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「書く」「伝える」ことの大切さ06

04、05ストーリーで身に付けた事を書いてきましたが、最後は「書く」ということについてです。

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ブランドをローンチした20年以上前、ファッションデザイナーというものは、寡黙で表現したいことを作品に込めるという時代でした。(もちろん今もそういった方はいますが)
そんな私も自分の感情を言葉にするのが苦手なタイプ。
作品を作れば伝わる、良いものを作ればわかってもらえるというスタンスで言葉としての表現はしてこなかったと思います。

コムデギャルソンのデザイナー川久保さんがパタンナーを採用する際、
はらりと落ちたハンカチを見せ「これをパターンに起こしなさい」というのは有名な話し。

デザイナーが投げかけたものを、受け取る側がどう解釈するか、1人1人の創造力が問われた時代でした。

たとえばですが昭和歌謡も同様に思うのです。
最近TVで作詞家の松本隆先生がよく取り沙汰されているのを拝見します。
あくまで私見ですが、その頃の歌詞には比喩が多く、想像を掻き立てる。
先生の作品はまさに受け取る側がどうとでも感じ取れる、そんな歌詞が多いように思います。
そして平成のJ-POPは、単語の時代。
わかりやすいフレーズでストレートに伝える。

歌ではありませんが、今の時代はまさに視覚に訴える時代ではないでしょうか。
一瞬で目に飛び込んでくるカッコイイデザインとコンセプチュアル。
伝える相手が同じ様に感じ、捉えられるよう、分かりやすさが重要視される。
SNSでは、簡単なアプリで同じ様なビジュアルを作り、iphoneのおかげで写真もプロでなくとも綺麗に撮ることが出来る。

ですが、そんなインスタントの時代もここまでではないかと思っています。

次は「言葉の時代」
どれだけ相手に伝えられるか、何をどう思って未来ビジョンを描いているかが、問われる時代になると思い「書く」ということを始めました。

余談ですが、先ほど歌詞を例に話しましたが、ここでも変化があると思います。今売れている歌には、歌詞に力強さがあり、特色があります。
私が好きな髭ダンの歌詞など、久しぶりに深く刺さる。
シチュエーションを想像させる言葉を巧みに紡いでいると思います。
昭和歌謡が好きな若い子もいます。
簡単なフレーズから少し突っ込んだ表現が好きな子が増えていますよね。

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今立ち上げているブランドは、
〖日常を豊かにし、必要とされるモノ〗をコンセプトとして造作しています。
今までとは違う新しい基準でお客様に伝え、売る。
一つ一つにプロダクトストーリーがあり、そこも共感して頂く。
これからの社会に対してのミッションやビジョンを言語化する。
その為には、私自身の言葉で綴らなければと思ったのです。

それからは、色々な文字が目にと飛び込んできました。
雑誌のタイトル、見出し、文章。
本を買っては、文章の書き方を読破。
(ここでは本を購入しましたが、基本はネットに書いてあったことと同じです。やはり買わなくてもよかった…)

すると、面白い面白い!
どちらかといえば右脳を使っていたので、左脳が空っぽすぎたのか、
頭に入るわ入るわ、一つ一つ立ち止まり、調べ考えながら読むことが楽しい。

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文章を書く時は、出来るだけ話し言葉にならないよう、言い換え、類似語、丁寧語など、おかしいなと思う時は必ず調べ書き換える。
今更ですが国語の勉強をしているようです。
昔から私には圧倒的に語彙力が足りない。そう、ボキャブラリーです。
国語が苦手、読書が嫌いだったからなのか、自分が感じている事を言葉として思い浮かべられない。伝えられない。だから、モノを作るという表現に逃げていた。
ですが今思うのです。ただただ言葉を知らなかっただけだと。
言葉に出会い、伝え方を覚えると書くという表現が楽しくなる。

違う脳を使うイマジネーション

今ではアイテムにキャッチコピーが付けられないかと、毎日頭の中はぐるぐると騒ぎ立てています。


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いつでもデザインは出来ます。
いつでもモノは作れます。
しかし今だからこそ、伝える力、表現する力を自分の武器として手にする。

これからは
「比喩をつくり、想像を掻き立たせる人」の時代。
一つのことに固執せず、「色々な分野でマルチにこなせる人」の時代でしょう。

一つ一つ楽しみながら身につけたアイテムをスーツケースに詰め込んで、新しい世界へ出発です。

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このnoteでは私自身のことを知ってもらい、そんな人柄がわかるからこその信頼、安心。私が見ている未来ビジョンをみなさんと共有し紡いでいきたい。
今一度オンラインショップに書いてある言葉を読んで頂ければ幸いです。



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