ベトナムの健康食品環境を調べてみたら面白すぎた
こんにちは、チャボです。
本日は、少し関連法規から離れた内容です。先日展示会に行き、海外のブースがここ数年で増加してるのを感じました。
いつも情報交換している企業様と話していても、ここ数年特にコロナ明けからは出展企業が増えている印象のようです。
特に「ASEAN地域がアツい」とのこと。先日サントリーさんもタイやインドのニュースが出てましたね。
ブース1ヶ所寄ってみていろいろ話したところ、すごい面白い話を聞けました。やはり、そもそもの環境や文化形成が違うので健康ニーズや法規制なとも違うところが面白そうだった。
なので今日は少し本業から外れて、海外の情報を自分なりにまとめて考察してみました。ジェトロの情報をベースにしつつリライトしてますので、ぜひお時間あるときにでも軽い読み物としてみていただけると嬉しいです。
ベトナムの今
国土などの基本情報
まずベトナムは縦長の国土を持ちます。中国・ラオス・カンボジアに隣接し、海に面した国です。縦に長いので北と南で、気候や風土が異なります。
ベトナムには「詩と実利と遊興」という言葉があり、これはこの国の地域性を表しています。
●北のハノイ(詩)
ここはベトナムの首都であり、四季があります。経済的に余裕があることからも「詩を一緒に吟じる仲間・時間」を大切にすると言われております。
内向的でまじめ、協調性も高いとされる地域です。
●中部のダナン(実利)
観光地として有名ですが、ここは過去北と南の戦争に巻き込まれていた地域です。先をあまり見据えれない環境や貧しかった過去などから「土地・お金などの現実的な利益」を大切にすると言われています。
ベトナム自体、戦争が多かった過去の歴史からやや中長期的に将来を見据えにくい・短期的視野とも言われますが中部はその傾向が高いとされています。
●南のホーチミン(遊興)
ここは、年中暑い地域になっており自然の恵みに囲まれています。そのため「楽しく酒を酌み交わす遊び仲間・時間」を大切にするとされています。
友好的な環境で日系企業がビジネスをやりやすいことからも、現在日本企業がここを軸にビジネス展開を進めています。イオンやマツキヨなども店頭作りやフードコートなどの仕組みは日本の仕組みをそのまま現地で応用してビジネスをしています。
こうみてみると、国民性で日本でも近い形は見られますね。北海道と、関東近郊、沖縄に少し当てはまる要素があると感じます。
人口状態と経済状況
ベトナムは日本よりも平均年齢が若く現在人口ボーナス真っ只中です。人口ピラミッドは1980年の日本と酷似しており、30代前後の若い働き手が経済成長を押し上げています。この傾向はしばらく続く見込みです。
海外企業が進出を加速させるのはここが大きいです。
若い人が働き、働いたお金で物を買い、そのお金で開発が進み働き手にも還元される。という好循環が生まれており、現在ベトナムのGDP成長率は継続してプラス水準にあります。
ベトナムにおける健康食品
ここからはベトナムにおいての健康食品、サプリメントを見ていきましょう。
健康食品の法的区分
日本における健康食品はよく以下の表が使用されます。
ではベトナムではどのように定義されるのでしょうか。まず日本同様食と医に分かれます。ベトナムの食品の分類定義は以下の7つです。
①生鮮食品・・・加工されていない食品(生肉、卵、水産物など)
②微量栄養素強化食品・・・ビタミンミネラルなどの欠乏予防・栄養状態の改善を目的に補充される食品
③機能性食品・・・身体機能を補助し、免疫を向上・疾病リスクを低減する目的で使用される食品
④遺伝子組み換え食品・・・遺伝子組み換えされた成分を含む食品
⑤放射能照射食品・・・変質防止のため放射能を照射された食品
⑥ストリートフード・・・屋台露店で販売されるその場で喫食可能な食品
⑦包装食品・・・包装表示された食品でそのまま食べるorさらに調理することを目的に市販される
②と③ですが、「基本栄養の不足を補うもの」と「疾病予防の食品」で分かれているのが面白いです。食品で疾病予防を目的にできるあたり、医食同源の考えが法律に根付いてるのかも知れませんね。(お隣中国ですし)
余談ですがストリートフードという区分も面白いですね。屋台や外で売られる食品も多いので区分されるのでしょうか。また放射能照射食品という区分も面白い。ネットで調べると冷凍魚介類の殺菌処理に使われるようです。
では、ここからは③の健康食品にフォーカスしてみていきましょう。
③の機能性食品はさらに以下のように区分されます。
③−1補助食品 ビタミネ、アミノ酸、酵素、プロバイオなどの
健康へ有用な成分を添加する食品のこと
③−2保健用食品 健康と免疫の向上に資する食品
a)ビタミネ、アミノ酸、酵素、プロバイオなど
b)抽出や分離した動植物などの、天然生理活性物質
※形状として錠剤、顆粒、ジェル、ペレットなど
③−3医療食品 医師監視のもと使用される
患者の食事調整として指定される食品
③−4特殊用途食品 摂取者の身体状態、疾病などに対して使用される食品
日本で言うところの、①が明らか食品、②がサプリ粒など、③が治療中に使用される食品④がトクホの特別用途食品(病者用)といったところでしょうか。
これらについては販売においての申請フローや必要書類が異なるようです。
そこは興味が湧いたらまた書こうと思います。
そんなベトナムの健康食品事情ですが面白いのはここから。
異文化理解を含めた消費者嗜好です。
ベトナムの現地特有の健康悩み
健康食品の市場環境
まずベトナムの市場環境ですが、先ほどの③−2の保健用食品(サプリなど)の市場は増加傾向にあります。21年で75億ドルなので、日本円換算だと1兆円規模です。日本は健食と合わせて1兆超えなのでかなり規模感が大きいです。サプリ利用率にも違いがありそう。
現地特有の健康悩み
そんな健康食品・サプリメントに対しての期待する効能はどんなものがあるのでしょうか。簡単にデスクリサーチを元にして作成されたものが以下になります。
こちらで、日本と比較して特徴的なものが、
●生活習慣病悩みに対して30代から顕在化
●全体的に心疾患系悩み(生活習慣病関連)が多い
●若年は基礎栄養、特に「美」関連の素材多い
生活習慣病・心疾患周りについて調べてみると、そもそも炭水化物中心の食文化であることや、バイク文化による環境汚染などの影響が大きいみたいです。北のハノイは空気が悪く世界でも上位にランクインするそうです。
サプリメントで魚油やスピルリナ・フコイダンなどが売られているのも、心疾患系・癌などの予防に効くという情報と紐づいてそうですね。
また「美」についてはベトナムは紫外線や乾燥の影響も大きいことからコラーゲンなどの美容食品が特に若い人に愛されています。
ベトナムは女性の社会進出が世界で最も進んでると言われており、働く上での身なりの整えなどの意識も上記の対処行動につながるのかもしれません。
またベトナムの民族衣装「アオザイ」は世界で最も美しい民族衣装とも言われており、こういった文化形成からも潜在的な「美」への意識・行動は生まれているのかも知れませんね。
現地の健康食品では「コラーゲン」「エラスチン」などが広がっているのと若年層で基礎栄養が定着していることからも、「美」への意識は高いと考えられます。
おわりに
今回は、ベトナムの健康食品周りについて簡単に書いてみました。
書いていて感じたことが、日本と比べて大気汚染やインフラ未整備によるバイク文化など、外的環境により健康悩みが引き起こされているのが印象的でした。
あらためて日本は住みやすい国だなぁと感じたのと、こういった違いにビジネスのチャンスが隠れているのでは?と感じました。特にベトナムはASEANの中でも日本へのイメージが良いとされているため単純に現地展開するだけでなく、現地特有の問題に着目してビジネスをできればまだまだ可能性はたくさんあるなと感じました。
海外ビジネス、機会があれば是非関わってみたいところですね。
それではまた。 Hẹn gặp lại🇻🇳
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