いつの日か北朝鮮が民主化された時、何よりも必要な分野は公衆衛生であると私は考えています。
子育てが落ち着いたら、大学で学び直してみたいものです。

今はまだ想像もつかない展開ですが、私のような存在が北朝鮮と日本の架け橋になる日が来るかもしれません。
そのためにも今後、勉強を続けていきたいと思っています。

今日は最初から最後まで読みづらい(読むのが辛い?)内容だったと思います。
最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました😭

…万が一、”今日の内容がヒットだった”という方に向けて、以下の記事をオススメしておきます😘

ではでは👋

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