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「M-1グランプリ」ネタ順と成績のデータまとめてみました

2020年のM-1グランプリも終わりましたね!超面白い番組でした。

そしてマヂカルラブリーさん、優勝おめでとうございます!腹を抱えて笑いました。

「マヂカルラブリーさんのネタは漫才かそうでないか」なんて論争も起こったりしてますが、それについてはとても良いnote記事があったのでご紹介。

もうひとつ、Twitterのタイムラインでよく目にしたのは「ネタ順」に関する言及でした。

「M-1はトップが不利である」という論は、視聴者の我々にもかなり浸透しているのではないでしょうか。

M-1において、ネタ順と成績にはどんな関係があるのか?

とても気になったので、いちお笑いファンとして個人的にデータを収集してまとめてみました!

2001年~2020年に開催されたすべての大会を対象とし、以下のデータについてまとめましたので、結果を見ていきたいと思います!

【1stラウンド】(2001年~2020年の16大会がデータ対象)
 ・ネタ順と平均得点
 ・ネタ順と平均順位
 ・ネタ順と最終決戦の進出確率
【最終決戦】(2002年~2020年の15大会がデータ対象)
 ・ネタ順と平均得票数
 ・ネタ順と優勝確率
【注意事項】
※本記事は簡単なデータ集計にとどまり、深いデータ分析があるわけではありません。
※当記事は事実に基づくデータ集計と考察であり、未来のことに対して予想をする意図はありません。
※ソースはWikipediaで手作業で集計しています。誤りがあったらごめんなさい。
※記事の最後にデータをまとめたスプレッドシートも置いておきます。興味のある方はご確認ください。

【1stラウンド】ネタ順と平均得点

まずは、ネタ順と平均得点の関係についてみていきましょう。

2001年は1000点満点、2015年は900点満点、2016年は500点満点でしたが、その他すべての回が700点満点で実施されています。よって、イメージがつきやすいよう各回で平均得点率を算出し700点満点に換算したもので表示しています。

グラフはこちら。

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ネタ順1~3番目については、明らかに得点が低いですね。これを見る限りやはり、序盤は不利なのかもしれません。

「トップが不利」とはよく言われていますが、2番目・3番目も同じくらい得点が伸びていないということがわかりました。

それに対して、4番目以降は高めの点数が出ていることがわかります。

6番目、7番目が少しだけへこんでいることも面白いですね。

4~5番目までにひとつの盛り上がりの山が来て、一度落ち着いてからトリに向かってもう一度盛り上がる、という構図があるように見えます。

※なおM-1は全9組で行った回(2002年~2010年と2015年~2016年の11回)と、全10組で行った回(2001年と2017~2020年の5回)があるため、トリが9番目と10番目の回が混在しています。

【1stラウンド】ネタ順と平均順位

もう少し各回ごとの相対要素が高い、順位についても見てみましょう。

グラフはこちら。

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1stラウンドは全9組か10組ですので、4.8~5.5くらいが平均的。ここから離れるほど偏りが強いということになります。

やはり、ネタ順1~3番目は平均順位も高い(=成績が悪い)ですね。ここまでを引くと、厳しい戦いを強いられるということかもしれません。

低い(=成績が良い)方で目立つのは、5番目、9番目、10番目ですね。

5番目は前後の4番目、6番目に比べて急にへこんでますね。やはりこのあたりに、中盤の盛り上がりのピークが一度あるように見えます。2020年で言うと5番目は「おいでやすこが」さんでしたね。

特に9番目の平均順位が低いのは、2003年~2010年と2015年~2016年にて敗者復活出場者のネタ順がトリ(9番目)に固定されていたことが背景にあるかもしれません。

全体としては、なだらかに数字が減っていく傾向が見られます。漠然と持っている「トップ不利、後半有利」というイメージは合っていそうですね。

【1stラウンド】ネタ順と最終決戦進出確率

最終決戦進出、つまり「得点で3位以内に入る」確率ということになります。(2001年のみ最終決戦進出は2組でしたが、データを合わせるため3位以内で集計してます)

グラフはこちら。

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9~10組のうち3位以内ですから、30.0%~33.3%くらいだと平均的な確率となります。

まず目を引くのは、9番目、10番目がダントツで高いところですね。驚異の60%以上。やはりトリ・トリ前は有利なのかもしれません。

4~6番目はそこそこですね。平均的な確率を上回っているため、いい順番だと言えそうです。

1~3番目が特に低いのは先ほどまでのデータからもからも同様。改めて厳しい順番であることが見えます。

そして気になるのは7,8番目の低さ。一般的には「理想的なネタ順」と思われていそうなこのあたりで、非常に低くなっています。

このあたりは、中盤で一度盛り上がった後の谷間、という感じになってしまうのかもしれません。

全体の傾向として、1~3番目、4~6番目、7~8番目、9~10番目と連続した数組で同程度の確率グループを形成しているのも非常に面白いですね。やっぱり流れってあるんだなあと思わされます。

【最終決戦】ネタ順と平均得票数

次は最終決戦のデータです。

最終決戦の審査は、進出した3組のうち審査員がそれぞれ1組を選んで投票する形式です。(2001年は最終決戦進出が2組でしたので、データから除外しています)

2015年は審査員が9名、2016年は審査員が5名でしたが、その他の年はすべて7名でしたので、各回で平均得票数を算出し満票を7票に換算したもので表示しています。

グラフはこちら。

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ネタ順3番目(=トリ)の得票数が圧倒的に多いですね!

背景として、最終決戦に進出した3組のネタ順は、1stラウンドの順位が良かった出場者から順に指名していく形式となっています。

そのためこれまでの事例でも、成績順にほぼ3番目→2番目→1番目と選ばれていきます(2004年以前のM-1は抽選でネタ順決定でした)。

やはり、1stラウンドで1位をとった組が自分たちの流れをつくり、そのまま最終決戦でも多く票数を獲得する、という事例が多いことがうかがえます。

最終決戦でもネタ順1番目は一番得票数が少なく、ここでも「トップは不利」ということが言えるのかもしれません。

【最終決戦】ネタ順と優勝確率

では、優勝の確率はどうでしょうか。

グラフはこちら。

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ネタ順3番目が優勝する確率は50%を超えているということがわかりました。

これを多いととるか、少ないととるかは自由ですが、やはり1stラウンドの結果は最終決戦にも大きく影響を与えていると言えるでしょう。

おわりに

なんとなくまとめると以下のような感じでしょうか。

【1stラウンド】
 ・全体的にはネタ順後半の方が成績が良い傾向
 ・ネタ順1~3番目はかなり成績が低い
 ・中盤に1回、終盤に1回と盛り上がりの山が2回くる傾向がある
 ・ネタ順5番目は意外とアツい
 ・ネタ順7,8番目は意外とあぶない
 ・トリは一番アツい
【最終決戦】
 ・ネタ順は後のほうが明確に成績が良い
 ・トリの優勝確率は5割を少し超えている
 ・1stラウンドで高い順位をとることがやはり重要

いかがだったでしょうか。

「ネタ順」という切り口ひとつでも、こんなに考えることができるんですね。M-1ってつくづく面白い。

個人的には、M-1は2001年大会からず~っと見ている大好きな大会なので、作っていて非常に楽しい記事になりました!

最後に、こちらのデータを集計したスプレッドシートも公開しておきますので、気になる方はチェックしてみてください。(休止明けの2015年以降だけで集計したデータもあります)

「こんな考察もできるぞ!」という方は、ぜひこのnoteのコメント欄にて教えていただけると嬉しいです!

それではみなさまごきげんよう、おつプレイド✋

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