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愛用後のケア【撥水加工編】16

私たちのプロダクトはご購入後も
お客様の日常のワンストーリーを共に育み
最後までご愛用いただけることを願い
正しいケアを発信していきます。

ITOCIのブランドも1年が経ち、私が実際に使用しているプロダクトが幾つかあります。経過で気づいたこと、メリット、デメリットなどをご報告したいと思います。

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まずは、撥水加工が施されたアイテムについて。

撥水加工については、ご購入頂く前に目を通して頂いているお客様も多いと思います。水ものを玉のように弾くメリットがありますが、やはり使用頻度が多くなれば、ちょこちょこと汚れが目立つようになります。
注意事項として、お洗濯は中性洗剤をご使用頂く様に推奨しています。

撥水-5
まだまだ玉のように弾く状態

が、面倒くさがりの私。

洗濯機で普通の洗濯用洗剤を使用し洗っていました。
さすがに、6〜7回ほど洗濯すると撥水加工の効果が薄まりました。
あちゃーです...。
さらに悪い事にシミはそのままで。

撥水-4
玉は潰れ、奥の方ではシミが着いたまま


というわけで、推奨している中性洗剤を使い手洗いしてみました。
お湯に洗剤を入れて、押し洗い。
落ちないなぁ...。

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中性洗剤とはどんなもの?

中性洗剤とは、一言で言うとおしゃれ着用洗剤です。
ウールやシルクを洗う「やさしい洗剤」になり、いわゆるエマールやアクロンなどを指します。
液性には「酸性」・「中性」・「アルカリ性」という性質があります。おそらく一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。そして中性洗剤は酸性とアルカリ性の中間になります。

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汚れの性質は?

では落ちない「汚れ」は何?となりますよね。食事中の汚れですので、油汚れのシミかもしれません。
汚れには、「皮脂」や「油汚れ」などベトベトしているものが特徴のものは酸性になります。したがって、その反対にあるアルカリ性の洗剤で汚れを中和し落とし易くします。
通常の洗濯用洗剤は弱アルカリ性のものが多く、皮脂汚れを落とす効果は強いのですが、デリケートな衣類ですと傷んでしまう恐れがあります。

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何故汚れが落ちない?

それではなぜ今回の汚れは取れなかった?となります。
我が家では、少し前に洗濯機を買い替えました。
その際に洗剤も液体洗剤に変えたのですが、洗剤の成分までは気にしていませんでした。
洗剤の裏面を見てみると、な、なんと!中性洗剤だったのです!
知りませんでした... 。
(撥水加工は中性洗剤がベターですから、結果的には良かったのですが。)
これでは落ちませんよね。

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洗濯洗剤の成分を調べてみる

折角ですから、家にある洗濯洗剤を調べてみましょう。
以前、洗濯洗剤の中でどれが落ちるかと色々と使いまわしていた時期があり、まだ残っているものがあります。

シャボン玉スノール・・・粉末、無添加→弱アルカリ性

セスキ炭酸ソーダ・・・粉末→弱アルカリ性

7イレブンプライベートブランド・・・液体→中性、界面活性剤50%

今回使用している洗剤
NANOX・・・液体、無添加→中性、界面活性剤57%

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液体洗剤は中性なんですね。(手持ちのものだけいえば)サッと洗い、すすぎの回数を減らす為に、洗浄力を弱くしているのでしょうか。という事は、汚れの強いものは落ちづらいという事になります。

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界面活性剤とは?

一緒に界面活性剤という言葉が書いてあります。
の界面活性剤とは、水と油を混ぜることのできる物質で、油汚れを落とす事に効果的な性質をもっています。この濃度が、皮脂汚れを落とす際に大きく影響します。

今回の液体洗剤の界面活性剤の濃度は高いですね。中性+界面活性剤で汚れを落とすという図式になります。

人や環境にも優しいと言われる洗剤には、界面活性剤が書いてありません。
弱アルカリ性で汚れを落とす洗剤となります。

界面活性剤については、色々と肌への危険性や環境への影響が問題視されていますが、今回は割愛します。

洗剤のことが分かった上で、もう一度洗ってみよう

もう一度シミの部分へ液体洗剤の原液を垂らして、こちょこちょと洗ってみます。



まぁまぁ落ちました。


ここで一つ気になっていた台所洗剤も試してみます。
実は、台所洗剤も中性洗剤が多いのです。油汚れを落としやすいイメージがありますよね。

ここでも原液を少し垂らし、洗ってみます。



泡切れは悪いですが、だいぶ薄くなったのではないでしょうか。

撥水洗濯
左が洗濯洗剤の中性、右が台所洗剤の中性。あきらかに落ちています。


結局のところ…

色々と試した結果、結局のところどれが一番いいのか。
〖汚れが付いた箇所だけ、すぐさま台所洗剤をほんの少し垂らし洗う。
全体を洗うときは、中性洗剤を使用する〗

洗濯機では、弱で洗い、軽めの脱水のほうがシワが伸びやすいです。
そして洗濯後は必ずパッパッと、シワを伸ばして干してください。
シワが残った状態で乾いてしまうと、その後アイロン掛けが大変です。
薄い生地は数時間で乾いてしまいますが、できれば半渇き状態でアイロンを掛けて頂きますと、撥水加工の効果も回復しピシッと綺麗な状態になります。
(撥水加工は熱に強く、撥水の状態を戻す傾向にあります。)
とても気持ちがいいものです。

みなさんもお家の洗剤を一度確認してみてはいかがでしょうか。
面白い事に気づくかもしれませんよ。今回、何度も何度も洗濯を試みました。
少しずつ綺麗になっていく過程やその時間でさえ、愛しく感じている自分に気付きました。
手洗いやアイロン掛けは手間かもしれません。
わずかな時間を取られてしまいますが、その時間を費やすことが心の豊かさ、モノへの愛着へと繋がっていくのではないでしょうか。

そして、着いてしまったシミもあの時の思い出として、愛おしく感じ永く愛用して頂ければ嬉しく思います。

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因みに麻や綿の商品のお手入れについてもお伝えしておきます。
弊社からお送りする際、畳みの状態でお渡ししています。
その為、畳みジワが着いてしまいます。
シワを取る方法に、
ハンガーなどにアイテムを掛け、シワの部分へお水が染み込むまで、霧吹き等で吹きます。お水が垂れますが、そのまま半日ほど放置してください。(シワの部分はピシッと伸ばしてハンガーに掛けてくださいね。)すると、お水が染み込んだ重さで自然にシワが取れやすくなります。


シワが取れない時は、是非参考に。


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