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20歳になって気付いた。本気で努力したことがない。

自己分析をすることで、僕らは自分を物語るための言葉を獲得してゆく。

しかし同時に、徹底した自己分析とは、ときとして残酷な現実を突きつけてくるものだ。


僕は大学2年の春、就活というシステムに取り込まれるように、
「そろそろ自己分析くらいやっておくか〜」と呑気に思って、
自分の過去を振り返り、現在を見つめ、未来に想いを馳せてみた。

そして僕は、このとき初めて気付いた。


僕はこれまで本気で努力したことが無い。


僕はこれまでずっと「そこそこ」だった。そこそこにスポーツを頑張って、そこそこに勉強ができて、そこそこの大学に入った。

大抵のことは、要領よくできるタイプだったから、対して努力をすることもなく、それなりに頑張って、それなりの成果を出していた。

ただ、それらの過程は「努力」と呼べるには能動性や継続性に乏してくて、
むしろ「労働」といった方がニュアンスは近いかもしれない。

周りがみんなやるから受験勉強をする。なんとなく流れで毎日部活に行く。特に目標なんか立てなかったし、だから試合で負けてもそんなに悔しくなれなかった。

それでも毎日は平和で穏やかで、それなりに充実しているように感じていた。

無気力で、受動的で、圧倒的な成果を出せない人生だった。
20年間、死ぬ気で本気の努力なんてした記憶がない。


そのことに気付き、僕は非常に焦った。

これでいいのか、山田。もう俺は20歳だぞ。

周囲の人間を驚かせるような成果も出せず、永遠に普通の成績だけを出すような平凡な人間のままでいいのか、と。

同世代で結果を出している人を見ると、いつもどこからともなく嫉妬の虫が耳の中から体内に侵入してきて、僕を苦痛な嫉妬心へと駆り立てる。

なんで彼はあんなに頭がいいんだ。あいつはイケメンだな、それに青学かよ。あの人は俺と同じ20歳なのに、ネット上ですごい有名人だ。同級生の〇〇くん、東大に入ったんだって。もうあいつ、大手に内定決まったらしいよ。□□さんは、インスタのフォロワーが7万人もいるんだって、同い年なのに、みんなすごいな。。みんなすごいな。。。


得体の知れない後悔が腹の底で蠢いた。そしてエンジンはかかった。


それから僕は、謎の悔しさに背中をドンと押された。

とにかく自分1人で完結できる範囲で、できるだけのことをしよう。
何かすごいことがしたい、俺だって、何者かになりたいんだ。

でもそうは言っても、僕にはやりたいことなんてなかったし、将来の夢も卓越した特技も、夢だってなかった。

だからと言って、何もしないわけにはいかなかった。

また嫉妬の虫が耳から体の中に入ってきて、僕を非生産的な嫉妬心へと駆り立ててしまう。その前に…!


そして1年半、とにかくがむしゃらに行動し続けて、
まずは「個人で稼ぐ」ということに執着しよう。

結果的に、僕は映像制作代行をSNS上で売り出して、個人事業で稼ぎ出すことに成功した。いわゆるフリーランス的な働き方をして、5ヶ月間で70万円の売上を出したんだ。

とてもとても嬉しかった。

最初の1年間は、とにかく失敗の連続だったけど、とにかく諦めずにいろんな方法を検証しながら自分が一人で稼げる道を探したんだ。

こんなこと大したことじゃないかもしれないけど、僕にとっては、自分で主体的に考えて、自分起点で行動して稼ぎ出した70万円だった。バイトで稼いだお金とはわけが違ったんだ。

そしてこの経験を武器に(大した武器にならないかもしれないけど)、ベンチャー企業の長期インターンの選考を受け、現在は、とあるベンチャー企業で新規事業に従事している。


こうして自発的に行動するようになると、だんだん自分が本当にやりたいことが見えてくるようになった。

ちょっと前までは、やりたいことも夢もなかったけれど、今はできた。

世界一周もしたいし、noteを続けて文章で人気者になりたいし、ビジネスを本気でやってお金だってたくさん稼ぎたいんだ。


僕が就活の自己分析で学んだことは、「労働」と「努力」は違うということだ。(これは村上春樹の『ノルウェイの森』で永沢という男も言っていた)

主体的に、能動的に、これからは努力を継続できるように頑張ろうと思う。

このエンジンがいつまでも潰えないように、
「20年間、本気の努力をしてこなかった自分」と向き合って生きようと思う。


なんか、こんな真面目な話は柄じゃないな…。
明日からまたマッチングアプリ放浪記を書くよ。見てね。

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