人を巻き込むということ

こんにちは、山村です。
私はもともとThink@に所属し、ゲーム事業の事業推進・企画業務に携わっていました。いまは一部ゲーム事業からの派生領域も含め、プロジェクト横断的にリスクマネジメントや業務推進等に従事しています。

今回はケルベロスチームとして各種業務を進める難しさ、またそのうえで個人的に心がけていることについて、お話しさせて頂きます。

ケルベロスの仕事の難しさ

小崎の記事でも紹介がありましたが、ケルベロスは品質・リスクマネジメントに関わる複数チームが集ったバーチャル組織です。
横串組織の連合体ということもあり、数週間~数か月単位のプロジェクトベースで動くことがしばしばあります。またその際、日々の仕事を進めるうえで様々な階層・部署・職種の方々を巻き込むことも少なくありません。

プロジェクトマネジメントに携わられた方には同意頂けるかもしれませんが、これがまぁ大変です。

・プロジェクトの目的が現状の変革を伴う場合、『これまでのやり方』を否定する/新たなやり方を考える必要がある
・巻き込む相手も ”本業” があり、忙しい中プロジェクトに割けるリソースがない。うまく巻き込まれてくれない
・結果、プロジェクト推進に必要なタスクが実行されず、どんどん発散・遅延していく、、、等々

アカツキ入社までプロマネ経験が少なかったこともあり、今も都度非常に苦労をしながらプロジェクトを進める日々です。。。

心がけていること

そんな試行錯誤の日々ですが、本/研修を通じた学びや、いくつかの経験を経て、なんとなくのコツも薄っすら見えてきました。以下では大きく3つの観点で、内容に触れていきます。(PMBOKなどで体系的プロジェクトマネジメントを学んだ経験はなく、あくまで私見ということで、未熟な内容もありますことご容赦ください)

①悪びれずお願いし、感謝する
かなり苦労した(している)のが、そもそも必要な人材を巻き込み、業務を依頼することです。上でも述べたように皆さん ”本業” で忙しいことも多く、一旦タスクを受けてくれた場合でも、なかなか都合通りにコトが運ぶとは限りません。そもそも『人に何かお願いをする』ということはかなりストレスフルで、こちらとしても気が進まないというのが本音だったりします。

『とても困っているから助けてほしい』『忙しい中、申し訳ない』ということを連呼しながらお願いに回っていたわけですが、なかなかうまくいかない。。。なんて思っていたところ、なんと最近全く逆効果であると知りました。

詳しくは書籍に譲りますが、『人は何か依頼をされると、断ることに抵抗を感じる。結果、相手から断る選択肢を奪われたと不快を感じ、消極的に受け入れる』らしいです。親から勉強しなさいと言われると逆にやる気を失くす、というのが典型的なパターン。覚えがある方も多いのではないでしょうか。

一方で人は、自発的・積極的に相手を助けたいという思いを本質的に持っており、へりくだらず正面切ってお願いすれば期待値以上に助けてくれるとのこと。ということで、『すいません、ではなく、ありがとう』ということを最近は強く意識しています。

(以下の本では、社会心理学の観点で ”人に支援を求める” ことについて述べています。仕事に限らず活かせる部分も多く、激しくおすすめです。)

②視点の違いを理解する
次に悩ましいのが、特にプロジェクトで巻き込む相手が多岐に渡る場合の、『あちらを立てればこちらが立たず』という状況です。
同じ内容であっても、相手方の立場や役割によって見ていることや捉え方が全く異なるため、当事者間で意見が対立することも珍しくありません。
(ケルベロスの事例で言うと、関連規制法令に関する見解を巡って、プロダクト側と協議することがよくあります)

ただ、皆が真剣に仕事に向き合っている以上、どちらかが一方的に間違っているということは基本ありません。私はこのことを『それぞれの正義の違い』だと理解するようにしています。

プロジェクトが思うように進まないと、『勝手なことばかり言いやがって』『推進役の苦労も分かってほしい』と、愚痴ってしまうこともありますが、
一歩引いた目線で関係者の背景を想像することで、自分目線では気づけなかった建設的な解決策に繋がることもあるなと、最近は思っています。

③指摘を受けて当たり前だと認識しておく
人を巻き込む仕事で一番しんどいのが、『常に指摘を受ける・怒られる』ということです。

特に僕の性格によるのかもしれませんが、やはり仕事は『よくやってくれた!』『ありがとう!』と褒められたいもの。
なんですが、特に具体的な成果物が見えづらいプロジェクトほど、その途上(場合により終わった後も)で各方面からの指摘を受けます。(しかも大体が、ごもっともな内容、、)

数か月程度のプロジェクトの場合、週次や隔週でミーティングをセットすることが多いのですが、基本的には多方面からできていない部分を指摘され続ける。これがまぁ、すり減ります笑。

で、すり減るはすり減るんですが、少し認識を変えるだけでも多少ましかもな、というのが最近の考え方です。元も子もないかもしれませんが、『仕事ってそういうもんだよね』という認識です。

どういうことかというと、学校のテストではない以上、そもそもあらゆる仕事は未完成の状態が正常
常に改善の余地があり、指摘され続ける。新たな取組みであったり、現状の変革を伴うプロジェクトであればなおさら。

ということで、半分開き直りみたいなところもありますが、心の平穏を保つためにも心がけていたりします笑。

さいごに

ということで長々と書いてきましたが、上記テクニカルなことも含め、プロジェクトに対して自分の意思を持つ、ということが結局は大事だなと思います。

どうしても自分の知らない領域に対しては専門家やメンバーの意見を鵜呑みにしてしまいがちですが、門外漢だとしても違和感を感じたら質問をする、意見を言う。そうしないと、プロジェクトも発散・遅延していくし、最終的にはメンバーの信頼も得られないなと、自戒込めて感じます。

今更当たり前のこと言うな!というお叱りも飛んできそうですが、個人の学びということで、ご容赦ください笑。
以上、ありがとうございました!それでは!

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