ゲーム運用のリスクは正直しんどい

ご挨拶

初めまして。さかもとです。
新卒で中堅ゲーム会社に就職後、数年を経てアカツキに入りました。

今でこそThink@というリスクマネジメントチームに属して、こんな記事を書くようになりましたが、実はリスマネ歴はまだ半年程度でして、これまで様々な職種を踏んでまいりました。
プランナー(新卒から3年程度)を経て、ディレクター(1年ほど)→プロデューサー(半年)→検証(数ヶ月)→スクリプトリーダー(数ヶ月)→PM(1年半)→リスマネとレイヤーも様々に上下しながら、企画・事業・マネジメント界隈で立場を経験させていただいております。

ゲームにおけるリスク

そんなロールジャンパーな僕ですが、経験の中で数多くのトラブルももちろんありました。

ゲーム開発も事業として行うのであれば、当然のように法律やガイドラインなど様々な制約が存在します。
みなさんが強く印象に残っている物だとコンプガチャ問題やRMTなどは記憶に残っているかと思います。

このような問題は知識がないと気が付きにくいが、発生したら大事になってしまう非常に怖い物です。そのため、予めどこまでリスクを検知しておけるのかが重要になってきます。
今回はそんなリスクに関する概要をお話しできればと思います。

ユーザー資産保持

ソーシャルゲームに限らず、オンラインゲームというものは全てのユーザー情報がサーバーに保存されています。なので、そこに保存されているのはお客様の大切なセーブデータなわけですから、うっかりミスなんて許されません。
フリープレイゲームのデジタルデータとは言いつつ、一度はお客様の手に渡ったものになるので、我々も万全の対策を持って運営を行っているわけですが、万が一のことも起こるときには起こってしまうもので・・・

そういった際にやはり論点になるのが補償や補填といったものです。
キレイさっぱり元どおりにできるならそれに越したことはありませんが、それが難しいから大きなトラブルとなってしまいます。
そうした際にはバックアップや過去情報を元にできる限りの修正を行い、不足分は別の手段を用いてでも、お客様の損失を埋め合わせしております。

こういった対応は一つ手段を間違えてしまうだけで、温度感が変わってきてしまうため、非常に慎重な判断を要求されます。
そういった内容はお客様とサービス運営やカスタマーサポートなどから対話を続け、自分もゲームをプレイしながら、場数を踏むことでしか感覚をみがくことができないため、一定の経験を持った専門チームがあることは強みになります。

新しい仕組みに関連するリスク

現在、世に多くのスマホゲームタイトルが出ており、レッドオーシャン市場と言われていますが、期間にするとアプリゲームが世に出て10年程度、ガラケーやブラウザまで遡ってもまだまだ若い業界です。
そうした中で我々開発者はどのようにすれば新しい遊びを提供するのかを常日頃から考えています。

そのような中で生まれてくるアイデアの中には違法性を持った物もあります。もちろん違法な物をお客様に提供するわけにはいかないので、事前に検査や改善を行って適法な仕組みにするわけなんですが、その中でよく上がる法律がこの辺りです。

・ 不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる景品表示法)
・ 特定商取引法
・ (法律とは異なりますが)JOGA/CESAによるガイドライン

しかし法律やガイドラインはやはり取っつきにくいものでして、このあたりをしっかりと理解している人というのは意外と少ないものだと経験から感じております。
僕自身も正直最初はめんどくさいと思っていましたが、これを侵す方が遥かに大変な事態になってしまうため、勉強し、噛み砕いて他のメンバーに伝えていました。

まとめ

まとまりがなくなってきたので、強引にまとめます。
これまで書いてきたもの以外にも、契約に関するものやお金の行き来などゲームも事業として行っているため、ビジネスとして発生するトラブルも多々あります。
そういったトラブル経験を踏んできた僕の個人的な意見としてですが、それらを経て身についてきたものはたくさんありますし、今のようなポジションにつくことができたのもそのおかげだと思っています。
しかし、しなくてすむのであれば、それに越したことはありませんし、僕自身も過去に戻ってもう一度体験しろと言われたら、絶対にお断りします。

そういった物は基本的にお客様を不当な商売から守るために制定されている物なので、守ったからゲームが格段に面白くなるなんてことはありません。
そのため、ゲームプランナーだった頃は僕も「めんどくさい」とか「こんなの誰かなんとかしてくれ」と内心思っていましたw。

そのため、これからアカツキに限らずゲーム開発に関わる方々にはただ面白いことを求めて楽しくゲームを開発できる環境を提供できるよう、ルールやガイドラインを整備していければいいなと思っています。

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