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『キャラ濃いめの人』は忘れられない?

自転車に乗っていたら、前に70歳代と思しき男性が自転車に乗っていた。
帽子(キャスケット)の上に毛糸のポンポンがついていてアニメキャラクターが、どデカく描かれた可愛いハイソックスを履いていた。そのポンポンは、絶対、後付けで付けましたよね?というポンポンだった。
知らない人だけど結構なインパクト。


翌日も同じ人を見掛けた。「うわっ、また見つけた!」とモグラ叩きのかわいいモグラを見つけた感じかアイスキャンディーの当たり棒を見つけた感じだろうか。
またあの後付けのポンポン帽子を被っていたけど、今度は、短めのソックスに鮮やかな色でガチャガチャしたシューズを履いていた。昨日と違うけど、また、今日のコーディネートを見れたことのお得感もあった。

自転車を漕いでいる一生懸命な感じを目で追ってしまった。なんか知らんけど突き抜けてるアンバランスがいい!

キャラ濃いと何故かこんな風に忘れられない存在になっていくんだよねぇと思ったので、今日はそんなこんなでキャラ濃い人たちのことをちょっとだけ書いてみることにした。

患者さん、お客さん・・・本当に沢山の人たちに出会ってきたけどキャラ濃いめの人は、数十年経ってもすぐに思い出せる。昨日のことのように。

スケベなじーちゃん達は、フルネームでもすぐに言える(笑)
今の時代ならセクハラで訴えられていたかもしれないな。

30歳代の頃、2人のじーちゃんから嫁になってくれと言われた。目も悪かったのだろう(笑)。1人の大黒さんのようなじーちゃんに面談室へ呼び出された。それまでは、キャラ濃いとは思わなかった。そして、おもむろに病衣のポケットから札束を取り出し、面談室のテーブルにドーンと置いた。前金で30万!と言われた。

「へっ?」この時の前金の意味が未だわからない。いい暮らしをさせてあげると言われた。「ばーさんには内緒で」と。ばーさんに内緒では嫁にいけない。と、別に30万ってこれくらいの厚さなのかぁとしばし眺めて30万にお別れをした。
今、思うといい暮らしをさせてもらうのも良かったのかなぁ(笑)

注釈:このストーリーを書いた後、コメントで、にみりさんに私は「美人」という勘違いをさせてしまいましたので、ハードルが上がらないよう言っておきます。藁が付いた牛のう○○💩みたい感じをイメージして頂ければと思います。ホントに(笑)

また別のじーちゃん。
ナースコールを押しまくり、マッサージを希望する寂しがり屋のかまってじーちゃんも忘れられない。あまりにもナースコールを押すのでみんなはナースコールに出たがらなくなっていた。夜勤の時にも連打していた。感染症のある方だったので部屋に入る度にガウン・マスクなどが必要になることも大変な一つではあった。私は、不思議と嫌ではなくて、むしろ開き直って「はいはい、全部行きましょう!」と思った。

しまいには、「にゃむさん、来てー」と指名のナースコールが続き私がずっと呼ばれた。
あそことここと・・・痛いから揉んでと。
とても忙しい病棟だったけどできる限りのことはしたいと思った。
そんなじーちゃんが亡くなった時には本当に寂しかった。
今でもこうやってすぐに思い出してしまう。

新卒の時の脳外科で出会ったみのもんたさんをかっこよくしたようなおっちゃん。
前頭葉の障がいの影響もあったようで理性がきかなくなり、いつも中指を立ててエロおっちゃんとなっていた。

車椅子に乗った股間には常に尿器が入っていて、上からバスタオルがかけられていた。(新卒の時だったので、そういうものなのかと思っていたけど、今、考えるともっと他にやりかたはあったなぁと思う)

歯磨きを嫌がっていたけど黄色い歯で齲歯が1本もなかったとか・・・奥さんは、看護師さんで娘さんもいた…とか、そんな細かいことまで覚えているもんだ。30年以上前のことなのにちゃんとフルネームで覚えている。

でも本当に憎めない人だった。


そして・・・

93歳で亡くなった我が祖母もめちゃくちゃキャラ濃い1人だった。
うちの母の母とは思えないほど人の悪口をよくいう人だった。
しかも、そんなに言わんでもいいやんと言うくらい、すごく嫌そうに言っていた。
私たちが買ったものや話題にしていたものをちゃんと見聞きしていて、次に会った時にはこっそり同じものを買っていた。
「近所の○○さんは杖をついているのに私はまだ杖は必要ないねん。あの人、私の3つも下やで」と言うのが90歳代最高の自慢話だった。
最期の入院の時にも「あの看護師さん嫌いやねん。やることが、ほんま下手くそやねん」とズケズケ言う人だった。看護師さん達も大変だったと思う。
そんな祖母だけど、私の中では、もう一度会いたい人のダントツ1位に輝いている。

今回、書いたのはほんの一部・・・。

すごくいい人!の方が忘れられないような気がするのに、どちらかと言えば忘れられないのはキャラ濃い目の人・・・。

ちょっとズルい。

その時は、色々な思いもあるのだけど通り過ぎてみれば愛すべき人たち。


どうせそんな風に後で思うなら目の前にその人がいる時から愛すべき存在として受け入れた方がずっといい関係になれると今は思っている。

看護師人生も終盤になってからこのnoteを書き始めているわけだけど、色んな人たちとの出会いを自分の中で忘れたくないなぁという思いもあった。
忘れてしまうのが勿体無い出会いばかりだから書き留めたかった。


忘れてないからね〜と言うことも感謝を込めて伝えたい気持ちもある。

彼らが居てくれて今の私が在る。






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