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おもてなしについて

すっかり年末ですが、今年は忙しくてクリスマスのイラストを描いていなかったので、こたつでゴロゴロしながら描いた。今日は2019年12月28日。

ところで、ぼくはクリスマスに心は躍らない。それは、ぼくの両親がケーキ屋さんを営んでいたことに起因する。ケーキ屋さんのクリスマスは1年で一番忙しく、ここで1ヶ月分以上の稼ぎをたたき出さないといけない。100個しかケーキを準備できなければ売上げは100個分にしかならないけども、1,000個のケーキが準備できれば、売上げは1,000個分になる(可能性がある)。とにかく多くのケーキを積み上げないといけない。

たくさんのケーキを積み上げるためには、めっちゃアタマを使う。スポンジの数、苺の数、クリームを立てるタイミング、クリームを塗るタイミング、予約のケーキを渡すタイミング、スペースの確保、室温のコントロール(部屋が暑いとクリームがだれるけども、スポンジを焼く窯はとにかく熱い)、バイトを雇い、販売のオペレーションも構築する必要がある。

こんな環境だったので、クリスマスは楽しむと言うよりは少し緊張しながら、この壮絶なミッションの中に身を置き両親を手伝っていた。そして25日の夜、街からクリスマスの気配が消えたとき、ぼくたち家族はやっと一息をついて、外食で夕食を済ませた、記憶がある。

そんな環境で育ったので、ぼくはすっかりと「おもてなしする側」の思想になってしまった。コンビニでも、外食の時でも、イベントに参加してる時でも、テレビを見てても、映画を観てても、サービスを甘受する立場ではなく、サービスを提供する立場で観察する。ケーキ屋さんメソッドの英才教育で育まれた裏方思考は、けっこう役に立っていて、特に商売するにあたってはとても大事なことだと思っているので、いつかしら体系的にまとめようと思います(多分やらない)。

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