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【ポケモン】Tilt(ティルト)という状態異常 -なぜレートが溶けるのか-【コラム】

久しぶりのnote投稿はコラム記事です。

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ポケモンという対戦ゲームは、多くの不確定要素によって状況が変動するのが常です。

最も大きな不確定要素として挙げられるのがゲーム内の確率です。

現在のシリーズ9環境における原種サンダーは顕著な例で、

・直接攻撃してきた相手を30%で麻痺(素早さ1/2且つ25%で行動不能)させる特性:静電気
・命中率70%且つ当たった時に30%で相手を混乱(30%で自傷)させる暴風

といった不確定要素を多く含んでおり、頭を悩ませているプレイヤーも多い事でしょう。

加えて、不確定要素はゲーム内の確率に留まらず、対戦相手の存在もその1つです。

このゲームは対人戦であり、相手のポケモンを動かしているのはNPCではありません。そのため、「初手で自分のポケモンAと相手のポケモンBが対面したら、必ず相手はAに有利なポケモンCに交代する」といった絶対のルールは存在せず、対戦相手のプレイング次第では大きな不確定要素となり得ます。

これらの不確定要素が自分にとって都合の悪い方向に働いて負けてしまい、その敗北が引き金となって連敗を重ねてしまう、レートを溶かしてしまうという経験はプレイヤーの誰しもが大なり小なり経験したことがあるのではないでしょうか。

この時、レートを溶かしてしまった理由として「今日は運が悪かった」「対戦相手と噛み合わなかった」の一言で片づけられることも多いかと思います。

確かにこれらも一因ではあるのですが、ここで見落とされがちなのがプレイヤーの精神状態です。

連敗している時、プレイヤーは「Tilt(ティルト)」と呼ばれる状態に陥っている可能性が高いです。

Tiltとは?

Tiltとは、元々はポーカーの専門用語であり、「頭に血がのぼった状態」「正気ではなく、合理的な判断ができない状態」などを指します。
プレイヤーは思い通りのプレイが出来なかった時に、このTilt状態に陥りやすいとされています。
よく格闘ゲームでは「あったまる」という表現が使われていますが、これも一種のTilt状態です。

ポケモンにおけるTilt状態の例として、極端ではありますが以下のプレイングが考えられます。

・前の試合で自分のポリゴン2が相手のサンダーに暴風で混乱自傷を引かれたから、この試合は自分のサンダーでも暴風で混乱自傷を引けるだろうと考え、不利対面で暴風を押す(過度にリスクを負ったプレイング)
・前の試合で相手のサンダーに暴風で混乱自傷を引かれたから、サンダー対面でミミッキュで剣舞するのは得策でないと考え、試合を決めるチャンスを逃す(過度に消極的なプレイング)

上記のリスクリターンを半ば放棄したようなプレイングは、ほぼ確実に試合の流れを悪い方向へと傾けます。
結果として、敗北から生じたTilt状態が新たな敗北を呼び込み、連敗を重ねてしまう負の連鎖となってしまいます。

そして、これらの連敗には本来プレイングでリカバリーできたはずのアドバンテージ差を埋められず、最終的に不運によってトドメを刺される試合も含まれているはずです。
こういった経験が「連敗は運のせい」と印象付けてしまい、自身がTilt状態に陥っていることに気付きにくくしていると考えられます。
もちろん、本当に運が悪くて連敗している場合もあるのですが、それを判断するのはTilt状態では非常に難しく、これもTiltの厄介な所です。

では、Tilt状態を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

Tiltへの対策

1番簡単かつ有効な方法は休憩することです。
そして、これがある意味で1番難しい方法でもあります。
前項で述べたように、Tilt状態では正常な判断ができなくなっており、これは試合中に限った話ではありません。
負けた分を取り返そうと躍起になって「対戦を続ける」ボタンを反射的に押してしまう事もあるでしょう。

そこでオススメしたいのが、どんな理由があれ○連敗したら一定時間の休憩を取るルールを自身に課す方法です。
前シーズンで筆者は、2連敗した時には必ず30分以上休憩を取って食器洗いや部屋の掃除などをするようにしていました。
夜遅い時は、その日はもう切り上げてしまうこともありました。

休憩していると「あの場面はプレミだった」「確かに運が悪かったけど、あのポケモンの処理ルートに運が絡むのは構築に問題がある」など反省点が浮かんでくることがあります。
このように、休憩を挟むことで悪い流れを断ち切りつつ、プレイングや構築を向上させるヒントを得られることもあります。

2連敗で休憩していたら対戦数が稼げそうにない、という方は3連敗に変えるなど、自身のスタイルと相談しながらルールを決めるのが良いかと思います。

おわりに

ポケモンのランクバトルは単純な勝利数の多さではなく、勝敗によって変動するレーティングによって競われます。
その為には、ただひたすらに勝利を目指すのではなく、負ける確率が高いであろう状態で勝負をしないことも重要ではないかと思います。

もちろん、対戦数を重ねないと経験が得られないから無理にでも潜らないといけない、という考えも一理あります。
しかし、ここまで説明したTilt状態に陥ってしまっては、冷静に敗北を分析してそこからフィードバックを得ることは難しいでしょう。

また、7世代と異なり8世代は1シーズンが1ヶ月と短くなっており、これまで以上に効率よくレート、構築、プレイングを総合的に高めていくことが求められていると感じます。

筆者自身、今年から新社会人となり、限られた時間の中でポケモンというゲームをどのようにプレイしていくか模索している最中ですが、別ゲームを通してTiltという概念を知り、今回の記事にまとめた次第です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

※参考
1) ティルトとの向き合い方 – ポーカー上達のヒント
2) 【ポケモン】レートが100溶けてしまうメカニズム
3) 【デュエプレ】ランクマッチで運が悪い原因...?思うように勝てない時に見る動画【解説動画/デュエルマスターズプレイス/デュエマプレイス】

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