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工藤会トップに死刑判決 裁判官に「あんた、生涯、この事後悔するよ」

8月24日、福岡地裁で特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)トップで総裁の野村悟被告(74)に死刑判決がくだされた。

午後4時ごろ、死刑判決を言い渡されると、野村被告は「公正な判断をお願いしたんだけど、全部追認、追認。
こんな裁判あるんか。あんた、生涯、この事後悔するよ」と足立勉裁判長に向かって強い口調で発言した。

死刑判決をくだす裁判官は、主文の読み上げをあとにすることが多い。最初に死刑を告げてしまうと、被告人が暴れだしたり、動揺して後の判決内容が耳に入らなかったりするからだ。開廷後、主文は後回しにします、と裁判長が告げると法廷に緊張が走ったという。

九州ヤクザは怖い。他の地方のヤクザの多くは、警察や弁護士などを攻撃することはめったにないのだけど、九州の一部のヤクザは、後先考えず、相手が誰かにも構わず攻撃を仕掛けてくる。世に九州ヤクザと恐れられていた所以だ。

諸外国の反社組織は、警察だろうと裁判官だろうとお構いなしに攻撃するのがあたりまえのところが多い。ブラジルでは裁判官もしばしば標的にされ、麻薬組織相手にひるむことなく職務を遂行したある判事は軍の基地の中に住居を構え、軍に守ってもらいながら職務を遂行していたくらいだ。

翻って日本の裁判官が被告人に脅されるという場面は珍しいが、今回の判決をした裁判長、脅迫文言とまではいえないまでも、「あんた、生涯、この事後悔するよ」などと強い口調でいわれて相当恐怖したのではないか。

暴力団の排除は警察による取締りだけではなく、市民・企業による暴力団排除運動が必須である。市民に対しても平気で牙を剥いてきた工藤会に対し、福岡県警は本気で挑み、ついにトップに死刑判決がくだされるまでに至った。市民・企業による暴力団排除も幾多の犠牲を乗り越えて進められてきている。

かつての北九州市で我が物顔で市民ににらみを利かせていた組員たちも、今ではほとんど姿を見かけることすらないという。暴力に怯えていたこの街は、いまでは暴力団追放の先頭に立つ街になっている。


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