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お願い!「お金かして」だけは言わないで欲しい。

「仏。」と呼んでいた5歳上の彼は、だいぶ大人に見えました。

「いいよ。君が好きなようにすれば」そんな一言で全て受け止めてくれる
私だけを大事に思ってくれているからこその魔法の言葉のように感じられました。

誰よりも率先して、仕事を終わらせて他の人の手伝いをする。
仕事終わりも店に残り、みんな応援をしている。
母の日には、花束を買って帰る。(かっこよかった)
バイクの音の話。車の話。運転手の横顔。爽やかな笑顔。八重歯・・・。

みんなに優しい彼。
私の知らない世界を知っている彼に、当時20歳の私は、メロメロでした。

でも、実際は、待ち合わせの時間に5時間くらい平気で連絡をよこさず、「二日酔いで・・・」と言われる始末。
でも、『5歳年上の人』『憧れの人』というだけで、全て許せていたのです。

さて、時は進み、あるドライブデートの日。
料金所につき、お財布を渡されそこから、支払いをしました。
お札のところには・・・一枚のプリクラが。

そこには、見知らぬ女性と彼。

「ん??これは??」という私に、一瞬驚く顔をする彼。

「友達だよ。ボーリング行って、そのノリで」
「そうなんだ。」と言って、もやもやを抱えたまま。目的地へ。(当時の私は、そこで突っ込むこともできませんでした。)

まず彼がとった行動は、そのプリクラをゴミ箱に捨てること。
(完璧なる黒!)

でも。それでも、私は、許していた。
なぜなら・・・『好き』(な気がしていたから)

雨の日に置き去りにされても、放置されても・・・ゆるしていた。

まぁでもそんな関係は、うまく行かない。
だって、気がしていただけですから。
私が私を大事にできない。我慢ばかりは、いやだ。と思ったのです。

お別れをして一年後・・・。

彼は、当時一緒に働いていた、別の子と同棲を始めていた。
そういえば、可愛いよねって言っていた。ずっと連絡をとっていたのですね。
「馬鹿野郎!」と心で叫んでました。そして、別れてよかったとも思った。

いいんです。彼が幸せなら、よかったのです。

さらに数年たち、たまたま、職場の仲間で集まることになる。

彼を見た時・・・
「あれ??私こんな人と付き合っていたんですか??」と同僚に確認するほどの変化。目を何度も擦って見たけど。。。憧れの彼には戻らなかった。
同僚のことも別れていました。

「君は、変わらないね」という彼。
内心では、「なんて、姿になってしまったんだ。何があったの??」と聞きたいほどでしたが、あまりの変化に何もいえず・・・。

そして、その飲み会の後
「お願いがあるんだけど、2万円貸してくれない??」
とメール。

丁重にお断りしました。

20歳の私にとって「仏」だった彼は、もう「仏」ではなくなっていました。

いいんです。浮気しまくっていようが。
私に内緒で、裏でこそこそやりとりしてようが、どうでも。
全て水に流すことができる。

でも、私は、好きな人は、本当の自分を思いっきり生きていて欲しいと願います。

彼の夢は、世界旅行でした。
その夢は叶わなくても、そのことを語る彼は希望に満ちていた。

禿げていてもいい。その夢が叶ってなくてもいい。お金だって、なくたっていい。

ただ、今を生き生きと過ごしていて欲しい。
今、夢中になってることをいっぱい聞けせてほしいのです。

今、彼はどういう風に過ごしているかわかりませんが、持ち前の優しさで素敵な人生に送ってくれていることを願います。
また、どこかであった時には、「あぁこの人好きになってよかった。」と思わせてくれることでしょう。

過去の恋愛を引きずるのは、男の人だけではありません。

きっと女性も、好きだった人は、かっこよくいてほしいと願っているはずです。




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