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ミュージシャンが出ている、保険会社GEICOのコマーシャル

アメリカにGEICOという保険会社がありますが、この会社は面白いコマーシャルを作ることで昔から有名です。

私はアメリカに住んでいないので、この会社で保険を買ったことはありませんが、CMはTVでよく見かけます。いくつもキャッチコピーがあり、それに合わせていくつもCMを作っています。とにかくユーモアにあふれているのですが、私がお気に入りなのはミュージシャンが出てくるバージョン。

そしてミュージシャン達も、ちょっと今は見かけないなぁと思う、でも私くらいの世代なら誰でも知っている、そんな人たちが起用されているのがポイントです。

今日はその中で4つCMを紹介したいと思います。アーティスト名の次にCMのキャッチコピーやテーマを明記しました。

Lisa Loeb

"Great Service Without All the Drama" シリーズ

リサがCMのオーディションに現れるという設定になっています。ここで彼女のは"Stay"の替え歌バージョンを歌います。

"♬You say I got a crack in my windshield…♬"(あなたは、私の車のフロントガラスにヒビがあるって言うけど)と歌いだすと、

オーディションをしている女性が「あ、あの、心が傷いてる感じは少なくね。だってGEICOでは、保険給付金の手続きは、オンライン、電話、アプリで出来るんだもの」とリサに指示します。そこでリサは、

"♬That makes me wanna STAY.. ♬"(それだと、この会社のままでいいなって思いますね)とまた替え歌を続けます。

キャッチコピーの通り、CMは給付金手続きにまつわるイライラや煩雑さとは無縁ですよ、というアピールのようです。オーディションのぎこちなさをうまく表現していて面白かったです。

RATT

"Housing Issues" シリーズ

このCMは住宅に関する問題がテーマになっています。あるご夫婦が家を買い、家そのものは素敵で気に入っていると言うのですが、ちょっと悲しい顔をしています。そして旦那さんが、"We do have a rat problem." (ネズミが出て困るんだ)と一言。すると彼らの家のいたるところで、、、

RATTが "Round and Round" を演奏しだすのですよ。「GEICOは自動車保険と住宅保険をパッケージにしてくれるので、節約できます」とご夫婦は言いますが、ネズミの出現(=バンド演奏)におののきながら生活する様子が笑ってしまいます。

Salt n Pepa

"It's What You Do" シリーズ

日常のあらゆる「押し」が必要な場面で、Salt n Pepaが "Push It" と、歌いながら人々を励ます様子が、笑いを誘います。

ドアの前に立ってる人、エレベーターへ入る人、ラマーズ法を練習中の妊婦、フットボール選手達、芝刈り機を使う人。「あなたがSalt n Pepaなら、人々に『Push It』と言いますよね。それが彼らのすること。GEICOに切り替えたら15%以上セーブできます。それがあなたのすることです(It's what you do)」というメッセージです。このCMは2014年の終わりから2015年の春ごろまで使われていたようで、2月のスーパーボウル放映時にも流されたようです。

Europe

”It's What You Do" シリーズ

 こちらもかなりナンセンスな設定です。ある職場の休憩室に、突然、Europeが現れて、"Final Countdown"を演奏しだします。しかも、メタルバンドに必須のパイロテクニックスつき!(もちろんCGだけど)

休憩室の皆さんは「何???」的ににEuropeの演奏を見ているのも面白いです。そして誰かが電子レンジでブリトーらしきものを温めているんですが、その電子レンジのタイマーがカウントダウンする様子、電子レンジの内側から、Europeの演奏がぼやけて見えるという演出があります。

「あなたがバンド『Europe』なら、ファイナル・カウントダウンが大好きなはず。それが彼らのすること」と、同シリーズのSalt n Pepaのパターンを踏襲しています。

なぜこの曲なのかというと、マーケティング・キャンペーンの一環で、GEICOがカウントダウンアプリを作成したかららしいのです。NFLのシーズン開催日に合わせてローンチされました。

そのカウントダウンアプリとは、誰にでもあらゆるイベント(結婚式、バースデーパーティー等)に向けて簡単にカウントダウンを設定できるもので、EuropeのFinal Countdownを歌が流れるのだそうです。だいぶ前にキャンペーンも終わってアプリ自体は存在していないようですが、これはアプリ制作会社の事例として紹介されていました。知ってたら、絶対使ってただろうなと思います。

ここでは載せていないのですが、調べたらまだまだたくさんのアーティストが起用されていると知りました。(ちなみに、『旅行代理店を経営しているエディ・マネー』も面白かったです)

こういったCMは、突然、馴染みのある音楽がお茶の間のTVから聞こえてくるので「あぁ!」と思うのですが、それだけでなく本人が出演しているので「懐かしいな、この人!」と嬉しくなってしまいます。

この企業に限らず、また今年もスーパーボウルの開催時期などに何か面白いCMが出てくると期待しています。見つかったら、また紹介しますね。

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