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好きな男はそう簡単に私にデレたりなんかしない
友達曰く「1dayのコンタクトを2週間つけた時に見たら横浜流星」という、私の好きな、同期入社の男の話。ご好評につきその2。
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飲み会で私が「好きな人の前ではMになる」と言った直後、「俺は好きな人の前ではSになる」と言い放ち、私へのクリーンヒットを決めたこのあざとい男とは、相変わらずイイ感じである。
好きな男の手のひらの上で転がされまくっている私は、夏を迎えた今、完全に浮かれきっている。
好きな男は他の同期から向けられるからかいを、本当に上手にかわす。
周りから「お前らふたりいい感じだね」と言われれば「そう見える?」と微笑み、「お前らもう出来てるの?」と弄られれば「そうそう出来てる」とあっけなく返す。
私との関係を否定することもせず、至って冷静なまま、相手とノリを合わせることに好きな男は長けている。コミュ力で言えば若槻千夏と張り合える。
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さて、嬉しいことに好きな男と出かけたり、飲みに行ったりすることが以前より増えた。
が、好きな男は歩くのが早い。すぐに私を置いていく。私はそれを引き止めたりしないし、別に追いつこうともしない。
好きな男は私が追いついていないのに気づくと「ごめんごめん」と困った顔をして、でもへらへらと笑いながら戻ってくる。
そして毎回「飼っている犬はこの速度で歩くから」とお決まりの言い訳をする。好きな男に超大型ゴールデンレトリバーと歩く速度を比較される女は、日本中探してもそう居ないはず。アメリカあたりにはそれなりに居そうだけど。
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アメリカの男がどうかは知らないが、私の好きな男場合、謝ってきた5分後には、また超大型犬に合わせたペースでスタスタと歩きだしてしまう。そして再び私が大好きな、あの困った顔をして、ヘラヘラと謝りながら戻ってくる。
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寧ろお前のその謝り方とその顔が好きすぎるからこれからも変わらないでいて欲しいと思いつつ、それが素直に言えない私はそこまで怒ってないのに怒ったふりをしてしまう。
とはいえ、好きな男はそう簡単に私にデレたりなんかしない。周囲のからかいに対しては若槻千夏スタイルで華麗にかわすから男の本心は一生見えないままだし、2人きりになったとて私への気持ちをアピールしてくることもない。
しかし好きな男が、別の場所から私のいる飲み会に急遽向かうことになった際、私に会いに行かないとね、と冗談混じりに他の同期に言ったらしい。
普段は若槻千夏スタイルで本心を見せないくせに、何を思ってその瞬間だけ自ら周囲にデレを発揮したのかは分からない。
分からないけど、本来聞けるはずもなかった好きな男の貴重なデレを、同期からこっそりと教えてもらい、思わずニチャニチャしてしまった。
最後に、好きな男の意外な一面の話。
好きな男を含む数人でカラオケに行った時、私は密かに好きな男の歌声を楽しみにしていた。
しかし、好きな男はなかなかに衝撃的な歌声をしていた。例えるなら、ハリウッドザコシショウがB'zの稲葉を500倍に誇張したような歌い方だった。
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驚きのあまり、私は眠いふりをしてカラオケのソファに横になった。しかし、横になって聴いてみても、好きな男の歌声はザコシ版稲葉のままだった。
かなりショッキングだったため、受け止めるのに数日かかった。しかし、たまたま惚れた男がたまたま超個性的な歌い方をしていて、それをたまたま聴いてしまっただけ。今後一緒にカラオケに行かなければいいだけの話。
これを書いていて、好きな男も私の意外な一面をもう見つけているのかな、だとしたら怖いなと思い、背中がヒヤッとした。
でも、浮かれている今年の夏にはこのくらいの涼しさがちょうど良いアクセントとなるのかもしれない。
また書きます。
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