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遠吠えの詩



死ぬために造られた

海の見える崖で

昇ってゆく月の光りに

照らされて


あなたのおかげで

こころ遺りも

忘れました

このきらめきがいま

わたしの陰を

消していくのです


あなたがもし

悪であっても

憎むことは

しません


ただそれだけを

この一晩の月のひかりに

残してゆきます


朝焼けと共に

さよならするの

慟哭





茶埜子尋子

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