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2/1の日本対サウジアラビア戦について

※この記事は2/2頃にはほぼ書き終わっておりましたが、
投稿が遅れてしまったので、すみません。。。

2/1の日本代表の試合を見た方も多いのではと思います。
1点目の南野選手の得点シーン、
あのようにスタンドが湧いたのはいつぶりでしょうか?
久しぶりにワクワクした試合でした。

とはいえ、いくつか気になることもありましたので、
色々考察をしながら振り返っていこうと思います。


◆長友選手への批判について


まず、このサウジアラビア戦に関して、
長友選手に言及しないわけにはいかないと思います。

現代サッカーにおいて、
1人の選手の働きだけで勝敗をどうこうできるものでもないと思います。
メッシがいるアルゼンチン代表がW杯で未だ優勝できないのも、
サッカーは一人でするものではない、という事の証だと思います。

しかしながら、
その個々の選手へのファンの期待値の違いというのはあると思います。

中国戦までの長友選手の働きについては、
ファンが望む期待値を上回るものではなく、
彼の経験や実績からしたら、それは仕方がないと思いますし、
ご本人もそう仰ると思います。

その批判をはねのけて、
「批判は燃料」と言ってのける長友選手は素晴らしいと思います。

但し、あの試合を見たファンから、
「長友に謝れ」だの「中山は期待外れ」だの言われるのは
的外れだと言わざるを得ません。

◆長友選手と中山選手の違い

まず、長友選手と中山選手は元々は同じポジションを争う選手ではありませんし、同じ左SBで起用されていますが、タイプが全く違います。
なので、それぞれに起用のメリット・デメリットがあります。

大学時代まで中盤の攻撃的なポジションを務めていた長友選手は、
攻撃の時に高い位置を取りたがる傾向があります。
中山選手は、元々中盤の守備的なポジションやセンターバックの選手で、
森保監督の下で左SBでの起用が多くなるようになりました。
また、低い位置からのビルドアップを得意とします。

中国戦では連携の問題で、長友選手が高い位置で孤立していたので、
途中出場した中山選手の方が状況的に合っていたと思います。
逆にサウジ戦は、相手のドリブルが得意、もしくは俊敏な選手を抑える必要があった為、それを得意とする長友選手の方が合っていたように思いました。
同じことを中山選手にさせようとすると無理が生じます。


◆中山選手の評価について

途中出場した中山選手の評価についてですが、
サウジ戦の後にファンからは厳しい評価を受けているものの、
先ほどのメリット・デメリットを踏まえた上で判断すると、
あの状況での起用方法に問題があるように思います。

途中出場するというのは非常に難しい立場です。
守り切る為に出るのか、もっと点がほしいのか、
けがの心配か、イエローカード(累積警告)の枚数が気になるのか、
理由は様々ですが、明確な交代の目的が必要になり、
単純に前の選手の代わりをすればいいというわけでもありません。
それが無ければ交代で出場した選手が混乱し、チームが崩れます。
(2006年のドイツW杯の初戦がまさにそうでした)

なので、セオリーでいえば試合に勝っている状態であれば、
トラブルなどで選手交代の必要に迫られた場合で無い限りは、
特にディフェンスの選手については交代を行うべきではないとされています。
長友選手がサウジ戦で良いプレーをしていたのだとしたら、なおさらです。

ところが、森保監督は試合状況に関係なく、
後半に長友選手を他のディフェンスの選手と交代させる傾向があります。
(以前なら佐々木選手、最近だと中山選手)

個人的にはあの交代の意図は全くわかりませんし、
中山選手が決して良い形で試合に入れたようには見えないので、
1試合のみで評価を下してしまうのは早計だと思います。


◆長友選手と中山選手の序列について

確かにサウジ戦の長友選手は、
今回の予選の中で、一番良い働きをしていたと思います。
ただ、それによってチームの序列が長友選手の元に戻ったという事はなく、
そもそも森保監督が、ベテラン選手を優先して起用する方針を持っているという事です。

加えて、長友選手のそばでプレーしていた田中碧選手が、
今回の予選の中で最高と言ってもいい、獅子奮迅のプレーを見せていた事も、そして試合後半に非常に疲れた表情を見せていたことも、
長友選手のプレーが良く見えた理由として、決して無関係ではないと思います。

◆今後、左SBは誰を起用すべきか?

ただ、中国戦で中山選手が良い働きをした事で、
中山選手のような若い選手も起用しやすくなったかもしれません。

個人的には南野選手を左サイドで起用している事でいろいろな無理が生じていると思っているので、(大迫選手との連携とか、中盤の選手との連携とか)
個人的には中盤の攻撃的なポジションの選手起用を調整したうえで、
中山選手を偽サイドバックのような使い方をしてあげると、
全体的にバランスが良くなるような気がします。

また、後述する旗手選手なども有力候補に挙がるように、
今回選ばれていない選手の中にも、良い選手はたくさんおります。
(むしろそれが問題なのですが・・・)

但し、現時点での森保監督のファーストチョイスは、
あくまで長友選手のようです。


◆そして、戦術へ・・・(伊東選手の活躍)

一方、あの試合の主役となったのは、まぎれもなく伊東選手でしょう。
先制点の直前、中央から右サイドに抜けようとした伊東選手に対し、
サウジの5番アル・ブライヒ選手の対応は、決して悪いものではありませんでした。
普通の日本人選手ならこの程度で止められていたかもしれません。
ただ、一昨日の試合の伊東選手はその想定をはるかに上回っていました。
体勢的には伊東選手の方が不利になりそうだったにもか関わらずです。

(長友選手とは対称的に、例え右サイドで孤立していたしても独力で突破できてしまうのがすごい)

2点目のスーパーゴールについても、
伊東選手本人は「ラッキーだった」と答えていますが、
あの状態で、あの位置で、ゴールの枠の中に入れることがどれだけ難しい事か。

この2得点については、チームとしての守備の崩しなどは関係なく、
明らかに個人のチカラによる得点だった思います。

とはいえ、伊東選手が絡んだプレー以外での得点チャンスはほとんど見受けられませんでした。

所属チームで試合に出場できない状態が続く南野選手は、
代表でも本来のポジションでプレーできず、
最終予選ではこれまで精彩を欠き、昨晩まで得点できずにいました。
大迫選手は、やはり後ろを向いてボールを収める部分では違いを発揮してくれるものの、前向いた時の期待値の低さは気になっています。
(であれば、0トップとかでも良いのかなとか)
今の日本代表の攻撃は、明らかに伊東選手に依存しており、
「戦術、伊東」と揶揄されても仕方がないと思います。
現時点で、決して悪い事とは言い切れませんが。
(武器がないよりはマシです)


◆3月24日のオーストラリア戦に向けて

3月の試合では、相手チームは右サイドの伊東選手の対策を必ずしてくるでしょうし、逆サイドをどう生かすかもカギとなるでしょう。
ワールドカップ本大会で対戦したこともあるチームに対して、
伊東選手という武器1つで戦えるとは誰も思わないと思います。
現在招集されていない、三苫選手(ケガ)、旗手選手など、特に左サイドのテコ入れは必須だと思います。
(翌日のリーグ戦で旗手選手は2試合連続ゴールを決め、現地では"中村俊輔選手の再来"と称賛されています)

ただ、森保監督は、現在のメンバーにそれらの選手を追加する事を渋っているようで、1月の合宿に新たに呼んだ選手は代表メンバーに選ばれていません。
また、これまでも新たに代表に呼ばれた選手が試合に起用されたケースは少ないです。

「結果出なかったら責任取る覚悟をしているはず」と、
元日本代表監督の岡田氏は、森保監督の選手起用に言及していますが、
その賭けは吉と出るのでしょうか?それとも凶と出るのでしょうか?

ここまで来た以上、僕らには応援する事しかできませんが、

忘れてはいけないのは、
カタールW杯のアジア出場枠は残り2.5しか残っていないという事です。
※うち0.5は南米予選4位チームとのプレーオフが待っているので、
ほぼ絶望的と言ってよいと思います。

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