![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70721541/rectangle_large_type_2_6e47601000f024f73d1a0ec6c0c7d00e.png?width=800)
【SS】誇り
サッカー部キャプテンの彼女としての意地をかけて、ひとり持久走を本気で走っていたあの子は幸せになっただろうか。
本来、1番幸せになるべき人間が不幸になる世界だ。
自分の彼氏が恥をかかないように、極寒の校庭を半袖で走り続けた彼女のような人間は、絶対に幸せになるべきだった。
3月、JK剥奪式が執り行われ、多くの女子が下品な咽び泣く中、彼女だけは毅然とした態度で前を向いていた。
僕は彼女とは一度も話したことがなかったけれど、いつも彼女を目で追っていた。
美人なのに周りに媚びたりしない。下品なまでにスカートを短くしない。友達はちゃんと選ぶ。そういう強い人だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?