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Shopifyが独自のペイメントシステム「Shop Pay」をShopifyマーチャント以外の企業にも利用拡大

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2023年7月10日配信 Vol.122より

Briefing

先月、Shopifyは独自のペイメントシステム「Shop Pay」を、Shopifyを利用していない企業も利用できるよう拡大すると発表した。Shop Payは支払い情報を保存できるデジタルウォレットで、Shopifyを使って構築されているEC同士であればブランドごとにログインする必要がなく、クレジットカードや商品送付先といった情報が共有される仕組みで、すでに世界中で1億人以上の買い物客が利用している。マーチャントにとってもShop Payの導入によってコンバージョン率が高まるという利点があり、Shopifyが発表した調査によればShop Payは競合他社よりも平均して15%、最大で36%もコンバージョン率が高いという。

そのため、「Shop Payだけ使いたい」という要望が大企業のEC担当者から寄せられてきたとShopifyのCOOであるKaz Nejatianは語っている。2023年1月にリリースしたShopifyの一部の機能だけを使える「Commerce Components」もすでにテッド・ベイカーやティム・ホートンズ、Zulilyなどの大手小売業者が利用を開始しており、Shopifyに乗り換えることなくShopifyの機能を使いたいというニーズの高さが伺える。

Shopifyとしても、会社全体の売上構成を見てみるとすでにShop Payの手数料がShopifyのプラットフォーム利用料を上回っており、Shop PayがShopifyマーチャント以外でも利用できるようになることで、その収益はさらに拡大していきそうだ。さらにShop Payの導入をきっかけに、大手ECサイトがShopifyへ乗り換えるきっかけにしたいという思惑も見てとれる。既存のECサイトがプラットフォームを乗り換えるのはコストが高いため躊躇されがちだが、既存のサイトにShopifyの一部機能を追加するかたちでShopifyの機能に触れてもらうことで、のちのち全体をShopifyに乗り換えるケースも増えていくだろう。

また、Shopifyはグローバルな決済プラットフォーム「Adyen」との提携によって、Apple PayやGoogle Pay、iDEALといった決済手段にも対応できるようになる予定だ。ECのプラットフォームとしてだけでなく、決済プラットフォームとしてのShopifyとShop Payの今後の動きにも注目が集まっていきそうだ。

Shopify is making Shop Pay available to enterprise retailers

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