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バリキャリとゆるキャリの狭間にいた私が考える、女性の自立とエンパワメントについて。

最近ふと、私はなぜ新卒で地元の銀行に入ったのだろうかと自問自答する瞬間があった。

今となれば割と仕事は好きな方である自覚はあって、仕事とプライベートの垣根がなくワークアズライフ的な感じで生きているのだが、学生の頃は「いかにブラック企業に入らないようにするか」ばかり考えていたことを思い出した。

かといって全く頑張りたくないというわけでもないという複雑な生き物で、ミーハー心もありいわゆる「就職人気ランキングTOP100」の中でも、ホワイトに働けそうな会社を上から順番に受けていくような「バリキャリ」と「ゆるキャリ」の狭間にいる系女子(笑)だった。

今の私が当時学生の私を見たら「もっと振り切った方が生きやすいのに」とアドバイスすると思う。ただ、当時はそのバリキャリとされるゾーンに踏み出す勇気や覚悟が持てなかった。

それはなぜだったのだろうか。

・女の子はそんなにガツガツ働かなくていい
・20代で結婚して出産するんだから、残業のない両立しやすい環境がいい

こういった無意識に幼い頃から刷り込まれてきた価値観や声が影響しているのかもしれない。
そして少なからず学生だった私は、それを「自分の場合はどうなのか」と置き換えて考えることをせず、「世間がそう言うのだから、そうなのだろう」と流されるように意思決定していたのだと思う。

また、「女の子はガツガツ働かなくてもいい」という声がいつの間にか「私にはガツガツ働けるほどの器も体力も気力もない」というネガティヴバイアスにすり替わっていて、一生懸命働く女子を自分とは遠いものに感じていた。

つまり言いたいことは、こういったなんとなく漂う「女性は別に頑張らなくてもいい」という空気が、女性の可能性を奪っていることもあるということだ。

また銀行に入っても違った角度の違和感があった。
私は地元の銀行の総合職として入行して、当時まだ銀行の女性総合職といえば、同期40人のうち10人も満たない数で、それはそれは大事に育てていただいた。支店長も初めての女性総合職の配属ということで大喜びだった。

ただそこで直面したのは

・女の子なのに営業して偉いねぇ
・岡は19時で帰ってええよ

という言葉だった。
私からすれば、別に「女性だ」と特別扱いしてほしくてそのチョイスをしたわけではないのに。前提、当時周囲にいた人たちには1ミリも悪気がなかったとは思っている。それでも自分への期待値が低いこと、フェアではないことに違和感があった。

営業の成績を褒められるのではなく、営業をしていることを褒められる違和感。

「残業はしなくていい」と望んでもない守られ方をすること。

男性先輩社員は営業成績で怒られているのに、私だけ何をやっても怒られない「腫れ物を触る」ような扱い。

何度も「そんなに気を遣われなくても、大丈夫っす」と言いたくなった。
今思えば、「女性(女の子)なのにすごい」と言われることよりも「1人の人間」として見てほしかったのだろうと思う。

前提、家庭も職場も「女の子だから」と大事に大事に育てようとしてくださったことは心の底から感謝しているが、過剰な甘やかしというか、過保護は、時に女性の自立と可能性を奪うこともあるということを振り返って感じている。

そして女性側もその漂う「頑張らなくても良い空気」に乗っかるのではなくて、自分にセンターピンを当てて「どうしたいのか」考えて、自分で選ぶ必要があると思う。自分で選んだなら、選んだ後は他人がとやかくいうことではない。

結局私が2年で銀行を辞めたのは、自分の適性とのミスマッチ(壊滅的に事務作業が苦手など。笑)、もちろん自分の至らなさもある。
だけど、この守られすぎた環境に居続けて私は大丈夫なのか。
これからこの社会の荒波のなかで私はちゃんと生きていけるのか。
そういった自問自答を経て閉塞感や不安があったのも事実だった。

また出産などのライフイベントを迎える時もそう。

・出産したら仕事できなくなるよ
・育児、めっちゃ大変だからね

この謎の出産・育児に対するネガティブな同調圧力にも辟易した。
結論、これに該当するかは、生まれてくる子供の特性や女性自身のキャリアの考え方・キャパシティ、パートナー含む周囲の協力具合による。と個人的には思う。

なんとなく漂う「大変」「できない」「無理」という声に萎縮して、能力や可能性があるにも関わらず、ライフイベント前後でキャリアにブレーキをかける女性もたくさん見てきた。

結局、「自分はどうしたいのか」のセンターピンと、そこに頑張ろうとする女性に「大変」「できない」「無理」ではなく、「どうやったらできるのか」という新しいロールや解を提示できる世の中になったらいいなと思う。

本当の意味で女性をエンパワメントするということは、「女性だから」と守りすぎるのではなく、自立を促し、自分で考え、道を決めて人生を動かせる人を増やすことなのではないかと思っている。

また、できない前提ではなく、「どうやったらできるのか」を自問自答し、新しく道を開き、輝いている女性がもっとスポットライトを浴びるようになったらいいなと思うこの頃。



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