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ざんねんなどくたー

ざんねんないきもの事典」という本が話題になっていたのも記憶に新しい。

この事典に出てくるざんねんないきものたちは、どこか愛嬌がある。
ざんねんでもええやないかと思える。
ざんねんこそ魅力ではないか!なんて言ってあげられる。

ただ・・・医療の現場で、ざんねんな医療従事者は、ざんねんではすまない場合が多い。
命を預かっているから。

ざんねんななーすもいると思う。
私だって、いつなんどき〝ざんねん〟になりかねない。
自分のことはすっかり棚にあげてざんねんなどくたーについてちょっとだけ書いてみる。
愚痴にならないように書いてみよう(笑)

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私の中ランキングでざんねんなどくたー堂々1位になっているクリニックがある。

普段むかついたりしない私も時にはむかつく(笑)

このクリニックのどくたーたちがざんねんなのは今に始まった事ではない。
開院当初は、がんばって欲しくて、お客さまをどんどん紹介していた。
どくたーたちも初めての在宅の仕事で最初は、お客さんも少なかったから普通のクリニックのようにやってくれていたと思う。

しかし・・・ここ数年はざんねんすぎる!
あまりにもざんねん

昨日もそうだった。
早朝に90歳代のお客さまの娘様から「呼吸を苦しがっていて・・・」とお電話があった。よく話を聞くと私たちの前にどくたーに電話をしたようだ。
すると、電話に出たどくたーが「主治医に伝えておきます」というので「先生は今来てくれないんですか?」と娘さんが言うと「日中に行くので」と言われ電話を切られたと。

そんなことってあるかーい!
それで不安になった娘様が訪問看護の緊急電話に電話をかけてくれたと言う流れだった。救急搬送する状態ではなさそうだったのでとりあえず「急いで私が向かいますね。」と言った。
そのざんねんなどくたーよりははるかに早く着きますので・・・こんなどくたーで不安にさせてごめんなさいと言う気持ちで布団から飛び起きた。

このお客さまは、このクリニックを通して何度もざんねんな目に遭っているのでクリニックを変えようと言う提案を何度かしてきた。それでもなんだか悪いからと言う気持ちもあるようで大丈夫ですと言われる。
つまりお客かまが我慢されている。

結局、訪問した時には呼吸は落ち着いていたけどいつもなら動いた時だけしんどかったのが、ベッドに寝ている時も呼吸が苦しくなりとても不安だったようだ。

前日にはどくたーは訪問してくれていた・・・けどもだ!そんなことは在宅医療では関係ない。そういうことじゃない。

また、症状が出て辛い状態であれば、症状が落ち着くまでなんらかの処置あるいは入院などの手続きをしていく責任はあると思う。

訪問したことをざんねんなどくたーに報告すると「あー、訪問したんだー。ま、日中に行くんで」と。

軽っ・・・軽すぎる。
綿毛くらいの軽さだけど、同じ軽さ呼ばわりされたら綿毛にも失礼。

これまで「ありがとう」と言われたことないよねぇと身内では言っている。
今回も当然、そんな感じだ。
あ・・・別に行かなくてもいいのに行ったんだ・・・みたいなニュアンスだろうか。

私の訪問中、呼吸困難感はなかった。「あれだけ辛そうだったのに看護師さんの顔見たら普通の呼吸になっているんじゃないのよ。顔見て安心したのかなぁ」と娘様は言われた。

精神的なことだけではなく、当然、このお客様の場合、器質的な原因ももちろんあると思う。
それでもちゃんと顔を見て話したり、体に触れたり・・・こういうことが大切だと思っている。

1000歩譲って、直ぐに訪問しない選択をよしとしても、もうちょっとお客さまを不安にさせない言葉は掛けれなかったのだろうか。全てざんねん
   
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このお客さまの時には、他にも何回かあったけどある時は、夜間呼吸困難感で緊急訪問し、すぐにでも救急搬送をした方がいいのではないかと言う状態だった。

この為、ざんねんクリニックに電話したら当直のどくたーを向かわせると言ったものの1時間経っても一向に来ない。何度か電話したけど来ない。

救急車を呼んでもいいかを問うと、着くから待ってという。

数時間経ってようやくめちゃ若ーいざんねんなどくたーが到着。
道に迷ったとかどうとか・・・ぼそっと言われた。
あり得ない。
道に迷うような場所ではない。

色々と細やかに体を調べていた。
いやいや今は、そんなに丁寧に診察している場合じゃないくらい急ぎやで!と思った。
そのざんねんなどくたーも救急搬送が必要だとは判断できたようだった。

でも、ここからが問題で自分の大学の病院に救急をお願いしたら、大して押してもいないのに○○先生忙しいですよね、難しいですよねと私情の気遣いを挿み、お客さまではなく大学病院の先生の都合を気遣い、受診を翌日に後回しにした。
私たちが食い下がっても無理だった。

当然、翌日に即入院となった。

因みに翌日、ざんねんクリニックにうちの所長が電話した。おたくのアルバイト?のめちゃ若いどくたーが数時間もお客さまを待たせましたよというのを報告のついでにやんわり言っていたが、スルーだったらしい。

私達も勿論、数時間待ったけど、お客さまとご家族は、辛い状況でその数時間をまだかまだかと待っていた。
それがどういうことかわからないって…。

このお客さまは、こんな沢山のざんねんを経験されているのに我慢されていることが

ただただ申し訳ない。

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このざんねんなは、これまでにも色々あり、がんのターミナルのお客さまの時にも症状コントロールをちゃんとしてくれず、ご家族からの不信感が募ってしまったことがあった。

在宅での看取りを覚悟して病院から連れて帰ってきたご家族からしたら「これが在宅医療っていうものなのですか?」と言われるのも当然だと思う。

他にも在宅での看取りの予定でもよく話も聞かないで病院に搬送してしまったり・・・。一緒にチームを組んでいるかんごしやケアマネージャーに相談していくということを全くしないざんねん感。

こういうざんねんクリニックは、ざんねんなことばかり続いていく。
以前記事で紹介したこちらの時にもざんねんなどくたーが主治医だった。

前日、初回で訪問し、こちらから情報も共有して一緒に看取ろう!と言う感じだったのにも関わらず、翌朝、救急搬送してこちらには連絡も一切なく。

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とにかく、どくたーだけでお客さまを診ていると思っている感じしかしない。
横の連携をほぼしないクリニック。

当然このようなざんねんなところには新規のお客さまの紹介はすることもなくなる。
それはお客さまが気の毒になるのがわかっているから。

過去にもざんねんなどくたーがいた。
そのどくたーのクリニックは経営不振で去ってしまった。
きっとざんねんなのは、私たちだけが思うことではなく、みんなが感じることなので横の連携を大切にできいない人たちはこのようになってしまうのは致し方ない。

クチコミをなめたらあかん。なめたらあかーん♪
人の口を伝って自分に返ってくるのだから。

早く気づけたらいいのにねと最初は願っていた。
でもこれだけ続くと、この先何が起こってもそれも彼らの学びと思える。

おまけとして、
また別のクリニックなのだけど、
夜間だけは、アルバイトのどくたーを雇っているところもある。

がんのターミナルの方にずっと丁寧に関わってくれていたクリニックだった。

それなのに、看取りの当日、死亡診断の為に訪れたどくたーがあまりにもざんねん
悪気がないのは顔を見たらわかる。
めちゃくちゃニコニコしてやってきた若いどくたーだった。ニコニコしなさいと学んだかもしれない、しかし、今は、その時ではない!と心の中で叫んだ。

横には渋谷の繁華街からそのまま連れてきたような若いざんねんななーすがいた。

この2人が来た途端に空気が変わった。
悪気はなさそうだけど、明らかに場違いな2人。

ここは、そーゆーシーンと違うのよ…とほほ。

このクリニックに限らず、看取りの大切な場に何も知らないどくたーが来ることは、結構ある。

どくたーも休まなきゃいけないからそのシステムは充分理解できる。
けど、どんなどくたーを送り込むかは、是非吟味して欲しい。

このお客さまのこれまでのストーリーは、共有、申し送りした上で来て欲しい。
じゃないとご家族に何の言葉も掛けず、死亡診断書だけ書いていつの間にか帰ってる。

あれ?先生は?となる。

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ざんねんなどくたー達は、なぜざんねんだったのかを考えてみた。

みんな何を見ているのか…

この人に誠意はあるのか?

愛はあるのか?そこに愛はあるんか?だ。

そんなことを見ているんだと思う。
どんな仕事でも。

逆に良い行いもちゃんと返ってくる仕組みに世の中は成っている。

自分のざんねんな
すっかり棚にあげた状態で今回は書いてみた。
人のフリ見て我がフリ直します。









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