見出し画像

虎の目の詩



静かな夜の

おそろしい森

音も立てずに

抉っていく

白い牙を汚した温い血は

丁寧にきみの夢に

したたっていく


木々に染みこんでいく

行き場のない声

愚かなひとね

それも含めて

食事というの


やがておもむろに

立ち上がった

歪んだ影を見つめて

まだ何も

終わっていないのに




茶埜子尋子

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?