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C32感謝する日曜日

1979年当時、日本の休日は日曜だけで、土曜日は半ドンでした。しかし、イギリスでは既に週休2日制が導入されており、週末に2日も休める習慣にはまだ慣れていませんでした。そのため、週末が来るたびに大変得をしたような気持ちになっていました。特に土曜日に家事をすべて済ませると、日曜日は完全にフリーになり、心も体もリフレッシュできます。

朝の光がカーテン越しに差し込み、部屋全体が明るくなります。窓の外を見ると、正装した人々が通りを歩いて教会に向かっているのが見えます。イギリスでは日曜日は教会に行く日であり、キリスト教を信じている人々にとっては重要な日です。この光景を見ると、宗教的な価値観の差を肌で感じることができました。

一方、スペイン人もどきのジェームズはと言えば、案の定、彼には神を信じる心はないようで、日曜日に昼近くまで寝ているぐうたらな生活を送っていました。向かいの寝室のドアが開け放たれたまま、彼の緊張感のない寝顔を見ると、彼が今までどのような人生を送ってきたのかと、人ごとながら情けなく感じました。

イギリスでも教会離れ、宗教離れが進んでいることをドラッグストアのおばちゃんから聞いたことを思い出しました。若い人ほど無信教が増えているとのことです。無信教は日本だけの問題ではなく、世界的な現象なのだと改めて感じました。とはいえ、私自身も熱心な仏教徒ではないのですが。

不安だったジェームズとの同居生活も、こちらが意識的に距離を持って接すれば何とかやっていけそうな雰囲気になってきました。私はほとんど自分の寝室で静かに日曜日を過ごしました。紅茶を飲み、クッキーを食べ、洗濯物をたたみ、昼寝をして、まったく平和な休日を過ごすことができました。これもやはり神様に感謝すべきことかもしれません。Thanks God for Sunday!

補足情報: イングランドで教会離れが進む原因

イングランドで教会離れが進んでいる原因は複数あります。まず、都市化と生活の多様化が挙げられます。現代の生活は忙しく、仕事や家庭の責任が増える中で、日曜日に教会に行く時間を確保するのが難しくなっています。

次に、社会の世俗化も大きな要因です。科学技術の進歩や教育の普及により、宗教に対する見方が変わり、宗教的な信仰が薄れてきています。特に若い世代は、宗教に対する関心が低くなっていると言われています。

さらに、教会自体の問題もあります。教会が現代社会のニーズに応えられていないことや、教義が時代に合わなくなっていることが指摘されています。また、教会のスキャンダルや腐敗が信者の信頼を失わせる要因となっています。

これらの要因が重なり、イングランドでは教会離れが進んでいます。しかし、地域によってはまだ教会がコミュニティの中心として機能している場所もあり、完全に宗教が消え去ることはないでしょう。

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