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【完結】羽倉茶葉店

こちらでもたびたび宣伝させていただいておりました「羽倉茶葉店~癒しの紅茶と魔法のセラピー~」が、今日をもって完結となりました。
これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

最初から最後まで、ずっと紅茶の勉強をして、資料を収集しながらの執筆でした。
とても楽しく、そして好きなようにのびのびと(やりすぎないように)、書けた作品でした。
登場人物たちも同様に、こちらの思ってもいないことを言いだしたり、時には暴走したりと、とても生き生きしていました。
最終的には初期の構想通り、ハッピーエンドにできたので、ほっとしております。

さて、ここから先は本編読破済みの方向けの、自己満足的な解説になります。
ネタバレ満載ですので、まだ読んでいない方は、先に本編を読んでからお読みください。


まずは森脇について。
ひとつだけ、乙女にはっきりとは知らされていない、隠されている事実があります。「誰を好きだったのか」ということです。
それは彼の活躍する「フェアリーストレス症候群」に出てくる常連客の女性、藤山さんが「ハルシネイションセラピー」の2話で同性愛者であることが判明したことから、おのずと結論が導き出される仕様になっています。
でも、実は「モールに住む神様」の時に、森脇は無意識に答えを言っちゃってるんですよね。
乙女が気付いていないだけで、そういうことだったのです。

お次は「道草する遡行者」にて明かされた、未来について。
あの時に宵田が興味深そうにしていましたが、実を言うと、このエピソードで明かされた未来の三分の一ほどが、実現され(ることになっ)ています。
それは主に宵田のことなのですが、彼はゆくゆくは研究者としての道を歩むんですね。
そして羽倉茶葉店を継ぐ「息子」の存在。あれは誰でもない「悟」のことです。見た目の特徴も一致していますので、よければ「道草する遡行者」を読み返してみてください。
また、今後、悟が羽倉の養子となるか否か、というのはご想像にお任せします。

そして乙女と羽倉が「ツインソウル」だという事実。
この設定、実は構想の中にはありませんでした。高山が勝手に言い出したことです。でも、そうであったらおもしろいなと思い、「ツインソウルと終わらない物語」が出来ました。
また、この辺りのエピソードから、いずれも最終話のつもりで書いております。

最後に……短期間ではありますが、「平行世界の片隅」で登場した小坂さんが、羽倉茶葉店で働くことになっています。
パラレルワールドでは森脇が死んでいましたが、今後、彼女は彼とともに働くことになります。
つまり、これもパラレルワールド。
実はすべてのエピソードがパラレルワールド、と言っても過言ではありません。
乙女ではなく斎川が、あのカフェを継いだ世界も想像できます。
真木が羽倉茶葉店へ戻らずに会社勤めを続ける世界や、宵田が東京へ残っている世界も。

これは、そんなひとつのパラレルワールドを描いた物語なのでした。

もちろん、こんな難しいことは考えなくてかまいません。
読んだそのままを、自分の心が感じ取ったままにしてください。
でも、もしもスピリチュアルに興味が沸いたら、紅茶を飲みながらwikipediaでも読んでみると、おもしろいかもしれませんね。

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